2012年05月
2012年05月31日
綾川の河川争奪
先週末、「讃岐ジオサイト」訪問第2弾は、「堤山と綾川」
滝宮天満宮に集合し、出発。私はここまで自転車で18km。丁度、高松までの中間地点だ。
ここは、讃岐山脈を源流とする綾川の流域。長谷川先生は、「滝宮付近の渓谷が出来る前（更新世）は、堤山の北側を西方に流下し、土器側と合流した」と推定されている。綾川が現在の流路に河川争奪された原因は、「丸亀平野の活断層による下流側の隆起や大高見峰からの大規模土石流により川が塞き止められた」のではないかと。
綾川水系には伏流水が多く、麺を茹でたり〆るのに水を多く使う讃岐うどんの有名店が集中していること場所でもあります。
2012年05月30日
瀬戸大橋は新幹線対応だった!
昨晩は、地元「高瀬経営者協会」の第40回通常総会の記念講演へ出席。講師は、JR四国の泉社長。
そこで明かされたのが、「瀬戸大橋はもともと新幹線対応になっている」という事実。現在は、上記写真（Wikipedia)のように、中央の支柱を挟んで、上下の在来線が通っている。「最終完成時」では、東側に在来線、西側に新幹線がそれぞれ複線で通る設計になっている、ということ。確かに、写真で見ても、片側だけで複線が走れるだけのスペースが外側の支柱まで存在する。
そりゃ、10年掛けて1兆1338億円という巨費を投じたのだから、将来、そういう話になっても対応できるようにしておこう、というのは当たり前かもしれない。幸か不幸か、1988年に完成して、24年になるが未だ新幹線は通ってないし、その予定もないようだ。
JR四国の路線は、その後完成した高速道路網とほぼ重なっており、在来線では高速道路に太刀打ちできず、じり貧になりつつある。輸送量（人キロ）で見ると、平成5年から平成20年の15年間で、新幹線各線が輸送量を伸ばしているのに対し、JR四国全線で28%減となっている。
国の整備新幹線計画では、合計で約9兆円が使われているが（北陸3.8兆円、北海道2.2兆円、九州1.9兆円など）、四国には予算がついていない。さて、四国新幹線は実現するか? というか、採算が成り立つか?
2012年05月29日
外国人と行く粟島探検ツアー
久しぶりに、遊びの話題。地元、三豊市国際交流協会主催の「外国人と行く粟島探検ツアー」に先週末参加。
30-50人くらいかと思っていたら、100人を超える参加者だったので驚いた。集合場所の詫間須田港までは、片道15kmを自転車で。
そこから粟島港までは船で15分。標高２２２mの城ノ山に登った（写真）後はBBQで腹ごしらえ。たっぷり食べた後、海岸清掃。残念なことに、瀬戸内の島はどこへ行ってもゴミが多いです。生活ゴミの他、かき養殖で使われるプラスチックパイプなど。しっかり拾って帰りました。
そんな訳で、天気も良く、香川在住の外国人との交流を楽しんできたのですが、ドウモナー、と思ったのが参加料金。日本人は2500円（年会費1千円含む）で、外国人は500円なんですよね。
地元の住民が高くて、外国人が安いという「逆差別料金」。三豊市国際交流協会は三豊市の外郭団体で、市から補助金が出ているわけですから本来であれば、市民割引があってもいいくらい。「交流」というからには、安くして客寄せパンダのように集めるのではなく、同じ料金であるべきでしょう。
ロンドンに留学したとき、当時はまだ政府から補助金が多少あったので、
イギリス人 £XXX
他EU諸国 £XXX
その外 £XXX
という風に、授業料が三段階に分かれていて、イギリス人と外国人留学生では倍半分くらい違いました。アメリカの州立大学も、州内の学生と、他州から来ている学生では授業料が違います。
日本人は納税に関する意識が低く、従って、使われ方にも関心が低いのかもしれません。
2012年05月28日
自分だけは一等船室に
26日（土）の読売新聞に、宇宙開発委員会・池上徹彦委員長のインタビュー記事があった。
H2Aロケット打ち上げが成功したが、「打ち上げビジネスは、市場が小さく競争が厳しい」 さらに、米ベンチャーSpaceXの「ファルコン９の打ち上げ価格は50億円ほどで、H２Aの半分以下だ」と続く。 のっけから、「開発に意義があるから、もっと予算をくれ」でないところに共感。
池上委員長はSpaceXの工場見学もしており、その開発手法とは以下のようなものらしい。
・創業者でCEOのイーロン・マスク氏はITベンチャーで巨額の富を築き、宇宙、電気自動車などの事業に投資
（ペンシルベニア大学 物理学部卒＆MBA Tesla MotorsのCEOでもある）
・一つの大きなガレージのような建物で、ロケットの設計から組み立てまでやっている
・部品も8割はそこで作っている
・全てが手近にあり、問題が起きると、すぐに経営者、設計者、技術者が集まって協議する
・エンジンは一種類で、それを束ねて大型化する（Falcon9では9本）
・同じエンジンを大量生産するので価格が下がる
要するに、「安くロケットを打ち上げる」という目標に絞った「高度な町工場」（＝ベンチャー）と言える。Focused Factoryという言い方も出来るだろう。
こうした状況を見ての、池上委員長の結論はこうだ。
「 日本の宇宙開発は、目的が定まらず、予算も増えない。氷山に衝突して沈没したタイタニック号のようになってきている。なのに、関係者の危機感は薄く、自分の予算だけは特別につけて欲しい、つまり一等船室に入れて欲しいと、争っている。でも入ったところで、船が沈んでしまえば終わりだ。内向きの争いから脱却し、国の長期目標を作る必要がある。」
先月紹介した、ダイソー矢野社長の感想とも通じますね。
「 船が沈み始める頃から、自分だけは生き残りたい、いい思いを少しでも味わいたい、そんなことを思うようになる。人間の心理ですね。つぶれる会社というのはまず社員の心、ソフト面からおかしくなって、それが間もなく店や商品などハードに現れるんです。ひょっとしたら日本という国の状態も、今そうなのではないでしょうか。」
2012年05月27日
世界的な技術を持つ会社が、いつまでも町工場でいることが問題
ヘコむな、この１０年が面白い！
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日本は不況になるたび、「モノづくり復権」と言われるのですが、単なる「モノづくり」ではノスタルジーに過ぎないことは明らかです。それが行き詰っているわけですから。
「世界的な技術を持つ会社が、いつまでも町工場でいることが問題。そうした町工場が1000社あっても、日本経済は回復しない。」という筆者の主張は、当たっています。「日本の会社にはマーケティングが足らない」ということだと思います。
日本は「モノづくり」国家から脱却せよ！
・垂直統合型の企業構造は崩れた
産業のグローバル化が進んだ
中国が汎用品を大量に作るようになった
水平分業型モデルにより、商品が短期間でコモディティ化
・日本企業は、今後は自分でモノづくりをするのではなく、モノを「つくらせる」ようにするべき
・「環境」は日本経済にチャンス
・モノは、それが作られる過程よりも、売られる過程において価値が高められる
売れるための仕組みづくり＝事業化
・日本のサービスビジネスにチャンス
結婚式、介護、葬儀
・「歴史と伝統」という他国に負けない財産
伝統や技に基づくストーリーを商品･サービスに織り込み、ブランド価値を高める
「世界的な技術を持つ会社が、いつまでも町工場でいることが問題。そうした町工場が1000社あっても、日本経済は回復しない。」という筆者の主張は、当たっています。「日本の会社にはマーケティングが足らない」ということだと思います。
日本は「モノづくり」国家から脱却せよ！
・垂直統合型の企業構造は崩れた
産業のグローバル化が進んだ
中国が汎用品を大量に作るようになった
水平分業型モデルにより、商品が短期間でコモディティ化
・日本企業は、今後は自分でモノづくりをするのではなく、モノを「つくらせる」ようにするべき
・「環境」は日本経済にチャンス
・モノは、それが作られる過程よりも、売られる過程において価値が高められる
売れるための仕組みづくり＝事業化
・日本のサービスビジネスにチャンス
結婚式、介護、葬儀
・「歴史と伝統」という他国に負けない財産
伝統や技に基づくストーリーを商品･サービスに織り込み、ブランド価値を高める
2012年05月26日
社長になる人はなぜゴルフがうまいのか?
社長になる人はなぜゴルフがうまいのか？〜あなたが変わる最強の集中力〜
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私はゴルフをしないが、これには納得するね。
・ゴルフが上手な経営者は皆、ビジネスも抜群
�‖腓�な夢を持ち、それが叶うと信じ込んでいる
�¬簑蠹世鯣�見し、分析して詰める
�Ｉ�要なときに、必要な人と出会えるツキを持っている
�い笋襪戮�時に、のめり込む能力＝集中力が著しく高い
・「成功脳」の状態
脳がプラスの感情を生み出すことで、集中力や判断力などが高まり、何をやってもうまくいく状態
・プラスの感情を作るには、プラスの言葉、プラスのイメージと結びつけた動作
・反省は集中力、思考力がさえている絶好調のときにすべき
不調なときは、何も考えず行動する
・ゴルフでも仕事でも上達したいなら、ライバルを設定し、必ず抜いてやろう、と思うこと
2012年05月25日
科学的管理法
|新訳|科学的管理法
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ドラッカーが「マネジメントの発明者」と紹介されることもあるが、勿論、それ以前にも「マネジメント」はあった。私の（当てにならない?）記憶では、ドラッカー自身が、どこかで、「アメリカの最大の発明はマネジメント」といった趣旨のことを書いていたと思うのだが、さてどうだったろう。
ドラッカーが生まれた頃(1909)、発刊されたマネジメントの古典が本書。原題は"The Principles of Scientific Manegement"である。「科学的管理法」というと、どうも、映画『モダンタイムス』(1936)を連想してしまうが、著者テーラーの信念はそこに描かれた世界とは全く違う。
科学的管理法の具体例として、当時のベスレヘム･スチールでの銑鉄を運ぶ作業の例が上げられている。ここでは約42kgの銑鉄を作業者が持ち上げて貨車まで運ぶ作業をしている。作業者一人が一日に運ぶ銑鉄の平均は12.5t。しかし、多い人は一日に47-48t運んでいた。マネジャーの指導の下働かせたところ、最終的には75人の作業者全員が一日に47-48t 運べるようになり、全員の給与が60%上がったという。（それにしても、一人で一日に47-48t 運ぶとは、昔の人はスゴイ）
・「雇用主と働き手の利害は、最終的には一致する」という信念
・雇用主と働き手が、ともに最高の豊かさを手にするには、効率を追求するしかない
・従来、仕事の仕方は体系化されておらず、働き手任せだった
・マネジャーの任務
�＾貎涌貎諭�一つ一つの作業について、従来の経験則に代わる科学的手法を設ける
��科学的な観点から人材の採用、訓練、指導などを行う
�Ｉ�下たちと力を合わせて、新たに開発した科学的手法の原則を、現場の作業に反映させる
�ぅ泪優献磧爾瞭�き手が、仕事と責任をほぼ均等に分け合う
マネジャーの仕事は、科学的データの収集、整理、活用を行い、作業に伴う課題を作業者と一緒に解決していくこと2012年05月24日
丸亀町商店街
今、全国で一番有名な商店街はここではないだろうか？東京で、「高木さん、丸亀の出身だよね? 商店街が有名なんだって?」とよく言われる。「いや、それは高松の『丸亀町商店街』で・・・」といつも説明している。ちなみに、 「丸亀町」の名前は、江戸の始め、高松藩主の生駒正俊が、丸亀の商人をこの地に移したことによるといわれている。
昨晩の四国経済事情の外部講師は大西秀人・高松市長。（丸亀高校の先輩でもある）市長の説明によれば、丸亀町商店街は地方商店街の活性化事例として有名で、１０００円する有料の資料だけでも昨年度１万部も売れたというから驚く。今年は、JTBが「視察ツアー」を組むのだそうだ。
なぜ、丸亀町が成功したのか? いや、正確には、まだ投資が行われている段階で、成功したと本当に言えるのは、今後何十年にも渡り賑わいが続き、投資が回収されて収益を生み出してからだろう。とはいえ、何もやらなければシャッター街として死滅するだけなので、関係者を巻き込み、投資を呼び込み、前向きに挑戦していることは素晴らしい。
さて、その「活性化に向けての挑戦」が始まったのは、1988年、バブル絶頂期の「400年祭」だったという。その際に、「この賑わいがこれからの100年も続き、次の500年祭を迎えることができるのだろうか？丸亀町はいろんな取り組みをしてきたが、100年先を見据えた時、もっと抜本的な改革が必要なのではないか？」という懸念が、振興組合理事長より投じられました。」ということである。
なるほど、改革はリーダーの正しい問題意識から始まる。
なるほど、改革はリーダーの正しい問題意識から始まる。
2012年05月23日
片道36km自転車通勤
このところ、周りは運動ばやり。トライアスロンにウルトラマラソン。果ては、「米10kgしょって走る」というSloan Fellowがいたので、何かと思ったら、来月ゴビ砂漠で250km7日間かけて走る練習なんだとか。
なんでも、水以外のものは全て背負って走るルールだそうです。皆さん、自分の限界追求に余念がありません。一方、先般書いたとおり、田舎に来てから自動車通勤で運動不足な私。朝走るとか、週末にジムにでも行けばよさそうなものですが、 どうも、「運動のための運動」というのが苦手なのです。東京では朝夕の犬の散歩に、都内の移動はなるべく自転車。平均して、一日1時間は歩き、1時間自転車に乗っていたと思います。これで体調維持は出来ていたので、それで満足していました。
そういう、「生活の中に組み込まれた運動の機会」が少ないのが田舎。FBで、サロマで来月100km走るという地元M社長に刺激され、「自転車通勤する」と宣言したのが先週。ただし、�￣�が降らないとき、�▲后璽弔鮹紊覆�ていい日、�Ｌ觴�業が無いとき、という条件で。
その初日が昨日。片道36kmを1時間50分。行きは、マイナートラブルで約10分、初めてだったので途中FB投稿5回で約10分ロスしたので、実質1.5時間。帰りは、流石に急に走ったせいでしょう、後半左ひざが痛くなり10分ロスと、アイスクリーム休憩で10分ロス。やはり、所要時間1時間50分でした。平均時速20km、実走行時間に対しては時速24kmですね。
トラブルは、新しく取り付けたサドルバッグの位置が悪く、タイヤと接触したので位置調整。気が付くのが遅く、新品のRixen Kaulに穴を開けてしまった。
それに、バッグの上にネットで縛っていた携帯ポンプの固定が悪く、落として拾いに戻った。今回バーハンドルのクロスバイクだったので、ロードバイクなら1.5時間楽勝でしょうね。さて、今後、どれだけ続けられるか。
写真：無情にも、行きで向かい風にたなびくカマタマーレの旗 �じ�かい風じゃないとき、というのも入れたい。
2012年05月22日
アメリカの不運、日本の不幸
アメリカの不運、日本の不幸―民意と政権交代が国を滅ぼす
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過去の帝国を振り返ると、民主主義の下での「行き過ぎた福祉」が国の衰退をもたらしている、という指摘。ローマもイギリスも、よい時代に社会福祉を充実させるが、それを支えられなくなっても、既得権益化した福祉を縮小させられない。結果、国が衰退して、全員が貧しくなってしまう。日本はこれを変えられるか?
・民主党政権は、イギリスの政治システムをまねようとしているが、同国では首相が一元的に行政の指揮権を持ち、省庁を新しく作ることも廃止することも、首相の決裁だけで可能。公務員は「政治家の使用人」として働くなど、日本とシステムが違う。そもそも、イギリスでは、最優秀の学生が政治家になる。官僚を圧倒できるだけの能力と威信。
・イギリスは、労働党と保守党が政権交代を繰り返すたびに国力を衰退させた
1923年、初の労働党政権→1年維持できず挫折「バラまき公約」で財政行き詰まり
・アメリカは衰退し始めており、「世界の超大国」としての地位は、あと２０-３０年
・英語をしゃべれないアメリカ人が急増。アメリカ的価値観を持たないが増えている。ローマ帝国がゲルマン人の侵入により衰退したパターン。
2012年05月21日
＜大学＞再考
「大学」再考―概念の受容と展開 (明治大学人文科学研究所叢書)
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私の職業訓練第5弾。
式部省の管轄で文官養成を担った｢大学寮」を、現在の大学につながる教育機関とみなすのかどうかは別として、日本にも7世紀から高等教育機関が存在した、というのは興味深い。勿論、この原型はその政治体制を真似た中国にあり、紀元前から官僚養成学校が存在した。
233：弘化４年（1847）学習院設立
「公家が個々に学習する」
大学寮や四姓学校の復興
239：大学寮＝日本書紀 天武天皇4年(675)正月〜治承元年（1177）大火
式部省の管轄で文官養成
入学13-16歳
最大9年間
四書五経
12-13ｃ「中世大学」欧州キリスト教
ボローニャ・パリ
ラテン語による授業
16c 地域化
英、仏、独
19c キリスト教国以外へ
オスマン帝国・日本＝侵略を免れた独立国
273：西洋中世大学の特徴
・学位授与権
・試験制度
・学科過程
・学生の休暇や通行の自由
ギルド＝独立した組合＝特権
・納税免除
・独自の司法権
○教会の教育施設
×研究機関
11ｃに始まったOxfordは1167年HenryIIがイギリスの学生がパリ大学で学ぶことを禁じたことによって急速に発展。1209年、強姦罪で告発された二人の学生が殺されたことがきっかけで一時解散し、これがCambridge大学の設立につながる。（Wiki)2012年05月20日
リカレント・プログラム
昨日は、「リカレント・プログラム」なるものがあり、休日出勤。最初聞いたとき、何のことか分かりませんでしたが、どうやら"Recurrent"ということで、つまり、「もう一度新しくする」＝「卒業生に再教育を行う」ということらしいです。「こんな先生が入りました」という紹介も兼ねて、新人教員が担当しました。
GSMの卒業生は30人ｘ8期＝240人いて、しかも殆どが地元に居ますので、｢100人くらい来るのかな」と思っていたら、 在校生も入れて30人程度だったのにはガッカリ。世界中に散らばっているLBSの卒業生でも、同窓会となれば、1/4-1/2位は集まります。
永らく母校の同窓会運営に関係してきましたが、結論としては、
�＿�かしい人に会い、「旧交」を温められた
��何か役立つ｢学び」があった
��新しく面白い人に会えた（Networking)
という三つの仕掛けがなければ継続的に活発な会は運営できません。�，脇荏覯颪箸靴禿�たり前ですが、現役でバリバリ働いているMBAを対象に実施するには、「懐かしさ」だけではダメなのです。
こういった｢仕掛け｣に加えて、当然、運営上の工夫も必要です。私がやっていた手法は、
�＾豬鄙阿忘能蕕離▲淵Ε鵐后覆△泙蠅冒阿世肇灰潺奪箸�難しく、これ以上後では別の用事が入る恐れがある)
��以降、毎週、｢最新の参加予定者リスト」をつけたリマインダーを出す
MLで当然アナウンスするわけですが、メールは必ず見落としがありますし、その時点で「まだ予定がはっきりしない」とほったらかしにされていることもあります。そこで、会の案内を再送するわけですが、ポイントは参加予定者リストをつけることです。これを見て、参加しようかどうか迷っている人が、「あの人が来るなら」と増えていきます。
�０�食は最小限でいい
上記三つが目的で同窓生は集まりますので、飲食は最低限にして、金銭的にも出席しやすくしたほうがいいです。盛況だった同窓会ほど、参加者は会話に夢中で飲食のヒマがありません。結果として、残り物が多くなるのももったいないので、通常、会場が取れる最小限の飲食プランにしていました。飲食は、自分の金で好きなものをゆっくり食べればいいんです。
こうやって、LBS日本同窓会は、「世界で最も活発に活動している」といわれるまでになりました。
GSMの卒業生は30人ｘ8期＝240人いて、しかも殆どが地元に居ますので、｢100人くらい来るのかな」と思っていたら、 在校生も入れて30人程度だったのにはガッカリ。世界中に散らばっているLBSの卒業生でも、同窓会となれば、1/4-1/2位は集まります。
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こういった｢仕掛け｣に加えて、当然、運営上の工夫も必要です。私がやっていた手法は、
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MLで当然アナウンスするわけですが、メールは必ず見落としがありますし、その時点で「まだ予定がはっきりしない」とほったらかしにされていることもあります。そこで、会の案内を再送するわけですが、ポイントは参加予定者リストをつけることです。これを見て、参加しようかどうか迷っている人が、「あの人が来るなら」と増えていきます。
�０�食は最小限でいい
上記三つが目的で同窓生は集まりますので、飲食は最低限にして、金銭的にも出席しやすくしたほうがいいです。盛況だった同窓会ほど、参加者は会話に夢中で飲食のヒマがありません。結果として、残り物が多くなるのももったいないので、通常、会場が取れる最小限の飲食プランにしていました。飲食は、自分の金で好きなものをゆっくり食べればいいんです。
こうやって、LBS日本同窓会は、「世界で最も活発に活動している」といわれるまでになりました。
2012年05月19日
文明の衝突
文明の衝突
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図書館で予約していた本が到着。1996年出版だから、もう15年が経っている。それでいて、未だに予約が入っている、というのがスゴイ。
序説:日本文明の特徴
�‘�本独自の文明 5c-
「日本は近代化されたが、西欧にはならなかった」
�∪こΔ亮舁廚癖弧世�2カ国以上で構成される
日本国＝日本文明＝孤立
支配国と手を結ぶ→自国の利益
-WW1 英
WW1-2 ファシスト国家（独）
WW2- 米
361:「ヨーロッパの過去はアジアの末来」フリードバーグ
◎アジアの過去はアジアの未来
135:地域化 第一世代指導者＝卓越した法律家
パキスタン ムハンマド・アリー・ジンナー Oxford
シンガポール ハリー・リー→リー･カンユウ Cambridge
スリランカ ソロモン・バンダラ・イノラ リンカンズ・インド法律学院
リー「スエズ以東では他に類の無い最高のイギリス人」英大臣
387:イスラムの血なまぐさい国境
異文明間の戦争の2/3-3/4はイスラム教徒と非イスラム教徒間のもの
70:ヨーロッパ諸国の間では平和は例外であって、常態ではなかった
多神教である日本は平和 宗教の無い国で、どうやってモラルを保つのか?
2012年05月18日
日本の社会保障以外の政府支出はOECD中最低
香川大学GSMでは、地元の経営者や官公庁のトップを招いての講義が毎週のように行われる。今週は、四国財務局の局長。財務省の方なので、当然ながら、現在の深刻な財政状況を中心に説明があった。
ほとんどの資料は、既に見たことのあるものだが、一つ面白いと思ったのがこれ。配られたグラフとは体裁が違うのだが、元データは同じ。増税不要を説く三橋貴明氏の資料に、全く正反対の立場である財務省と同じグラフがある、というのが面白い。
ポイントは、
�‘�本の政府支出は先進国の中で最低水準である
�△修譴癲∩躬拿个�55%は社会保障費であり、社会保障費以外だけ見れば、OECD諸国中最下位である
ということ。
つまり、世界最悪の財政赤字の主な原因は税収が低すぎることで、政府が無駄な支出をしていることではない。政府支出に無駄が多いのは世界共通のことで、「行政は顧客を選べない」という点に最大の原因があると思う。したがって、この「小さな政府」を維持すべきだが、これ以上小さくすることは、国民の政府に対する考え（要求）を変えない限り、無理だ。
一方、これも、マスコミや大衆迎合の政治家には無視されがちだが、日本の国民負担率は世界最低水準である。日本より低いのは、皆保険制度を持たない米国だけだ。
要するに、現状は、「世界最高水準の公的サービスを、世界最低水準の負担で実施」しており、その不足分は、国債で将来の国民に負担してもらう構造になっている。財政破たんは既にいつ起こるかもしれない水準に達しているので、「将来」と言いながら、今いる国民の殆どはその影響を受けることになる。
こんな秘密でもなんでもないことを無視して、「無駄を無くせば10兆、20兆すぐ歳出削減できる」と言っていた民主党はなんだったんでしょうね。野田総理は、その点反省しているようなので、しっかりやってもらいたい。
2012年05月17日
企業参謀
企業参謀―戦略的思考とはなにか
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23年前、MBA1年目の｢戦略論」で、唯一の日本人著者による副読本がこれの英語版だった。
" The Mind Of The Strategist" by Kenichi Ohmae
今回、日本語で読んでみる。やはり、こちらのほうが分かりやすい。(笑)
初版は1975年。当時の大前氏は、日立での原子炉設計に見切りをつけ（技術的な優劣で無く、政治的なことで仕事が左右されるのに嫌気が差したとか。最後の仕事が「もんじゅ」！）、日本法人が設立されたばかりのマッキンゼーに入社。経営など勉強したことが無かったので、社内資料を読んで自分の勉強のために大学ノートに書きとめたものが本書の元になっているという。
当時32歳。大前氏の出世作である。
・渾然一体となっている事象を分析し、ものの本質に基づいてバラバラにした上で、それぞれの持つ意味合いを自分にとって最も有利になるように組み立てる
・設問の仕方を解決策思考的に行う
・実践上の留意点
��Ifに対する恐れを捨てよ
��完全主義を捨てよ
��KFSについては徹底的に挑戦せよ
�だ�約条件に制約されるな
�サ�憶に頼らず分析
日本人は「分析力」と「概念を作り出す力」が弱いので、「毎日の新聞を読むのをやめて、週間あるいは月刊誌に切り替え、知識が断片的に入ってくるのを防ぐ」という提案をしている。1975年にですよ！ 2012年05月16日
英語が出来ても、バカはバカ
日本人の９割に英語はいらない
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タイトルは本の帯から。マイクロソフト日本法人トップであった成毛氏だけに説得力があります。MSでも、英語が必要とされたのは本社とやり取りする必要のある1割くらいで、他の社員には関係なかったとか。
実は、私もかねがね「英語は選択制にすべきだ」とことあるごとに主張してきました。理由は、成毛氏の言っているとおりで、（いやいや学んでも）人間が最も吸収力の高い中高の貴重な時間を無駄にしてしまうからです。
かねてより、指導法が悪い、とか、文法偏重だ、とか言われてきましたが、日本人が英語の出来ない最大の理由は、「必要としてないから」です。生徒の親の大半も英語が出来ない。それで不自由なく暮らしている。英語が上手い国は、英語を母国語としている国を除けば、全て小国です。英語が出来なければ生きていけないから上手くなります。
中高で、英語を選択制にするほうが、選んだ生徒はより積極的に勉強すると考えられ、結果として、身につく生徒が増えると思います。
・日本人は中学校と高校の授業で、合計910時間英語を学んでいるにもかかわらず、簡単な英会話すら出来ない
・英語は手段であり、それを忘れ、英語習得自体が目的となってしまったら、薄っぺらな人間になる
・日本人で英語が必要なのは、海外勤務する人など、1割だけ。残り9割は、勉強するだけムダ。
・20-30代は仕事で覚えるべきことが山ほどある。この時期、英語の勉強に時間を取られ、身につけるべきことが身につかなかったら、仕事の出来ない人になってしまう。
・コミュニケーションは、思想や哲学、知識があってこそ。従って、英語を学ぶのは最後でいい。
・日本人は読書をしなくなった。読書をしない国民ばかりになると、国家は衰退する。
日本の高校生は世界で最も読書量が少ない。
（一日に30分以上読書する生徒：日本27% カナダ34% フィンランド49% 2000年調査)
親が本を読まないと子供も読まない
・日本の中枢を担う人に品性が無い。それは、人間性を高めるための教養を身につけてこなかったから。
鳩山元総理：丸善で28冊購入・・・総理大臣になってから読むには遅すぎる本ばかり
『東大生はどんな本を読んできたか』2000年調査
半年間で平均101冊(半分は漫画）
2012年05月15日
＜起業＞という幻想
〈起業〉という幻想 ─ アメリカン・ドリームの現実
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それで、栄えある1000冊目はこれ。アメリカは「起業が盛ん」という印象がありますが、そうでもないようです。ちなみに、開業率最下位はやはり日本なんですが。
「アイデアを探すためにじっくりと計画的な調査に取り組んだのは、創業者全体のたった1/3」という調査結果もあって、これは、「計画的に起業すれば成功率は飛躍的に高まる」とも考えられます。
SB孫社長は、創業に当たって、1.5年をかけて40の事業案を詳細に検討したといいます。そのくらいのことはしないと、成功はおぼつきません。
・米国での起業は低調
OECD諸国で最下位あたり
・ほとんどの起業家は、すでに多くの企業がひしめく産業でビジネスを開始する
�ー�分が働いていた産業でビジネスを始める
�⊃靴燭鵬饉劼鮖呂瓩襪海箸�容易な産業でビジネスをはじめる
・起業する理由のほとんどは、他人の下で働くことがイヤだから
・実際の起業家は、頻繁に転職しており、収入が少なく、ドラッグ取引経験がある
・たいていの新たなビジネスは失敗する
5年間存続できるのは45%、10年間だと29%
・平均的な起業家は、勤め人よりも稼ぎが少なく、長時間働いている
�ヽ擺囘�で、成功のチャンスを過大に見積もる
�⊆�分の人生をコントロールできるので、仕事に対する満足度が高い
2012年05月14日
読書記録1000冊突破
mixi上で読書記録を付け出したのが5年前。その記録が今週末1000冊を超えました。
それまでも読書記録をつけていた時期もあったのですが、ノートでは後から検索が出来ない。Wordか何かで記録してもいいんですが、一番使うアプリであるブラウザで、サッと書けて、必要なときどこからでもアクセスできるのが続けるためにいいようです。
効用として、
・エッセンス＆自分の引っかかったところを書くので、理解が深まる
・後から、 「確か、こんなことを書いた本があったはず」というとき検索できる
というのがあります。
さらに、バーチャルな読書会的に、皆で読書記録をつけていけば、お互いに感想を言ったりしてもっと盛り上がりそうです。
読んだ本で特に印象深いのは、本blogでも紹介しており、自動的にFBにも投稿されるので、これまでにもコメントがついて盛り上がったことがあります。そこで、知らない同士が知り合ったり。
FB上でグループを作ればいいのかもしれませんね。mixiの1000冊分のデータを移行できればいいのですが。
それまでも読書記録をつけていた時期もあったのですが、ノートでは後から検索が出来ない。Wordか何かで記録してもいいんですが、一番使うアプリであるブラウザで、サッと書けて、必要なときどこからでもアクセスできるのが続けるためにいいようです。
効用として、
・エッセンス＆自分の引っかかったところを書くので、理解が深まる
・後から、 「確か、こんなことを書いた本があったはず」というとき検索できる
というのがあります。
さらに、バーチャルな読書会的に、皆で読書記録をつけていけば、お互いに感想を言ったりしてもっと盛り上がりそうです。
読んだ本で特に印象深いのは、本blogでも紹介しており、自動的にFBにも投稿されるので、これまでにもコメントがついて盛り上がったことがあります。そこで、知らない同士が知り合ったり。
FB上でグループを作ればいいのかもしれませんね。mixiの1000冊分のデータを移行できればいいのですが。
2012年05月13日
Wanted for Being TOO Cute
久しぶりにTVの話題。昨晩のNスペ『追跡！世界キティ旋風のナゾ』面白かったです！
今や海外売上400億円のサンリオ。海外営業利益は176億円にもなります。この海外ライセンスビジネスを担当しているのはHarvard MBA終了後サンリオに入社した方なんですね。
これほど海外で受け入れられているとは！同じライセンスでも、ディズニーなどに比べてライセンス先のデザイン自由度が高く、どんどん日本には無いKittyが誕生しているとか。写真は米国で売られているランチボックスですが、中東ではブルカをまとったKittyも。
2012年05月12日
日本の壊れる音がする
日本の壊れる音がする 今なら、まだ間に合う!
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小泉政権で内閣府特命顧問として構造改革を推進した島田晴雄氏（当時、慶応大学教授、現在、千葉商科大学学長）による著。小泉政権は5年間続き、現代日本の政権としては長かったが、「構造改革」には短すぎた。
イギリスの首相は大体10年やっている。アメリカ大統領は任期4年だが再選で8年やることが多い。今週決選投票のあったフランス大統領の任期は5年で、やはり再選することのほうが多い。成熟社会になったのだから、政治体制もそれにあわせて変える必要があるだろう。
さて、本書の中身。
・長期低迷の原因は「金融改革の遅れ」と「構造改革の不徹底」
・グローバル経済においては、いかに世界の企業や投資家から「選ばれる国」になるか
・アルゼンチンは、かってドイツやフランスと並ぶ経済大国だったが、ペロン政権による国家主導の経済政策やバラマキ政策で行き詰まり、衰退
・1980年代末の3つの変化
�［篝錣�終焉し、世界の安全保障をめぐる環境が変化
�⊂霾鶺蚕僂�進歩し、グローバル化が進展
��少子高齢化の進行
・今後の政治を考えるための座標軸は、
�＾汰簡歉�
�∪験茲遼�かさ
�Ｌね茲悗寮嫻�
GDPに対する対内直接投資残高 英国 50%
仏 35%
独 24%
韓国 12%
日本 3%
全然選ばれてないな。
2012年05月11日
アメリカの大学の強さ
今週の世界の大学シリーズ最終回は、圧倒的強さを誇るアメリカの大学。様々な指標で、アメリカの大学は世界をリードしている。例えば、世界の大学ランキングで最も有名なThe Times Higher Education Rankings（THES)では、Top10のうち７校が米国、３校が英国となっており、英米が独占している。日本の大学で１００位以内に入っているのは、東大と京大の２校だけだ。
アメリカの大学の特徴は私立が強いことで、THES Top10に入る米国７校のうち、公立はカリフォルニア大学バークレー校のみ。
その強さの源は、巨大な財政力にある。ハーバード大学の基金規模は４兆円近くあり、年間の寄付金は８００億円にも上る。 参考までに、「世界的な研究教育拠点の形成」と銘打つ日本の21世紀COEプログラムは年間全予算が約370億円である。ハーバードはこの金額を一校で使え、COEはこの予算を全国の大学が競い合う。
結果として、「学生一人当たり資金運用収入+寄付金」は以下のとおりである。（『世界の大学危機』p180)
Harvard 511万円
Oxford 44万円
Cambridge 32万円
慶應義塾 21万円
日本私立平均 2万円
日本で一番寄付金を集めている慶應でも、Harvardの1/25の規模。尤も、Harvardは米国でもずば抜けた集金力なので、米国上位私立校平均と比べれば1/10程度だろう。それでも、桁が違う。さらには、日本の私立校平均と比べれば100倍違うことになり、勝負にならない。
なぜ、米国の私立はこれほどに強く、資金を集められるのか? 以下は、私の推察。
これらの私立大学＝Ivy Leagueは宗教の自由を求めて欧州から米国に渡ったプロテスタントによって設立されている。従って、植民地と言う立場の中で宗主国イギリスの力にも頼れず、「自分たちの大学を、自らの力で守る」という 結束力が強かったと思われる。教会に信者が寄付するのは当たり前なので、その伝統が大学に引き継がれているのではないか。
ちなみに、ハーバード大学の創立者をJohn Harvardと勘違いしている人が居るが、John Harvardは死後にその財産を、以前より存在した現在のハーバード大学に寄付した最初の大口寄付者である。それが大学の名前になるくらい寄付者を大事にしている。アメリカの大学にいくと、寄付者の名前を冠した建物だらけだ。
2012年05月10日
フランスの大学
世界の大学危機―新しい大学像を求めて (中公新書)
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イギリス、ドイツとくれば、次はフランス。
フランスでは、戦後、先進国で起こった二つの社会的要請を分担しているのが特徴だ。ナポレオンが旧体制の大学を廃止し、1896年まで大学が不在になったというのも面白い。
�々眦�教育の普及→大学
高卒資格(バカロレア)があれば誰でも入学可能
�▲┘蝓璽閥軌蘂�グランゼコール
厳しい選抜試験 バカロレア合格者の10%が準備学級へ（7万人）
全学生数の4%に予算30%
1794 ポリテクニック 27%（仏主要企業2000社の経営陣）
ENA 400名 23%
1783 鉱山技師学校 100名
2012年05月09日
「近世大学」の祖
『世界の大学危機』の続き。ドイツでは希望する学生は、全て入学できる、ということ。どの大学も国営で運営され、レベルに差は無いらしい。そのせいであろうか、かって、世界の最先端科学を担ったドイツの大学が話題に上ることはほとんどなくなった。
言ってみれば、ドイツの近世大学の出現が、イギリス政府に「市民大学」の財政支援を決定し、今日まで世界の大学のモデルとなっている。「差がない」ということは「停滞」につながる。
1810 ベルリン大学＝近世大学の始まり
⇔中世大学 18cに沈滞 大学のギルド化 情実・縁故
ニボーン（Sweden) による「 近世大学 」の条件
�仝Φ罎閥軌蕕療�一
�△気泙兇泙奮慳笋療�合
�８Φ罎僚纏�
�す眦戮紛軌蕕�人格の陶磁になるという信念
�コ惱僉�科学、人間形成を政府の責任事項
＋筆者
��国営大学 経費を国庫から直接支出
�Ф擬�の選考 教授会→国家行政機構
フンボルト理念
教授の能力資格を研究成果で判定＋学生にも研究させる
1812 ゼミナール＝奨学金
哲学部 8/180人
20cまでにドイツ世界の最先端へ（生理学、医学、物理)
WW2 ユダヤ人学者米亡命→ドイツモデル移植
2012年05月08日
ロンドン大学
前日、Oxbridgeの話をしたが、今度は、出身校であるロンドン大学の話。
各カレッジはそれぞれ独立した別の大学であるため、ロンドン大学という大学が単体で存在する訳ではない。このためロンドン大学は「ロンドン大学群」「ロンドン大学連合」とも呼ばれる。各カレッジは学生の入学審査・学校運営・教員採用などを独自に行っており、所属カレッジはそれぞれ個別の独立した大学として扱われる。この点、オックスフォード大学やケンブリッジ大学の学寮を意味するカレッジ制とは異なる。2009年4月現在、19のカレッジと12の研究機関が所属し、所属カレッジの合計学生数は10万人を超える。（Wikipedia)
そんなわけで、私の出身校はLondon Business Schoolであり、在校中も「ロンドン大学」を意識することはなかったが、卒業の時だけは違っていた。当時、学位授与権はLBSになく、MBAを取るにはロンドン大学が実施する「卒業試験」に合格しないといけない。
ところが、この試験、2年間学んだ全てが対象な上に、「下位5%が不合格」になる相対評価なのである。英語のハンデもあって、日本人学生が不合格になる確率は相当に高く、毎年1/3程が落ちていた。
2年間学んでMBAが取れなければショックは大きい。授業料もけた違いに高い（というか、日本だけが安いのだが）。今でも、ロンドン大学の紋章がついた学位証を見るたびに、当時のプレッシャーが思い出される。
さて、ロンドン大学の歴史を改めて、『世界の大学危機』で読んでみた。実は、ロンドン大学設立まで、EnglandにはOxbridgeの2校しか大学はなく、ずいぶん離れたイギリスで3番目に古い大学ということになる。Oxbridgeは20世紀になるまで英国教徒しか入学できず、ロンドン大学は宗教による差別をなくしたことが画期的だった。
1828年 ロンドン大の前身 University College（UCL)の設立
・非国教徒
・通学制←教育コスト削減
・医学、法学、経済学、工学などの新教科
この動きに対し、危機感を持った国教会は翌年King's Collegeをロンドン市内に設立する。学校は設立したものの、国王の勅許状（Royal Charter）を得られず、大学として認められていなかったUCLに対し、King'sはすぐさま勅許状を得る。
両校の対立を収束すべく、1836年にロンドン大学が設立される。ロンドン大学は、両方の大学の学生を試験し、学位を授与する機関であり、教育機能を持たなかった。私が卒業時苦しめられたのは、これである。現在は、LBSにも学位授与権が認められ、卒業試験はなくなった！
ロンドン大学に続き、各都市に産業資本による大学が設立されるようになり、これらは、「市民大学」と呼ばれる。その多くは、たちまち財政難に陥るが、欧州列強との科学技術競争の背景から、1919年にUniversity Grant Committeeが組織され、国庫からの補助が得られるようになる。当時の大物政治家チェンバレンは、「今や諸国家間の大学競争は、建艦競争と同様に重要である」と言っている。
こうして、1960までには英国での大学進学率は男6.2%、女2.1%、計4.2%にまであがった。さらなる大学教育へのニーズから、1963年には「新構想大学」ができ、拡大政策がとられる。これは、政府資金による新大学の設立で、「学際型＋古典大学（郊外College制)」という特徴を持った。
これらの新設大学は、当時の大学紛争の社会風潮もあって、地元住民から疎まれ、膨大な国費が投じられることに後に批判が集中する。1979年サッチャー政権が成立し、以降、運営費は減らされていった。私の在学当時は、まだ国費が一部入っていたので、学費は�￣儿餽饑辧↓�EU国籍、��その他の3段階あった。当然、この順に安かった。私の卒業後間もなく、運営助成金はゼロになり、学費は一本化された。現在、約400万円（年間）である。
2012年05月07日
世界の大学危機
私の職業訓練第4弾。帯にある通り、この本を読むと、高等教育で「苦しんでいるのは日本ばかりではない」ことが分かる。
先進国の大学は第二次世界大戦後にどこも拡張政策を取る。大学生の数は、戦前に対し飛躍的に増え、これが現在の構造的問題をもたらしている。
1960-2000大学生数
英 16x 古典的高等教育を維持
独 4x 平等な公立大学の限界
仏 7x 大学以外の高等教育機関との調整に苦慮
米 4x 大学院化
日 4x
（上記では、日本の伸び率が低いように見えるが、これは日本は戦後すぐに大学数及び学生数が増えたためで、進学率では50%を超え世界トップクラスである）
そこで、古典的高等教育を維持し、世界的に人気となっているイギリスの例を見てみる。
イギリスは、「教師と学生が共同生活しながら一対一で指導するCollegeシステム」を取っていることで知られる。当然ながら、このシステム維持には膨大な資金がかかる。このシステムを作ったOxbridgeでそれが可能となっているのは、両校が中世の設立以来、広大な荘園を持ち、そこから上がる収入で多くの経費を賄えたからだ。
両校は、修道院がモデルであり、元来は聖職者を育成するのが目的だった。19c前半まで父親の職業は国教会聖職者1/3、地主1/3、その他1/3であった。卒業生は、国教会牧師に2/3がなり、父親の後を継いで地主となるものが1/3であったということ。これが、20c前半には銀行経営者の子息が1/2となり、卒業後、銀行に就職する者が1/3と激変したという。
映画『 炎のランナー』の冒頭で、CambridgeのTrinity Collegeに主人公の一人Harold AbrahamsとAubrey Montagueが入学するシーンがある。時は1919年で、Cambridgeが異国教徒の入学を認めだして間もないころ。二人とも典型的なユダヤ人の名前で、Haroldの父親はシティで成功した銀行家という設定になっている。
現在、Oxfordには39のCollegeがあり、Oxfordから分離して設立されたCambridgeには31のCollegeがある。平均して.各学年に400名の学生が各Collegeで学んでおり、在籍期間は3年間である。
当然ながら、Oxbridgeの人気は高く、英国でいう "AAA" （つまり日本でのオール５）でないと、受かる見込みがない。 "AAA" 組が12,815志願書を出して、入学できるのは年に3404人という難関である。受験にあたっては、 専門、所属College、テーマをあらかじめ定めて志願することが求められ、「大学に入ってからやりたいことを見つけたい」という曖昧な学生が入る余地はない。
(例)Christ College, Cambridge
設立1448年 Henry ��
学生490人(共学)
教員77人
授業料 EC £1100/年（非EC £7818）＋寮費£3000
（以上、2000年当時）
こんな栄華を誇るOxbridgeにも沈滞した時期があったという。 17/18cの頃で、College固有資産を元に運営されている大学は、外部からの干渉を受け入れない。教師は生活保障されており、教育実績・研究が問われることなく、内部思考に陥っていく。
『国富論』のAdam Smithは1740年に17歳でOxfordに入学しているが、 「ここでは学問のことは何も話されない」 とすぐに退学したということ。彼は故郷のグラスゴー大学に入り直し、後に大変な成果を上げた。（学長にまでなっている）
当時のグラスゴー大学の教授年俸は£70。これに対し、聴講料は£100と基本給より多い。聴講料は学生が何人受講したかで決まる仕組みになっており、成果給的仕組みといえる。
ちなみに、蒸気機関を発明した弱冠20歳のJames Wattも同時期に機械製作所をグラスゴー大学に構えていた。彼は地元の鍛冶屋組合に入っていなかったため、街で自分の店を持てなかったのだ。大学というギルドの力が及ばない場所で（それは大学自体が別のギルドということなのだが）世界を変えることになる。
2012年05月06日
絵金蔵
2年前に、ここをプロデュースした梅原さんからお話を聞いて、「行きたい」と思っていた絵金蔵についに行ってきました。
昨日書いた通り、香南市に行くことになった私。店の「ちゅうにちMAP」を見ていると、なんと、店のすぐそばに「絵金蔵」とあるではないですか！香南市は市町村合併後の名前で、由緒ある赤岡町（の絵金祭り）と結びつかなかったのです。
キャッチフレーズは、「恐ろしくて美しい」
農協の米蔵を改装した建物にも味があり、お奨めです。
農協の米蔵を改装した建物にも味があり、お奨めです。
2012年05月05日
香南市ちゅうにち同盟
今回、早稲田同級生と一緒に東京から800km車で走って四国に戻ったのですが、彼が「香南市にFB友達がいるから会いに行きたい」といいます。
「香南市ってどこ？」
と聞く私。地図で調べると、高知空港の近くのようです。地元で食堂をやっている、というので、そちらでお昼を食べることに。
とさを商店は、食料品と雑貨と食堂が同じ店内にあるという、ハイブリッドな店。「中日」が店の名物。何のことかと思ったら、中華そばを日本のうどん出汁で食べる！店内備え付けのパンフによると、戦後、中華そばのスープは手間がかかるので、うどん出汁で出すようになったとか。四国の中でも「いいかげん」で通っている高知県人の面目躍如です。
その後、世の中が豊かになるにつれ、食べる人も出す店もなくなってしまった。それを復活させようと結成されたのが「香南市ちゅうにち同盟」 こういうブランディング、高知県人は意外とうまいのです。
店のご主人も、楽々とFBを使いこなし、「もうblogの時代じゃないですね」などとおっしゃるので驚きました。地元市場が小さい分、外への情報発信には敏感なのかもしれません。
ところが、以上を知ったのは、カツオたたき定食を注文した後。シマッタ！どうも、高知に来ると条件反射のようにカツオたたきを頼んでしまいます。
次回は、必ず、中日を試してみます。
2012年05月04日
それでも「日本は死なない」これだけの理由
それでも「日本は死なない」これだけの理由──なぜ欧米にできないことができるのか
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連休のひと時、読書。
254:富士には月見草がよく似合う
日本には無能な指導者が似合う
だから、日本は繁栄する
ウソのつけない誠実な人間が、寄り集まっている
＊あまり報道されなかったが、立入禁止区域や警戒地域での空き巣被害の激増などを見ると、「本当か?」と思わざるを得ない。振り込め詐欺もこれだけ有名になっても、ますます巧妙になって、衰えを知らない。
180:全企業収益に対し金融業の占める割合
米 35%
英 40-50%
＊だからダメだと筆者は言うが・・・共にかっては「世界の工場」と言われた国。産業構造が発達すれば、現状、最も効率よく稼げる金融業の占める比率が高まるのは必然。むしろ、産業構造の転換が遅れた日本を心配しなくていいのか?
＊英シティ金融街は、シリコンバレーにも匹敵すると思う。シリコンバレーがそうであるように、シティも世界中の才能を集めている。
＊日本の強みとして製造業にも高度化で生き残ってほしい一方、金融業も実力をつけ、真の運用能力を磨く必要がある。
75:地熱発電 世界最適
プラントメーカー世界シェア70%
アイスランド 地熱発電30% 全て日本製
クリーン 純国産 天候に左右されない
8.3円!
79:東芝出力 10万kw級 超小型炉
＊上記地熱発電のコストは、開発までにかかる膨大な調査費を入れず、ランニングコストだけのような気がする。
「一家の大黒柱である民間の稼ぎでカバーできている限り心配ない」というが、たとえ、会社として収益を上げていたとしても、グローバル展開になれば、雇用と税収は流出する。結局、二極化か。2012年05月03日
幸せのちから
![幸せのちから コレクターズ・エディション [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51wWelAzdEL.jpg)
幸せのちから コレクターズ・エディション [DVD]
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連休で久しぶりに映画を見た。BSで撮りだめしておいた中から「幸せのちから」。
実話が元になった本映画の舞台は1981年のSF。事業に失敗し、妻に出ていかれた男はそのまま落ちぶれていくことも多いのだろうが、自分自身が28歳になるまで父親を知らずに育ったという体験から、同じ思いを息子にさせたくないと踏ん張る。
日本ならどうだろう。まずは、ハローワークで登録して仕事探し? これだけの根性があって、仕事を選ばなければ何かあるはずだ。年齢もまだ大丈夫そう。それでもダメなら生活保護申請?
社会保障レベルの低いアメリカでは、そのような選択はなく、スゴイ努力で困難を乗り切る。証券会社での半年間のインターンを経て、20倍の競争を勝ち抜き、正社員の座を手にする。
「最後のシーンで、実在のクリス・ガードナー本人が登場し2人の横を通り、それをウィル・スミスが振り返り見つめるという場面がある」というのは知らなかった。知らずに、消去してしまった!
2012年05月02日
2012年、世界恐慌
2012年、世界恐慌 ソブリン・リスクの先を読む (朝日新書)
クチコミを見る
リーマンショック後の対応
・中央銀行による流動性の供給
・金融機関の救済
・景気対策
大規模な財政出動→財政危機（ソブリン・リスク）→2012世界恐慌
・米国では、2009年財政赤字が史上初めて1兆ドル＋
・欧州では、東欧諸国で住宅バブル崩壊→融資元の西欧金融機関が苦境
・日本では、国債発行額が税収を上回る
国家破産の引き金
�‥蟲ゞ擇琉徒� CDSで儲ける
�∪犠鏖修魑泙暗�局のミス
��新興国市場バブルの崩壊 工業国が少しでも資金回収すると大きな打撃
2010年当時の予測としては的確。ただ、� 櫚�については、当局も慎重に運営している。可能性としては五分五分か。しかし、恐慌になった時のダメージは大きいので、ヘッジしておく必要はある。Put Option?日本で前回、国債発行額が税収を上回ったのは1946年で、64年ぶりの異常事態。前回は、預金封鎖・新円
2012年05月01日
組織改革には組織の一体感醸成から
先週の学長のもう一つのお話は、大学の置かれた環境。
社会からは、「社会に役立つ人材を輩出しているのか」という厳しい目が向けられ、 財政難で国立大学運営費交付金は減らされている。教員・職員の給与も減る傾向にある。そんな中、「全学一体となっての改革」を訴えられた。
しかし、「全学一体」にならず、組織としての動きがちぐはぐなのが、「自治」を謳う大学の面白いところ。組織改革を進めるには、まずは組織としての一体感を醸成するところから始めなければならない。
ところが、
・大学の歴史や概要を教えてない
私の場合は、地元の出身だし、縁あって属した組織だからと、勝手に調べた。しかし、大半の教員は本学に望んで入ったというよりも、「たまたま募集があったから」。入ってから、組織構成員としての誇りを教える仕組みがない。道理で、大平正芳を知らない職員もいるわけだ。
・目的に対する工夫がない
中央官庁は、「省益有って、国益なし」と言われるが、こんな小さな大学でも「学部の壁」がある。今回の新入教員研修は学部横断的になされた、数少ない学部を超えた交流を図るチャンスだった。その目的からいえば、終了後の交歓会も参加は必須だろう。ところが、こちらは任意参加で、参加費3000円。あり得ない！
結局交歓会に参加したのは、新人教員の半数以下。自動車通勤も多いので参加強制が難しいなら、ランチを長めにとって立食でもよかったのに。目的に照らし合わせて、少し考えればわかること。
「組織」改革しようにも、そもそも、「組織」があやふやなので「糠に釘」状態。つくづく、（国立）大学というのはトップの意思が浸透しにくい組織だと思う。自営業者のような教授陣と、公務員体質の職員組織のパラレル組織をまとめられるリーダーシップとはどういうものなのか。リーダーシップ論として興味あるところ。
