2012年04月
2012年04月30日
貯蓄大国は過去の話
かって学校で勉強していたころ、社会科で習ったのは「日本は貯蓄率が高い」ということ。1980年代まで20%を超えていた。この貯蓄は、主に銀行を通して企業に貸し付けられ、設備投資や運転資金として使われていた。
それが、今やOECDでも最低水準（表）になっていて、一時は、万年低水準の米国を下回った。現在は、日本、米国、韓国、イタリアが5%前後で同水準にある。ドイツ、フランスは10数パーセントで安定している。
日本の貯蓄率が急減した原因については、こう分析されている。
１．家計に貯蓄する余裕がなくなっている
家計の収入が伸び悩んでいる一方で、少子高齢化の影響で社会保険料（年金、医療保険、介護保険）負担が増大している。
２．高齢化の進展
現在、全人口に占める65歳以上の高齢者の割合は23％弱に達しており、その多くは収入が減少して貯蓄が出来ない。さらに、高齢者による預貯金の取り崩しが進めば、場合によっては家計貯蓄率がマイナスになる事態も起こり得る。
そうなれば、上記リンクで小宮氏が指摘している通り、低金利時代が終わる可能性がある。
2012年04月29日
欧州グローバル人材の育ち方
留学後、米国で働いていた時の同僚のフランス人が来日。本当は、昨年3月に来る予定が、3.11で延期になっていた。
20年前、お互いに新婚だったので、互いの家をよく行き来した。昨日は、かってそうやっていたように、うちに来てもらった。
もともと技術者の彼は、米国で砥石工場の近代化プロジェクトを4年間行った後、フランスに戻りINSEADへ。MBA取得後、セメント世界最大手のフランス企業に転職。以来、管理職の道を歩み、オーストリア工場長を皮切りに、ドイツ工場長を経て、現在中国子会社の幹部。エンジニアがMBAを上手くキャリアアップに使った典型例。
一人息子のRaphael君は、ドイツと中国育ちで、家ではフランス語、学校では英語、そして中国語を習っている。ドイツの時はドイツ語だったので、忘れないように、週に1時間レッスンしているそうだ。
こうやって、欧州のエリートは育つ。
2012年04月28日
讃岐うどんは中期中新世火成活動の賜物
表記のタイトルの抜き刷り（『地下水技術』第53巻第3号2011)を長谷川先生から渡していただいたとき、一瞬、何の事だか分らなかった。
「中期中新世？」
「火成活動？」
→うどん？？
読んでみるとこういうことであった。
・讃岐うどんの成立条件
�［票舛両�麦がとれた
��塩づくりがさかんであった
��しょうゆの名産地だった
�い�いしいいりこが取れた
また、うどん店の成立条件として、
�ノ票舛涼浪漆紊�大量かつ安価に得ることができる扇状地が発達していること
このうち、�´△浪甲箸捻�が少ないといった気候条件から可能となった。良質の小麦と塩が取れれば、それらを原料とする��醤油作りも盛んになる。海上交通で京阪神へ送られるという地の利のある小豆島が中心となった。そして、讃岐では、うどんの「だし」の素材としてイリコ（煮干し）が使われているが、�ご儔算�市の沖合に浮かぶ伊吹島は、瀬戸内海沿岸を代表するイリコづくりの中心地として知られている。
「このように、うどんづくりの材料となる“小麦”と“塩”、だしの素材となる“醤油”や“イリコ”などの良質の食材が手近に入手できたことに、讃岐人の器用さが手伝って、本場の「讃岐うどん」が生まれ、育っていったのです。」（香川県「麺の博物館」）
長谷川先生は、「讃岐うどんの有名店の多くは、良質の地下水が得やすい扇状地、河川の中流域に立地している」ことを調査の結果、明らかにしている。これは、�ァ屬Δ匹鵑寮渋い砲蓮�大量の水が必要で、しかも安くておいしいうどんには良質の水を安価に確保する必要がある」からだ。
環境が人を作るし、地場産業も作る、ということか。
図：四国中央部の中央構造線活断層帯の地形・地質・地下構造（日本地質学会）
2012年04月27日
Lead by examples
新入教員研修が実施され、赴任3週間にして初めて学長の話を聞く機会があった。昨年10月に学長に就任された長尾学長は、岡山大学医学部の出身。その後、 香川大学医学部に移られ（当時は香川医科大学、後に香川大学と合併）附属病院長まで勤められて退官。一旦、学外に出ていたのに学長として戻られたという珍しい経歴の持ち主。その辺の経緯は機会があったら聞いてみたい。
さて、大学教員としての心構えとして話されたのが、
Love your students（学生に親身になって）
Know your subject（専門分野のしっかりした知識を持ち）
Lead by examples（学生の手本となる）
これは、よい、と思ったのでメモ。（訳は、私の意訳）
振り返ってみて、私にとっても印象深い先生はこういう方であった。
2012年04月26日
高松クレーター
讃岐ジオサイトNo.10に登録されているのは、高松クレーター。以下、四国新聞のリンクから。
「事の発端は、十年以上前の平成元年。観音寺市と高知市を結ぶ線から東側の四国をほぼ二キロ置きほどの間隔で重力異常の調査をしていた金沢大の河野芳輝教授らのチームが、「読み違え」とも思える負の重力異常地点を発見した。
高松市と香川町の境。チームは六年をかけ、密度を濃くした重力異常調査のほか、磁場の強弱で地下構造を推定する地磁気異常調査、跳ね返る音の角度や時間で内部の様子を探る人工地震波反射法調査などを重ね、高松市の仏生山公園近くを中心点とした直径約四キロ、深さ約二キロの半球のくぼみが地下に眠っていることを突き止めた。
論争を呼んだのはその成因。金沢大チームは（１）いん石の衝突跡（２）カルデラ跡（３）断層のくびれ―の可能性を指摘し、六年間の調査結果から、いん石の衝突跡の可能性が最も濃いと推論した。
これに対し「火山性の陥没構造を示すコールドロンだ」とする地質学の立場からの反論が相次ぎ、論争は白熱した。途中、金沢大が「クレーター内部は、早明浦ダム七個分ほどの巨大な地下湖になっている」という説を明らかにしたことから、成因論争は水源論争に姿を変えて市民的関心を呼んだ。
いったんは行政も動き、七年暮れから高松市が電磁探査などの手法で調査を実施したが、八年二月「水はあるが、利用は不可能」との結論を発表、市民の関心も遠のいた。
が、ここにきて高松市の結論に不満を示していた金沢大が、独自の水資源再調査を今秋に計画しているほか、三浦助教授も同時期、国際的な現地視察を予定するなど、第二次ともいえる盛り上がりを見せ始めている。
いずれの論争も「決着の決め手はボーリング」というのが関係者の一致した見方だが、費用対効果の問題がネックになり、実現していない。」
H7年の高松市の調査では、コールドロンに類似した地下構造であることがわかり、裂罅（れっか）水（岩盤中の割れ目に存在する水）で、飲み水には適さないらしい。温泉には利用できるということで、しっか宣伝している天然温泉きららもある。
それで、われ等が長谷川先生はどういう意見かというと、
隕石衝突の物証とされる根拠（Miura & Rampino,2000）には以下の問題点があるため、隕石衝突の確たる物証があるとはいいがたい。
それらに対する説明責任、検証責任は三浦助教授にある。学術的な裏づけのないままに、夢とロマンの隕石説に踊らさると、あとで困ったことになると懸念している。
（１） 隕石衝突起源の証拠とする鉄ニッケル粒子が、地表から採取された岩石中にさびずに含まれているのは不自然である。また、マンガンの含有は隕石起源と矛盾する。
（２） 隕石衝突起源の証拠とする高密度石英、衝突石英の産状、分析方法、分析精度が不明である。
（３） ガラススフェリュールが衝突起源である根拠が不明である。
（４） 衛星データから高松クレーターの外側に更に大きな陥没構造を発見し、三浦KT クレーターと命名したが、根拠が全くない。
（５） なぜ、三浦助教授（のグループ）しか衝突鉱物を発見できないのか？
（６）どうして、大量の火山噴出物の中から、衝突鉱物が発見できるのか？
2012年04月25日
讃岐ジオパーク
香川に来てから歩かなくなった。東京では朝夕の犬の散歩に、日中の駅までの行き帰り。自転車にもよく乗っていた。
歩かないのに、「うどん県人」の好物は炭水化物の塊のうどん。そして、昔からうどんのトッピングは天ぷらと決まっている。通りで、糖尿病患者が多いわけだ。（昨年まで14年連続日本一の徳島県を抜いたという説）
これではまずい、と一念発起。走る趣味はないし、単に歩くのもつまらないので、何かないかと探したところ、学内で「讃岐ジオサイト探訪」という公開講座を見つけた。主催の長谷川修一教授に相談したところ、「讃岐ジオパーク」設立に向け協力いただけるなら、ということでアシスタントとして参加することになった。
「讃岐平野の造形美や県独自の石文化に着目。讃岐平野に点在する円すい状の山は、１４００万年前の火山活動でできた溶岩の大地が１千万年以上をかけて浸食された残丘で、富士山などの火山と形は似ているものの、誕生した経緯は大きく異なる。
硬軟さまざまな火山岩を使った石文化も世界に誇れる貴重な素材。旧石器時代のサヌカイト石器や江戸時代の石灯籠（とうろう）に使われた豊島石など、時代とともに「石の主役」が交代している点も珍しいという。」（四国新聞）
高松のシンボルともいえる屋島は、山頂に安山岩を頂くメサ（開折溶岩台地）ということだ。写真の飯野山（讃岐富士）とともに、8000-9000万年前の領家花崗岩類の上に、約1300-1500万年前の瀬戸内海火山活動でできた溶岩等が堆積した後、1000万年以上の歳月をかけて浸食された残丘。（飯野山は、溶岩が貫入した火山岩頸説もある。表面からでは判断が難しい。）
日頃のビジネスの時間単位と随分違って面白い。
2012年04月24日
校舎お別れ会
丸亀高校の校舎が取り壊されます。耐震性に問題あり、ということで建て替えに。既に、今期から運動場に建てられたプレハブ校舎で後輩たちが学んでいます。
香川県建築士会による「建物見学会 丸亀高校本館 」が土曜日にあったので、参加してきました。学生当時、一度も入れなかった屋上にも出られました。
設計は、当時、法政大学の教授であった大江宏氏。東大では丹下健三と同級生でした。そのせいかどうかしりませんが、丹下の設計した香川県庁（東館）と雰囲気がよく似ています。そのせいで、私は長らくどちらも丹下作品と勘違いしていました。コンクリート打ちっぱなしの梁とそこに組み合わされたスチールと木は、寺社建築を彷彿させ、凛とした感じがあります。
今週末の土曜日(28日)には、より一般を対象にした「校舎お別れ会」があります。 多くの同窓生が集まるものと思います。
写真：理科教室の黒板
2012年04月23日
権威に逆らうためには、「権威」が必要
学問の下流化
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私の「職業訓練」第三弾。
13：いまの人文社会科学系学問の危機
・大衆社会の中での学問のポピュリズム化（学問の下流化）
・学問のオタク化（専門学会内部の内輪消費のためだけの研究という自閉化）
知的大衆や他の学会からの侵犯を許さないための「自己防衛」や学会内部の「知の支配」の手段
学問の洗練という名で実のところは異端と多様性を排除する「知の官僚化」
84：戦前型日本社会の終焉 東京オリンピック＋東海道新幹線開通
S39(1964)の社会変化は敗戦による変化よりも大きい
地方対中央、ムラ対都市、演歌対ポピュラー、大衆文学対純文学、大衆対知識人という近代日本の枠組み終焉（『戦後世代の風景』松本健一1980）
農林漁業人口 S30 41% → S40 25%
262：反抗少年トニー・ブレア
Fettes College, Edinburgh 1966-1971在学
前任校長 1945-58 「拡張の時代」
McKintosh 1958-71 「蓋をしている時代」 守旧派最右翼のPublic School
Prefect Fagging System
丁度先日『ブレア回顧録』を読んだばかりだったので、ブレアのパブリック・スクールがどうだったのか興味深かった。Fettes Collegeは、昔でいえば、007の「James Bondの出身校」として、あるいは最近では『ハリー・ポッター』シリーズの魔法学校のモデルとして有名なエジバラの学校だ。ブレアは、1971年にFettesを卒業しOxfordに進学している。典型的な英国の学歴エリートコースであり、ブレアは、首相になってから、「わたしが今日あるのは特権的教育のおかげであることは否めない」と言っている。（p263)しかし、在学中のブレアは問題児であったようで、他の生徒がいずれも短髪の時に、彼だけは長髪。学校の規則が嫌で、脱走さえしている。（Public Schoolは全寮制だ） 「当時のパブリック・スクールは、伝統的校風から自由で個人主義的な校風に変化し始めた時であったが、フェテス・カレッジの校長アイアン・マッキントッシュはきわめて保守的だった。・・・上級生が下級生を使役するファギングを改善することもなかった。」(p263)
ここで仮に、ブレア在校時の校長が、物わかりのいい人物だったらどうだったろうか？仮に、ブレアが反抗する理由もないほど自由な寄宿生活だったとしたら。ブレア首相は誕生しなかったのではないかと思う。権威に逆らうことで自己意識が芽生え、ブレア少年が何度も質問したように、「どうしてこの規則があるのか」を問うことで思考が磨かれる。カミナリおやじの効用もこれと同じだろう。
権威に逆らうためには、「権威」が必要で、これは成長の糧だ。1969に描かれた村上龍にも通じる。
2012年04月22日
「美人すぎる市議」が当選無効
埼玉・新座市の「美人すぎる市議」当選については、2月にも書いた通り。インタビュー記事を見て余りの中身のなさに驚き、警鐘を鳴らした。新座市の一般会計は445億円、6特別会計と1事業会計を合わせた総額は790億円にも上る。完全に大企業並みだ。それでいて、16万人都市で2000票取れれば当選!、というんだから、これはいかんでしょう。そうしたら、今回、市の選挙管理委員会が「市に生活の本拠なし」とし、当選無効と判断したらしい。
市選管によると、立川氏は昨年９月、新座市内にアパートを借りて住民登録した。しかし、水道や電気などライフラインの使用実績が極端に少なかったことと、家族が「新座市に住み始めたのは当選後」と証言したことなどから、「生活の本拠とはいえない」と判断した。（産経新聞）
本人はこの決定を不服として、申し立てするようなのでまだ行方は分からない。そもそも、なぜ縁もゆかりもないらしい新座市で立候補したのか？そこには所属タレントを「美人市議」として売り出したい事務所の冷徹な計算（必要当選獲得票＋ベッドタウンとしての浮動票の多さ）があったように思える。
猫ひろしがカンボジアに国籍を移してオリンピックに出る、というニュースを聞いた時の、「目的のためには何をやってもいいのか」というイヤーな感じに似ている。
2012年04月21日
老舗うどん店の凋落とチェーン店の躍進
昨日、香川の老舗うどん店「うどんの庄かな泉」が高松地裁に民事再生法の適用を申請。報道によれば、
「料亭スタイルの高級感を売りにバブル期は大阪などにも店舗展開したが、セルフ店を中心とした低価格店の台頭で行き詰まった。同社によると負債総額は約６億円。１９４８年創業で、９１年には近畿・中四国地方で１４店あったが、現在は高松市内などに３店。昨年５月期の売上高はピーク時の約３割だった」という。
一方、絶好調なのが、丸亀製麺。現在の店舗数は566店。この3年間は3日に1店のペースで出店を続け、2012年3月期の決算予想は売上600億円で経常利益60億円。もともと、「トリドール」という社名の通り、焼き鳥屋チェーンだったが現在では売り上げの9割がうどん店。丸亀製麺の一店舗当たり平均売り上げは約1億円、という計算になる。
全国第2位のチェーンは、はなまるうどん。 100円うどんで2002年頃「第4次さぬきうどんブーム」を巻き起こした。2003年に東証Mothersに上場申請し、認可されていたが、創業社長の経歴隠し問題で、上場の一週間前に取り下げ。同年、吉野家の傘下に入っている。312店舗で売上156億円セグメント利益8億円となっている。1位の丸亀製麺に比べると一店舗当たり売り上げは半分、利益では1/4といったところで、ランチェスターの法則を地で行っている。
興味深いのは、どちらも「うどん県」を自称する香川の会社ではないこと。トリドールは神戸の会社だし（創業は加古川）、はなまるは東京（創業は香川）。また、どちらの創業者もうどん屋が本業ではなかった。『恐るべきさぬきうどん』がきっかけで1990年代後半に起こった「第3次さぬきうどんブーム」をみて参入している。
うどん自体は香川県で、少なくとも江戸時代から一般的で、今も昔もうどん好きだ。ところが、香川発のうどんチェーンは大手2社はもちろんのこと、Top５にまでも入っていない。
これは、
・さぬき人にとっては、うどん店は地元にあちこちにあるので、満足している
・提供側は地元の「通」相手に手打ちで出すのがうどん屋だと思っており、製麺機を入れてチェーン展開しようという発想がなかった
という仮説が考えられる。
機械を入れて品質を一定にしなければ、10店舗を超えるチェーン展開は難しいだろう。また、はなまるが製麺工場でうどん生地を生産したうえで各店舗に輸送する「集中型」なのに対し、丸亀製麺は各店舗で製麺する「分散型」。 他にも、2001年に創業してFC方式で急拡大したものの、その後失速したはなまると、2000年に一号店を出し、おそらく店舗づくりと運営に磨きをかけながら直営店舗展開を進めていき、ここ5年ではなまるを一気に抜き去った丸亀製麺、と興味は尽きない。
せっかく地元の大学に来たので、この辺は研究を進め、本にでもしたい。
2012年04月20日
香川大がサテライトオフィス
「地域に根差した学生中心の大学」を標榜する香川大学。「特定分野では日本一になろう」とか、せめて「四国でトップになろう」という考えのない、身の丈に合った？目標だ。先日書いたように、前身の高松高商が、戦前は全国でもトップクラスの高等商業学校であったことを考えるとチョットさびしい気もする。
とはいえ、上を目指すにも、まずは地元で足固めをしなければならないのは当然。まだ、大学としての全体像や将来ビジョンを理解してないが（まだ誰も説明してくれない！）、「３市にサテライトオフィスを設ける」というのは良い方向性だと思う。
夜学であるGSMの社会人学生にとって、終業後、毎晩通うのは大変。日本一小さい県とはいえ、県の西側や東側から高松までは高速利用でも一時間くらいかかる。サテライトで履修できるようになれば、応募者がより増えることが期待される。
2012年04月19日
上がらない生産性
大学に来て2週間が過ぎた。昨晩は、2年生のプロジェクト指導担当が決まり、21：30の授業終了後、担当することになった社会人学生たちと懇親会へ。自動車通勤なので、大学の宿泊施設に泊まることにした。最近の高松はビジネスホテルが過剰気味。5000円以下で泊まれるところが多くなり、代行運転で遅くなって帰るより、飲んだら宿泊して帰る人が増えているようだ。
大学の宿泊施設には2週間前にも泊まった。その時、天井の蛍光灯が切れかけてチカチカしていたが、私のチェックインと交代で管理人が帰宅してしまったので、言えなかった。今回、同じ部屋に泊まったら、そのままだったので、今朝、施設管理部門に言っておいた。
しかし、なぜ、2週間もそういった状態が放置されるのか？ホテルはもちろんのこと、オフィスでも蛍光灯が切れかけたら即座に交換されるだろう。「管理人」と名のつく人は居ても、「管理」してないのだ。
大学のシステム部門から、やっと、IDとパスワードが送られてきた。これがないと、大学システムに入れない。何度やってみてもエラーになるので、電話して確認したら、「まだactivateしていませんでした。」 採用は赴任の一月前に決まっているのに、事前の準備はされず、赴任してから2週間待たせて、これである。
大学はモノを作るわけではないので、労働生産性が全てだと思うが、どうも、その主役である教員の生産性を上げる仕組みにはなってないようである。一事が万事この調子で、新入教員に最初からバリバリ働いて貰おう、という考えはないようだ。
思ったことの半分しかできてないので、ボヤキが入った。Windows7＋Office2010の新PC環境に慣れるには、自分で勉強するしかないか。
2012年04月18日
四国でいちばん大切にしたい会社
日本でいちばん大切にしたい会社３
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『日本でいちばん大切にしたい会社』の坂本光司教授（法政大学大学院）を招き、「高松5:30クラブ」の講演会があった。坂本教授は、四国経済産業局が実施する「四国でいちばん大切にしたい会社大賞」の審査員を務めている。
その審査基準には共感できる。企業を取り巻く全ての関係者を大切にする、ということは、収益力があって初めて継続可能となる。なので「黒字経営である」ことも応募資格に入っている。中小企業の7割が赤字、という異常状態が改善すれば日本経済と政府財政へのプラスの効果は大きい。
一方、「これだけでいいのか？」と感じた。先生の考えでは、大企業と中小企業は全くの別物であり、急成長を目指すベンチャーを異端扱いしている。「そんな野心を持つより、従業員を大切にしよう」ということだ。海外進出に関しては、コスト削減のために進出するのは邪道で、国内の雇用を保障したうえでという前提。
それぞれ正しいと思うが、�，修譴世韻任垢戮討僚抄醗�が満足するのか？�∪こε�企業が育つのか？という疑問がある。また、余りに会社に多くのことを求めており、�２饉勸預犬瞭販�できない人間を生み出さないのか？
あれこれ言っても、イノベーションをリードしているのは一貫して米国だ。Google、FBは世界中の人々の生活様式を変え、それぞれ創業5-10年で世界Top10に入る時価総額となり、関係者に巨万の富をもたらした。もちろん、米国経済にも大きな貢献をしている。
どちらも坂本先生の言うような経営をしているわけではない。家族的経営ではこれほどの短期間に世界的企業になることは不可能だろう。何百億円という外部資金を集めることも難しい。そして、多くの従業員は満足している。チャレンジしたい人だけを集め、それに高い給与で報いる。
日本でも、100社の中小企業があれば、5社は大企業を目指してほしい。数億〜数十億円規模で、経費が自由に使える規模で節税に励み満足している会社が多すぎるのが日本の問題だ。
2012年04月17日
大川興業総裁
大川興業の大川豊総裁は、私と同世代。なんでも、私と早稲田で同期だったデーモン小暮と非常に仲が良く、大学時代は毎日のように会っていた、という。
今朝の朝日新聞のシューカツの記事が面白かったので、記載。
・1984年バブル景気直前に就職活動
・金融、マスコミ、商社、流通と片っ端から受け、153社に落ちる
・仕方なく、大川興業を設立して、「自分で自分に内定を出す」
・山一證券では、65年の経営危機で日銀特融で助けてもらった経緯を質問したら、面接官が怒り出した
「山一がつぶれる時は日本がつぶれる時だ！」・・・結局つぶれた
・ダイエーを受けたときは「流通業なのに土地で稼ぐのはやめた方がいいですよ」と言って落とされた
・「自分が会社を選ぶ」という感覚
自分が入社することで企業価値をこれだけ上げられる、それを評価してくれる企業を選ぶ
・就活って楽しい。色々な会社に行けて、現場の生の声が聴ける。
・就職できなかったら、選挙にでも出ればいい
最後のは、実際そういう状況になりつつあるので（特に地方議会）笑えないが、非常に的を得てますね。
先日も、娘の初めてのスーツを買いに行ったとき、店が勧めるのは就活でも使える黒や紺の無地のスーツばかり。カリスマ性のある人ならともかく、見た目が普通の人が、一日に何十人も面接しなければならない面接官相手に、アピールしようと思えば、まずは服でも変えて目立たないといけないが、勧められるのはその逆ばかり。まずは注目してもらって、それから、「中身もありますよ」とやらないといけないと思うんですが。
2012年04月16日
政治に残るのは常軌を逸して野心的な者か変人
ブレア回顧録〈下〉
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今日、高松に戻るので駆け込みで下巻を読む。
205:今日の政治ではプレッシャーがあまりにも強烈
・批判はあまりにも残酷であり、あまりにも恣意的
・正常な人が去ってゆき、残るのは常軌を逸して野心的な者か変人
というのは、西側先進国共通の問題か。
今の状態じゃ、能力のあるまともな人は政治家なんかになりたくないだろう。これほど、仕事と関係の無い政治家の私生活にまでメディア、あるいは国民が興味を持つというのは、暇だからか?
言論の自由は保障しなければいけないが、これでは結果として、国民が不幸になる。国民のメディアリタラシーを高めるしかない?
2012年04月15日
偉大な文明
決定版 大国の興亡―1500年から2000年までの経済の変遷と軍事闘争〈下巻〉
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全く新しいことを始めたので、どういう生活になるか想像が出来ず、今月初めトランク一個だけで着任した。今週末、自宅に戻り、これから引越すことになる。
品川図書館で借りている本も返さなければならず、「下巻」に取り掛かる。巻末にある、高坂正堯氏の解説が興味深い。
383:イギリス その地理的位置のゆえに安全保障費が少なくて済み、かつ銀行と信用の優れた制度を発展させることによって覇権をとった
384:イギリス経済は軍事費が少なかったにもかかわらず、その活力を失っていった。（WWロストウ）
図体が大きいこと自体、適応力を弱める
385:ローマにしても、ヴェネチアにしても、イギリスにしても、一度ならず再生したのであり、そのことが偉大な文明の重要な特徴
ローマ 共和制→帝政
イギリス 最も重要な植民地である米国の独立→＜政治・外交の一大修正＞→黄金期
386:米 現在のやり方を変えなければ衰亡（手の広げ過ぎ）
軍事費(対GDP) 7%+ （先進国平均3-4%) 原本の出版当時（1987）、米国では自国の衰退論と「日本脅威論」が盛んであった時期。その後5年間、米国は日本との生産性のギャップに悩み、MITに$5Mを与え日本製造業の強さを徹底調査させる。そのレポートは、The Machine that Changed the Worldとして1991年に出版されている。
Lean Productionを取り入れた米国産業は多少復活するが、大きな流れとしては、「IT革命」と「金融革命」のリードで1992年以降、2007年のサブプライム危機まで15年間空前の好景気を謳歌する。
一方、日本はその間、景気後退に苦しみ、政府は金融緩和と財政出動を繰り返し、借金の山を築いた。ここから復活できるかどうか。それが、「偉大な文明」となれるかどうかの試金石、ということになる。
2012年04月14日
炭鉱のカナリヤ
今でもやっているのかどうか知らないが、炭鉱では有毒ガスによる事故死を防ぐため、カナリアを持った工夫が先頭に立ったという。カナリアは空気の変化に敏感な生き物で、炭鉱内の空気にほんの少し有毒ガスが含まれているだけで、たやすく死んでしまうらしい。
このことを入社式で持ち出して訓示した社長が昔居た。曰く、「君たち新入社員は、会社のカナリアだ。同じ会社に長年居ると、社員はそれが当たり前だと思ってしまう。どうか臆せず、新鮮な目で会社のおかしいところを指摘してほしい。」
社会経験のない新入生にどれだけ的を得た指摘が出来るのか疑問だが、なかにはハッとする指摘もあるのかもしれない。
私も「新人」なので、環境に慣れて「当たり前」になる前に、大学でビックリしたことを自分の備忘録として書き留めておきたい。
・縦割り組織
普通、民間企業で採用が決まれば、誰かが責任をもって入社のお世話をする。担当が分かれていても、そんなことはこれから入る人間にとって分からないのは当然なので、ワンストップで済むように担当が付く。大学というのは、採用を決めるのは教授会で、採用手続きをするのは事務方と完全に分離している。事務に採用者としての当事者意識が希薄で、自分の担当のことしかやらないし、他のことは知らない。
・形式主義
組織の目的に照らし合わせ、時にはルールを柔軟に変えていかなければ生き残れないのが民間企業だが、大学では実にマニュアル通りに事が進む。私立大学では違うのかもしれないが。
写真は、着任時研究室に置かれていた机。使い古された中古であるのは別に構わないのだが、全く掃除がされてなかった。引出は手垢で黒光りし、いたる所にテープの跡がある。長年お世話になった机を掃除もせずに去っていく教員の常識も疑うが、それをまた掃除もせず平気で置いていく事務方も、次に使う人がどう思うかなど考えてない。
当然、椅子も埃だらけ。テープ跡を剥離剤で剥がし、洗剤で雑巾がけをし、椅子の埃を掃除機で吸い取った。テーブルやスチール椅子のメッキも錆び放題。おそらく、購入して一度も掃除されていない。錆落としで錆を取り、錆止めの油を塗った。購入時にWAXでもかけて、後は時々乾拭きしていればいつまでもきれいに使えるのに、もったいないことである。
仕事を始めるには、「環境整備」から、だ。それが全くできてない大学の生産性が上がるとは思えない。
2012年04月13日
香川大学は汚い？
香川大学GSMは「 地域を支えるリーダー養成 」を標榜しているので、では、地域社会や地元企業からどう思われているのかを探ろうと、現在「当初100日間100社訪問」を実施中。
GSM同窓生の満足度は、
・良い仲間ができた
・仕事の視野が広がった
・仕事に直接役立つ技能が身につけられた
など概ね高いのだが、 GSM以外の学部について県内でもトップクラスの経済人複数から同じご指摘を頂いた。
「香川大学は汚い」
お二人とも、講演や共同研究などで国内のあちこちの大学を訪問する機会があり、企業に比べれば大学は５Sが徹底されていない傾向があるが、「香川大学の汚さは群を抜いている」と。
GSMは主に社会人を対象とした大学院ということもあり、それほどひどいとは思はないが、それでも研究室前の廊下にモノを放置していたり、ゴミ箱が汚れていたり、と気にはなっている。「自分の職場」という気持ち（所謂、オーナーシップ意識）があれば、こういう状態は放置されない。
企業経営では、「掃除が徹底されていない職場には問題がある」というのが常識。工場などであれば、それは事故率に直結する。掃除がされてないということは、誰も管理してない、ということである。
2012年04月12日
下流大学が日本を滅ぼす！
下流大学が日本を滅ぼす! (ベスト新書)
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私の「職業訓練」第二弾。10年前『下流社会』で大ブレイクした三浦氏の「下流」大学版。 皆が肌で感じていることを、データや教員・学生へのインタビューをもとに検証していく。
結論：酷い実態
「下流大学」を残しても、百害あって一利なし。強いて言えば、「一利」は権益拡大したい文部科学行政と、下流大学経営で生活している経営者と教員なのだけど、破綻しかかっている財政から毎年補助金を出して支えるほどのことではない。
20:私立大学では一般入試での合格者が半数以下
23:AO入試見直し
・一橋商学部、筑波国際総合学類、九州大学法学部では廃止
・AO入試に通るような子は、自分を売り込むことだけうまい”ウソつき”ばかり
・卒論を100%書けない
28:大学在籍者数283万人(2007)
1977 184万人
1969 153万人（団塊の世代 270万人x5年）
128:大学の先生自体が下流
・自分の好きなことだけやっていたい人たち。で、収入は低くてもいいやという人たち。 （＝下流）
・社会常識がない
・コミュニケーション力がない
151：高学歴ニートを量産
・博士課程修了15,966人（2006) 就職率57%
・自分は偉いと勘違い
・ほとんどはまともに働く気がない
157:大卒にふさわしい仕事なんて全体の2割くらい⇔大学進学率5割
現在、博士だけで、戦前の学士の数より多い。 （S16全大学数46校で卒業生15千人）博士号をとっても、それを活かせる職業など大学か研究所くらいしかないので、 就職率が57%というのも納得。
筆者は以前から、格差是正のため、「東大の学費をゼロにすべき」と言っているが、それはどうか？世界のトップ10大学は全て私立大学で、学費はバカ高い。（年間400万円前後）それだけ払っているから、学生は必死で勉強する。
日本一よい大学だと自負するなら、日本一高い学費を取ったうえで、必要な学生には奨学金を与えるべきだろう。 タダの大学に行って、勉学に励むとは思えない。
2012年04月11日
小篠ゆまさん meets 讃岐かがり手まり
先月、小篠さんのアシスタントの方から連絡があり、「小篠が海外出張をしました折、
早速、県庁に居る先輩に連絡を取り、 県産品振興課が窓口となって3月末の訪問をアレンジ。その際の映像がこれです。
2012年04月10日
高松高等商業学校
香川大学は1949年に、戦前の高松高等商業学校と師範学校が合併して、新制大学として発足している。高松高等商業学校は経済学部となり、師範学校は教育学部となった。
官立高松高商は、1923年に設立された、四国では随一の、全国では12番目に設立された官立高等商業学校である。 徹底したスパルタ式の校風で知られ、第一期生でストレートに無事卒業できたのはわずかに109名。昭和10年代には入試競争率は10倍を超え、東の横浜高商（現在の横浜国立大学経済学部・経営学部）と並ぶ全国有数の難関高商として有名だった、という。（Wikipedia)
高松高商のもっとも有名な卒業生は、大平正芳元総理。（6期生） 以下は、左のリンク元から。
地元の三豊中学出身の大平は、官費の海軍兵学校の受験に失敗し、進学をあきらめようとしていた。しかし、高松に嫁した姉に励まされ、新設されたばかりの地元高松高商へ進学する。奨学金を得てさらに東京商科大学から大蔵省に進み、政界入り。その後の活躍は有名である。
銅像は、４０日抗争で大平が急逝したあと、志半ばにして倒れた同窓を惜しんで全国の卒業生の募金で作られた。いま、銅像は交友会館の脇にひっそりとたたずんでいる。左手には大平内閣時代に設置が決まった香川大学法学部の建物がすぐ近くにある。
大平が生まれてはじめて洋食を食べたのは、寮の食堂で出されたライスカレーだったという。
2012年04月09日
大学の誕生
大学の誕生〈上〉帝国大学の時代 (中公新書)
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大学という組織に初めて入って、いろいろ戸惑うことも多い。今の大学制度はどうやってできたのか？その源流を辿ってみることにした。
上11:ラテン語Universitat=組合
中世のヨーロッパで、カトリック教会付属、あるいは支援を受けて大学が成立。大学は学位を出す権限が与えられた「組合」。法・医・神の各専門学部と、準備教育の場としての学芸学部の4学部で構成されていた。ラテン語を共通語とした、国境を越えた学生や教師の自由な大学間の移動を可能にする、開かれたコスモポリタンな存在。
上15:国民国家の形成→大学のパトロンが教会から国家へ
アメリカでは国家の規制と支援を離れた、私立大学の自由な生成・発展。この頃、明治維新で近代化を目指した日本は、 「 国家官僚の養成を中心に国家に奉仕する大学 」として帝国大学を設立。
M10(1877) 東京大学
M14の政変 東京専門学校（早稲田）創設→政府のみならず、東大にとっても衝撃→国家の大学
「本校ハ、政治経済学科法律学科、及ヒ物理学科ヲ以テ目的ト為シ、傍ラ英語学科ヲ設置ス」（校則第一条）
M19(1886) 帝国大学として再編
M22(1889) 大日本帝国憲法
T7(1918) 「大学令」 京都にも京都帝国大学が設立され、東京帝国大学と改称
森有礼(文部大臣)は、早くから「帝国」という言葉の愛好者 「近代化を開始したばかりの東洋の小国の、しかも国際社会の中での日本の地位を知悉した政治家としての森が、ひいては、国際社会にデビューし近代化を開始したばかりの日本という国家が、抱かざるを得なかった強いコンプレックスの裏返し」(p9)
下15:M37 東大予算全官立大学28校中の30%
下367:S16大学数46校（卒業生15千人）
帝国 ７
官立 11
公立 2
私立 26
専門学校220校 卒業生38千人
S5高等教育在学者数 人口一万人当たり
日本 29人
ドイツ 20
フランス 18
アメリカ 90
T3 実業の日本社『中学卒業就学顧問』 慶応義塾理財科（経済）
「わが国の実業界に、最も多くの人材を供給したのは、本校に敵するものなく、その実業界に於ける勢力は、実に帝大の遠く及ぶところではない。而もこれ等の大実業家は、悉く或る方面になくてならぬ中枢人物たる、かけがへのない重役ばかりである。」
早稲田大学政治経済学科
「標榜する目的は、所謂高等国民教育といふので、職業教育といふものとは、かけ離れているかの感さへある。教授にも変わった人物が多く、学生は知らず知らず、のんびりと教育される。」
大正時代初めに既に各主要大学の性格が決まっていて、またそれが戦争を経ても、現在まで続いていることに驚く。 本書で取り扱われるのは戦前まで。
戦前220校あった専門学校の多くは戦後新制大学となり、アメリカ型の怒涛の大衆教育時代を迎えて、ついには大学進学率が50%を超えるという今日に至る。
2012年04月08日
SAUVAGEONNE SAVOUREUSE 2011
金曜日夜、学生との懇親会があったのは昨日書いた通り。そこに出てきたのが、「香川大学ワイン」。
香川大学農学部で開発され、オリジナル品種交配新種登録がされた醸造用ブドウ「香大農Ｒ−１」を使った赤ワイン「ソヴァジョーヌ・サヴルーズ２０１１」 である。
昨年醸造した新酒。味は・・・うーん、私はワイン通ではないが、同じ値段ならもっと良いのがありそう。でも、話題性十分なので、今後お土産等で活用したい。
2012年04月07日
香川大学ビジネススクール
昨晩は、MBA学生との懇親会。新入生・新2年生とほぼ全ての講師が参加。
香川大学ビジネススクールの特徴は、経営大学院（ビジネススクール）と行政大学院両方を統合していること。レベルは随分違うと思うが、著名なHarvardの例を引けば、HBSとKennedy Schoolを足して2で割ったという感じ。積極的理由としては、「民間と公共部門両方の人材が交流し互いから学ぶことで地域のリーダーを育てる」ということで、消極的理由としては、「地方都市でどちらかだけを対象にしてコースが成り立つほどの需要がない」ということだ。
なので、正確にはビジネススクールと言わず、「マネジメントスクール」とでも言った方がいいかもしれない。実際、正式名称は「香川大学大学院地域マネジメント研究科」であり、英文では、Graduate School of Managementとなっている。
学生のプロフィールを見ていると、
・大企業からの派遣
・中小企業の経営者や後継者
・官公庁からの派遣、もしくは自費
・学部からの直接入学
がそれぞれ1/4ずつくらい。
年齢層も、学部から直接来た22歳から50代後半までと幅が広い。社会経験が無い人から経営者まで、多種多様な学生を一堂に教えるには工夫が要りそう。
2012年04月06日
香川県庁
赴任して最初ということで、かねてより知っている各方面に就任挨拶中。以前より香川県産業活性化アドバイザーの委嘱を頂いているので、まずは県庁へ。大学からは徒歩10分ほど。主要施設が徒歩圏内にあるのが地方都市のいいところ。
映画「県庁の星」ロケに使われた地上22階の本館がそびえ立つ。２階の食堂で食事。職員以外も利用歓迎。
食後、21階の展望室へ。なぜ、22階建てなのに、最上階が21階か？実は、 2000年の竣工に合わせ「21世紀＝21階」としたかったらしい。なので「中二階」を作って、１階分を数えてない。
何れにしても、素晴らしい眺め。喫茶店があって、軽食も出している。こちらも出入り自由なので、高松に来たら上ってみることをお勧めする。
今は東館といわれる昭和３３年竣工の建物も、同じ丹下健三事務所設計。丹下の初期の傑作といわれている。１階には丸亀高校の先輩である猪熊弦一郎画伯の巨大壁画。見ごたえがある。
2012年04月05日
香川大学入学式
昨日は香川大学の入学式でした。学部と大学院合わせて１６３６人が入学。早稲田では一学年1万人ですから、こじんまりしています。学部の新入生は教育２１１人、法１６１人、経済３１１人、医１６８人、工２６９人、農１６２人、各学部の編入生３８人と大学院３１６人。
私の所属する「地域マネジメント研究科」（MBA）は33人でした。社会人を対象とした夜間と土曜日のコースなのですが、不況のせいか、学部から直接来た社会経験のない学生が今年はかなり居ます。
2012年04月04日
早稲田入学式
前後しますが、4月1日は長女の入学式でした。早稲田では全学での「合同入学式」と「学部入学式」の二つがあります。合同といっても、1万人の新入生＋父兄が入る施設は大学になく、また、他の一部の大学のように外部施設を借りてやることもしないので、戸山キャンパスにある記念会堂で一日4回に分けて行われます。
娘が入ったのは教育学部なので、昼前から行われた2回目。同じことを一日に4回する総長は大変です。
実は、両親は私の入学式にも卒業式にも、あるいはその間にも一度も大学に来たことが無かったので、母を早稲田に案内するのは初めてです。終了後、きれいになった学食で昼食を食べ、大隈庭園を見て帰りました。
2012年04月03日
香川大学大学院地域マネジメント研究科（長いな）
昨日から新年度が始まり、私も商売替えしました。
香川大学大学院地域マネジメント研究科（要するにMBA）准教授に就任しました。博士号がないので期間限定です。「いつかは」と思っていたんですが、ファンド不況で思ったより早く実現しました。ま、多少順番が変わってもいいでしょう。
私の研究室は、写真のほぼ真ん中、青い屋根の「３」みたいな形の建物の最上階です。（といっても、３階）
これでいいんです。凝った耐震装置も要らない。「災害の少なさをアピールし、西日本最大のデータセンター建設」というニュースも。（少なくともこれまで）地震も、津波も、台風もありませんからね。
2012年04月02日
池波正太郎記念文庫
母は戦中・戦後の貧しい中、娯楽の少ない田舎で育ったので、読書が最大の娯楽だったそうだ。今回、本人曰く、5年目にして、「これで最後の上京」で連れて行ったのが、池波正太郎記念文庫。浅草駅と入谷駅の間、台東区立中央図書館内にある。
無料なのだけど、充実した内容。生原稿や使用した万年筆のほか、書斎も復元されている。
父親が商売に失敗したのが原因で両親が離婚。母親の実家で育ち、小学校卒で奉公に出る。3件目でやっと落ち着いて働いたのが、兜町の株式仲買店。ここで10代を過ごし、自ら相場を張った金で、「読書、映画、観劇にはげみ、登山や旅行を楽しみ、剣術道場にも足を運ぶ一方、諸方を食べ歩いたうえ、吉原で遊蕩にふけるなどした」というから相場の才能はあったのだろう。
これまで読んだことが無かったのだけど、興味を持った。
2012年04月01日
浅草寺 大絵馬寺宝展と庭園拝観
5年ぶりに上京した母の東京案内。都営線で浅草へ。
＜金龍山 浅草寺 東日本大震災復興支援＞と題し、浅草寺秘蔵の寺宝や絵馬など普段は非公開の貴重な寺宝と、小堀遠州 作庭と云われている「伝法院庭園」を特別公開していた。大絵馬は凄いのがあった。流石は、1380年の由緒と歴史を持ち、将軍の祈願寺でもあった浅草寺。
これに国指定名勝である伝法院庭園（平成23年9月21日指定）拝観がついて入場料300円は安い。庭園からは五重塔とスカイツリーが並んで見れる。
◆日時／3月22日(木)〜5月7日（月）
◆場所／浅草特別展示館・庭園＜入口:奥山風景内＞
【拝観時間／10:00〜16:00】
