2012年01月

2012年01月31日

考える技術・書く技術

入門 考える技術・書く技術
入門 考える技術・書く技術
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先週から忙しくて本を読んでなかったが、今日久しぶりに図書館へ。「考える技術・書く技術」はビジネスに必須。入門用としてとても良い本でした。

9:読み手の関心・疑問に向かって書く
×書きたいことを書く

26:OPQ分析(読み手の疑問を明らかにする)
Objective(望ましい状況)
Problem(現状とObjectiveのギャップ)
Question(読み手の疑問)
Answer(文章のメッセージ)

100:ピラミッドはトップダウンで書く
仮説アプローチ

138:メールは「感謝の言葉にPDF」
Purpose Statement(目的文)
Detail
Follow-Through(今後のステップなど)

電球「一日一回ピラミッド」x4か月実践!
今日書いたメールのうちなるべく中身のあるものを一つ選び、10分間で簡単なピラミッドを書く

shikoku88 at 20:51|PermalinkComments(1) | 仕事

2012年01月30日

阿字観

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座禅を体験してみたくなり、調べてみたら、近所の高野山東京別院(高輪)で月に2回「実習会」があることがわかり、週末に参加してみた。

座禅といえば、禅宗が有名だが、真言宗でも「阿字観」といわれる座禅がある。「阿」の字を書いた掛け軸を前に、座禅を組むので阿字観。今回習ったところでは、「阿吽の呼吸」と言われるように、「阿」(ア)で息を吐くのが先ということに関係あるのかもしれない。

瞑想するには、呼吸数と心拍数を普段より落とすことが必要だが、普通の心拍数から落とすのは難しい。そのために、座禅に入る前にスクワットのような運動で心拍数を上げておいて、これを戻そうとする自律神経の働きを利用して、落としていくのだそうだ。

1時間丁寧に教えていただいたうえ、終了後、希望者には、お茶とお茶菓子の付いた説法がある。今回は、仏教の発足と伝来に関するお話でした。
shikoku88 at 11:13|PermalinkComments(1)TrackBack(0)教育 | イベント

2012年01月29日

香川県産業活性化アドバイザー

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この度発足した香川県産業活性化アドバイザーに就任。東京地区では18人が委嘱され、私も浜田県知事から委嘱状を頂きました。メンバーの多くは上場企業の経営者か、元経営者。日頃、ベンチャーの世界では最年長の部類に入る私ですが、今回は「若手」でした。

昨年から、「うどん県」(北四国グラビア印刷「うど音寺市」バージョン)で話題ですが、県知事の名刺も「うどん県知事」に変わってました。
shikoku88 at 10:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)四国 | 仕事

2012年01月28日

悪人

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昨年録っておいた「悪人」をやっと見ました。うーん、衝撃。モントリオール世界映画祭で深津絵里さんが最優秀女優賞を受賞したのもうなずけます。

心理学的に言うと、犯罪に巻き込まれた被害者が犯人をかばう、ということはよくあるようです。Yahoo!知恵袋にあった、この感想は的を得てますね。

「お互いに孤独だったから共感したんじゃないかな。それに障害があるから燃え上がるってこともあるだろうし。そう考えるとロミオとジュリエットに構図が似てますよね。恋になれていない二人が相手にのめり込んで破滅に向かう。」

2012年01月27日

PPP

Purchasing Power Parity、略してPPP。GDPを$ベースで評価しても、実際の経済生活の豊かさは現地の物価に左右されますから、購買力がほぼ均等になる為替水準が購買力平価です。

最新の統計を見ると、日本の凋落が明らかです。日本もこの20年間落ちてはいないんですが、その間に欧米は1.5倍になっているし、新興国に至っては数倍に所得水準が上がっています。

「まだ経済大国だ」と思っているうちに、生活水準は世界24位で、アジアではシンガポール、香港、台湾がはるか上です。シンガポールに至っては、日本の倍近い水準ですから嫌になります。経済規模としては四国より少し大きいくらいなんですが。
shikoku88 at 22:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0)経済 | 政治

2012年01月26日

31年ぶり貿易赤字国に転落

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昨年は、31年ぶり貿易赤字国に転落しましたね。31年前に戻ったともいえるので、産業構造の転換をしなければ、ついには生活水準まで30年前に戻る可能性があります。

技術のモジュール化で発展途上国でもすぐに一級品が作れるようになった今、貿易収支が黒字になることは今後ないのではないでしょうか。とはいえ、赤字の定着を遅らせることには意味がるので、問題のない原発まで止めてせっせと1バレル$100を超す原油を輸入しているのは、今後急速に減少する国富をみすみす国外に逃しているようなものだと思います。

中期的には、海外投資の投資効率を高め所得収支の黒字で貿易赤字を補う必要があります。

shikoku88 at 21:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0)経済 | 政治

2012年01月25日

テラモーターズ

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Independentsの新春イベントではテラモーターズ徳重社長の講演もありました。電動バイクを輸入販売している会社で、販売は直販および家電量販店など。既に国内トップシェアとなっています。現在のところ、中国メーカーの製品を日本仕様に直して販売しているだけですが、現在オリジナルデザインの製品を開発中とのことです。

出来たばかりのベンチャーで、また、沢山の資金を集めて大々的にやっているわけでもないのに、一流大学から優秀でやる気のある学生が入社しています。「終電が基本で、会社泊まり込みもよくある」そうで、これがシリコンバレースタイルだとか。born global + hard work

日本で資金調達できる額に合わせ、スクーターという日本ではニッチで大手が出てきにくい、それでいて東南アジアではそれなりの大きな市場が狙える事業分野を選んだところにセンスを感じます。

shikoku88 at 11:16|PermalinkComments(0)TrackBack(0)仕事 | 投資

2012年01月24日

もう2割働け

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昨晩はIndependentsの新春交流会。辻・本郷税理士法人の本郷理事長による基調講演で始まった。

・日本は過去20年間経済成長してない
・今後10年でGDPは半減する可能性がある(!)
・工業社会が終わり、知識社会になって久しい
・工業社会では機械が生産するが、知識社会では人が生産する
・人が働かなければ、GDPが落ちるのは当然
・もう2割働かないとダメ

上記はOECDの各国比較で、日本は1970年代2200時間以上働いていたのが、当時の日本経済の勢いを警戒した諸外国から「働き過ぎ」との指摘を受け、労働基準法を改正して労働時間削減を進めた。

これ自体悪いことではないが、知識社会でプロとしてやっていくためには一定水準の知識と知恵を身に着けるまでがむしゃらに働かないとやっていけないのは当然だ。それでなくても、日本の大学生は世界で一番勉強しないといわれる。

例えば、「日本の大学生は4年間で100冊しか本を読まないが、アメリカの大学生は400冊読む。ハーバードやエールでは1000冊は読む」「日本の大学生は学外での勉強時間が1日平均で1〜2時間であるのに対して、アメリカの大学生は1日6〜8時間勉強する」という実態報告がされている。

私もイギリスで就職面接を受けたとき、「忙しくなると一週間くらい会社に泊まることになりますが、大丈夫ですか?」と聞かれた。既に、LBSで週末以外は100%勉強(グループワークやコンサルティング実習含む)であったので、「今と同じです」と答えたことを思い出す。

その後の米国勤務でも、社長が会社で一番早く6:30に出勤し、7時には役員が揃い、8時にはnon-exemptと言われる月給で貰う社員が揃い、そして9時の始業時間ギリギリに来るのはexemptと言われる時間給社員であった。non-exemptは成果給なので、労働時間は関係ない。成果を出せなければ給与は上がらないし、最悪クビになってしまうので、若い人ほど良く働いていた。

労働時間統計は、国によって統計の取り方が違ううえ、「平均値」であることに留意しなければならない。欧米は階級社会であるので、人口の1-2割のエリートが沢山働いたうえで地位を確立して、徐々に労働時間を減らしていく。他の人は諦めている人が多く、食っていけるだけの働きしかしないので労働時間は短い。

こうした諸外国労働時間の「平均値」を見て、「国民総中流」を誇った日本が労働時間を一律に減らせば、知識社会の中で、中流が維持できなくなるのは当然だろう。
shikoku88 at 09:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)仕事 | イベント

2012年01月23日

全国に広がる新型学級崩壊

会社では「新型鬱」ですが、今度は、学校での「新型学級崩壊」。

今までの「学級崩壊」とどう違うかというと、
・これまでの学級崩壊は、新卒教師や未熟な教師の教室で生じていた
・ところが最近は、評判の良かったベテラン教師、学校の中心になってきた教務主任などの教室でも起こる。教室の騒がしさが今までになく、離職する教師もいるほど。
ということだ。

・東北地方の静かな農村。1学級35人。そのうちシングルマザーは11人でシングルファザーが2人の学級だ。親は働くのに忙しく「子供に教える」ことをとばして、叱り、どなり、たたいて育てる。子供は学校で、友達をたたきまわる。


・東京の高級住宅街。かつて、親からたたかれた子はクラスで2、3人だった。今は、たたかれない子が2、3人だ。両親の間で子育ての押しつけあいが目立つ。「子供をどう育てるのか」という知識、親学ともいうべきものが欠如している。

・子供の前で担任の悪口を言う親がいる。かつてそんなことはなかった。親から担任の悪口を聞いた子供は、教師の言うことを全く聞かなくなる。担任を「クソババア」と、どなりちらすようになる。携帯電話で「担任の悪口、風評」を流す親がいる。そのような親のため学級崩壊したクラスは多い。

これまで、「初等教育のレベルは高いが、高等教育が・・・」と言われてきた日本ですが、初等教育までこうなってくると学校間格差が開いてきますね。

今の親(団塊ジュニア)は団塊世代の子供たちですから、丁度核家族化が進んだ時期と重なります。昔の親だって、最初から立派な親でもなかったと思うんですが、同居する親から子育てを教えられつつ「親」になっていったのではないかと推定します。

親失格第一世代に育てられた団塊ジュニアが「学級崩壊」現象を引き起こしたとすれば、第二世代に当るその子供らが「新型」を起こすのは必然か。


shikoku88 at 12:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0)提言 | 教育

2012年01月22日

国家戦略欠如「無力さ」痛感 医療イノベーション推進室長辞任の中村祐輔教授

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国家破綻しようかという時に「創薬支援機構創設」は無理だと思ってましたが、診療情報集約は是非やってほしかった。無駄な診療の減少につながりますからね。

これだけ世の中にITが普及しているのに、未だに電子カルテの全国共通化も出来ない。「医師会が反対するため」と聞いていますが、実際どうなんでしょう。やろうと思えば、「これを使わなければ保険診療を認めない」とすればいいだけのはずなんですが。
shikoku88 at 18:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0)政治 | 教育

2012年01月21日

菅前首相の責任全容解明を

是非やってもらいたい

「初めから詰問調であった。『なぜベントをやらないのか』という趣旨だったと思う。怒鳴り声ばかり聞こえ、話の内容はそばにいてもよく分からなかった」


「『何のために俺がここに来たと思っているのか』と総理の怒声が聞こえた。これはまずい。一般作業員の前で言うとは」


当時、菅氏の周辺は盛んに「ベントの指示を出したのに東電がなかなかやらなかった」との情報を流していた。だが、その間の事情を知る官邸筋は明言する。


「それは大嘘だ。むしろ官邸側は東電に、『何事も指示なく勝手に進めるな』『官邸の了解なし に判断するな』と指示していた」
shikoku88 at 11:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0)提言 | 政治

2012年01月20日

湯島食堂

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昨晩の打合せに指定されたのは湯島食堂なる場所。食べログの地図を片手に探したが入り組んだ場所にあって周囲を一周してしまった。上記HPにある地図を持って行くことをお勧めする。

基本は有機野菜のコース。その名も「上昇ディナー」 本来ベジタリアンらしいが、今回は事前のリクエストで地鶏を付けてもらった。ルッコラ、リンゴ、アーモンドに16年物バルサミコをかけたサラダ。キノコたっぷりのスープ。香川出身ということで、うどんのパスタ?(これは茹でが足らず芯が残っていたのが残念) 最後は、豆乳ケーキのデザート。オヤジ6人で行きましたが、満腹。

夜は完全予約制なので、上手くいけば少人数でも貸切に。夜は人通りも少ない湯島の隠れ家オーガニックレストランでした。
shikoku88 at 15:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)飲食店 | 食べ物

2012年01月19日

いい会社の条件

私の思ういい会社の条件の一つはOB会が活発なこと。

日本ではリクルートや野村證券などが筆頭だと思うが、どちらもあれだけ人材を輩出していながら業界一位をずーっと保っているのが凄い。他にもアクセンチュアや、余り知られてないところでは、かっての日本オリベッティなど。世界的に見るとGEやマッキンゼーなどが有名。

こういった会社には、人を育てる仕組みか、あるいは勝手に育つ社風があるのだろう。

昨晩は9年間役員を務めたITベンチャーのOB会。当初は社長一人で始まり、私が参加した段階で5人。大手企業に会社売却した段階で100人。変化の激しいweb業界での仕事は楽ではなく、また2-3年も経つと求められる仕事内容が変わることも多く、結果、社員の入れ替わりも多かった。

それでも厳しい環境の中で一時期でも一緒に仕事をしたことが信頼関係を生むらしく、今では、独立した元社員や、あるいは転職した元社員間で多くのビジネスが成り立っている。OB会も単なる「回顧」ではなく、現在のビジネスの情報交換になっているところがいいところ。

2012年01月18日

日本のリーダーにふさわしいのは?

shikoku88 at 22:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0)提言 | 政治

2012年01月17日

森喜朗元首相 「増税協議なぜ応じぬ」

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民主党は野党だった時は、自民党の増税に反対し、民主党が与党になったら、今度は野党になった自民党が増税協議に応じない。(増税反対ではないと思うが) 結局、与党になったら無責任なこと出来ないからね。

やったら、アルゼンチンのようになりかねない。かっては南米一豊かだった国が、ペロン政権のバラマキで財政危機に陥って以来、未だに立ち直れてない。奥さんのEvitaは庶民に人気だったかもしれないが、それは劇の中だけでいい。

消費税を上げないと財政が立ちゆかなくなるのは明らかでしょ。それを自民党で一番力説していたのが谷垣禎一総裁じゃない。与野党協議で「さすが自民党だ」と思われる案を提示すればいい。」

マスコミからの揚げ足取りで任期中評価低かったけど、森元首相もっと評価されていい。ITをitと読んでもいいじゃない。
shikoku88 at 10:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0)提言 | 政治

2012年01月16日

過度なリスク回避に縮こまるな

shikoku88 at 17:43|PermalinkComments(0)TrackBack(0)提言 | 政治

2012年01月15日

赤信号注意され逆上…男性殴り死なせた男の「理不尽」

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昨年末の悲しい事件。「捜査は難航したが捜査員の執念が実を結ぶ」ということで、加害者は翌月逮捕された。

写真は逮捕された日の犯行現場。加害者と同じように、赤信号無視で堂々と歩道を渡る人。被害者の加藤さんはこうやって信号無視をしてわたってきた加害者に「赤信号ですよ」と声をかけ、殴られて殺された。

それだけで殴った加害者は論外だが、こんな事件があった後も歩行者の信号無視は後を絶たない。その背景には、守りにくい交通法規と、守らないのが当たり前になっている国民が居る。

写真のように赤信号で渡っている歩行者をはねても悪いのは自動車側になってしまう。これでは、歩行者の信号を守るインセンティブが大きく減る。速度規定も、高速と郊外と市街地の三つに標準最高速を定め、後はドライバーが状況判断して安全に走ればいいではないか。標識一つの設置に10万円以上かかっているというから、これで相当支出が減らせそう。さらに、町がすっきりして景観にもいい。
shikoku88 at 16:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0)提言 | 政治

2012年01月14日

76世代

投資の木の育て方
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76世代」という言葉がある。1976年前後の生まれで、現在35歳。丁度大学生の頃インターネットの普及が始まり、その後のネットバブルを当事者として体験した世代。

著名経営者としてmixi笠原社長(1975)や、GREE田中社長(1977)など。「投資脳のつくり方」の木下晃伸さんも35歳。

各種メディアを使ったマーケティングも上手いし、努力もする。石原明さんは、「出来る奴は30歳で頭角を現している」といいますが、ホントそうですね。・・・と感心している場合ではない!
shikoku88 at 10:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0)仕事 | 

2012年01月13日

地球は滅びるだろう

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地球は滅びるだろう」という刺激的な見出しを付けた石原都知事の記事が出たのは、まだおとそ気分の抜けきれない9日。考えてみれば、彼も元々小説家ですね。

・昨年十二月のダーバンでのCO2に関する世界会議の体たらく
・地球温暖化の元凶であるCO2の多量排出国であるアメリカ、シナ、インドの三国がごねた末のごね得
・これから九年の間温暖化は加速されて進み、異常気象は最早異常なものではなしに正常なものとなっていく
・昨年日本やタイを襲った豪雨禍やアメリカ東部の豪雪など枚挙に暇のない自然災害は、想定外のものではなしに至極当然
・天才宇宙学者ホーキングの予言、「地球のように文明の進んだ惑星は宿命として自然の循環が狂い、この地球もまた宇宙時間からすれば瞬間的に、地球時間からすればおよそ百年ほどでその生命体は消滅するだろう」

昨年の大震災のような大災害は注目され、支援資金も投入されればボランティアも集まりますが、実は、温暖化による異常気象によって世界中で起こっている豪雨や豪雪、干ばつによる飢饉などの被害で毎年同じくらいの人が亡くなっていても、「当たり前」になってしまって対策は遅々として進んでいないですね。日本は原発を温暖化対策の切り札にしていましたが、福島原発事故で自ら旗を降ろす始末。長い目で冷静に見て判断する必要があります。

写真:北京の大気汚染
shikoku88 at 15:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0)提言 | 政治

2012年01月12日

ストーリーとしての競争戦略

ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
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2年前に出版されて話題を呼んだ本。現在、Amazonでのカスタマー・レビューが94件。しかも、レビュー自体にコメントが多数ついている(トップに表示されているレビューで9件)。半数のレビューは★5の最高評価で、一部の人が低い評価を付け、平均で★4となっているが、これだけの話題を集めて、しかも経営戦略論というお堅い分野で議論を巻き起こしたというだけで十分成功した本。

結論としてはシンプルで、
「優れた戦略とは思わず人に話したくなるような面白いストーリー」
である、ということ。

「当たり前だ」という声もあろうが、本当にワクワクするような経営戦略を聞いたことはそれ程ない。大半の事業は既に世の中に存在する業態であるし、そこで他社と「ちょっとした違い」を出したり、「ちょっとだけ頑張る」ことで存続は出来るので、普通は十分なのだ。

しかし、大成功する会社は、「戦略を構成する要素がかみ合って、全体としてゴールに向かって動いていくイメージが動画のように見えてくる」(本書)

レビュワーの評価として低い理由の一つが、「(また)米国の経営論の焼き直しである」とか「既存の経営戦略論の紹介が半分」とかいうもので、同業の?経営論学者からのものと思われる。本書は実務家向けに書かれているので、その点は仕方なかろう。一読の価値あり。
shikoku88 at 08:37|PermalinkComments(0) | 仕事

2012年01月11日

半島を出よ

半島を出よ (下)
半島を出よ (下)
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この正月、一番時間をかけてしまった本。小説の速読は難しいな。

p106: 信じられないことだが、SATの派遣から作戦の立案、実行に至る過程をすべて把握して、決定を下す責任者がどこにも存在しなかった。

p184: 国民もメディアも主体的な外交という概念そのものが希薄だった。黒田も、北朝鮮か中国が日本を攻撃したら自動的に米軍が反撃してくれるのだろうと何となくそう思い込んでいた。日本の代わりに米軍が戦ってくれるような錯覚があった。考えてみれば、そんなお人よしの国があるわけがない。

P442:  日本のマスコミは、なぜ液化天然ガス基地が報復テロを受けると、そう決めつけたのだろうか。作戦課のパク・ミョン中尉によるとその理由は次のようなものだった。大半の日本人が、福岡を封鎖した根拠と、高麗遠征軍を攻撃できない口実を探していたからだ。福岡の封鎖を解いたら液化天然ガス基地はテロ攻撃を受けるだろうかという問いを立てるのではなくて、液化天然ガス基地がテロ攻撃を受けるので封鎖はやむを得ないことだ、と自分たちに都合のいい論理を組み立てようとする。

如何にも、「もしこういう事態になったらこういうことが起こりそう」というリアリティがあります。それは3.11への政府の対応にも出てましたね。
shikoku88 at 08:12|PermalinkComments(0)TrackBack(0) | 政治

2012年01月10日

京大が全寮制の学寮型大学院

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京大が全寮制の学寮型大学院を造ろうと準備中らしいです。

・5年一貫制で1、2年目は京大の各研究科などで専門教育を受け、3年目には再び8分野の基礎的な教養科目を履修する。4年目には海外の大学などに留学、5年目には自らプロジェクトを立案し、企業や官公庁と共同で実行する。
・全寮制を生かして院生同士や専任教員と昼夜を問わず議論できる「24時間教育」の実践。旧制高校のように知識だけでなく、人格も磨く。
・アルバイトに追われぬよう学生には年間約300万円の奨励金も支給する予定。

高校は大学に合格するための、大学は企業に就職するための『ピンポイントにチューニングされた教育』に堕している」(京大 松本総長)

年間300万円ということは、サラリーマン平均年収(400万円)とそうかわらないが、それでもこれで本当に国を背負えるエリートを養成できるなら安い。

写真:愛知県蒲郡市の三河湾に面した中高一貫の全寮制私立男子校「海陽中等教育学校」
shikoku88 at 08:46|PermalinkComments(1)TrackBack(0)教育 | 提言

2012年01月09日

格差ではなく貧困化

伊藤元重先生のコラム良かったですね。(産経新聞1月7日)

・日本で起きていることを格差拡大と呼んで、中国や米国と同じようなことが日本で起きていると単純に考えては問題の本質を見失う
・日本と米国と中国で起きていることは、まったく違ったことである
・中国では成長のおかげで大半の国民が以前よりは豊かになっている
・産業革命時代の英国でも見られた典型的な資本主義経済型の格差問題
・日本では国民の多くが貧しくなっている
・米国のように一部の金融関係者が極端に多くの所得を独り占めしているわけでもない
・日本で起きていることはデフレの中での多くの国民を巻き込んだ貧困化
・富や所得の再分配を強化することは日本の現状の痛みを緩和するという対症療法的な効果はあるが、問題の本質的な解決にはならない

アメリカの真似して「格差反対」デモしている場合じゃない。
shikoku88 at 09:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0)経済 | 政治

2012年01月08日

半島を出よ

半島を出よ (上)
半島を出よ (上)
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「小説家には時代を読む感性が必要」というが、7年前に出版されたこの本ほど現代日本の特徴をえぐりだした小説はないのではないか。政治家必読の書。

2011年設定の近未来小説であり、偶然にも東日本大震災が起こった。平和ボケした日本で、未曽有の危機にあたって、優先順位をつけて機敏な危機対応が出来なかったことは全く小説と重なる。

p179:財政破綻寸前の預金封鎖と外国為替及び外国貿易法、いわゆる外為法の改正による海外資産凍結、インフレと金融不安、あらゆる経済活動の縮小と大量の倒産・失業、国債の暴落と外貨準備高の急激な減少等々、ただこの時点で振り返ってみると、放っておけばいずれ破たんするといわれていたことが本当に放っておかれて現実になっただけだった。経済の破綻は、国際社会の不信と疎外を生む。経済が破たんしてみると色々なことがはっきりした。日本が何によって国際的な影響力を保持していたかが明らかになったのだ。

p182:防衛庁の情報本部の中には若くて優秀な人材がいて、二年ほど前に、北朝鮮がテロで狙うとしたら離島だというレポートを出したが、政府は事実上それを無視した。日本周辺には七千近い離島があり、その中の423の島に人が住んでいる。有人の離島を北朝鮮の特殊部隊のコマンドが占拠したら、対抗手段はなかった。警察官を殺し、住民を人質にして、マスメディアに連絡して、日本政府に要求を突きつける。大規模な人員や装備は不要だ。小隊規模で、自動小銃と手榴弾があればそれで充分だろう。まさに悪夢のような事態だが、400を超える有人島をそれなりに訓練された兵士で警備するのは徴兵制が復活しない限り不可能なので、政府はそういうことは起こりえないと判断して、レポートを無視したのだった。

p244:どうして自衛隊は高麗遠征軍を攻撃しようとしないのか。福岡封鎖にこれほどの経費をかけ、甚大な被害を想定するのなら、最初から高麗遠征軍をつぶすべきではないだろうか。もし同じことが共和国で起こったら、親愛なる将軍同志は躊躇なく侵略軍への攻撃命令を出すだろう。確かに一般市民に大勢の犠牲者が出るが、経費も被害額もはるかに少ない。
shikoku88 at 08:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0) | 政治

2012年01月07日

「輸入品が日本の食を脅かしている」のウソ

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たくましいぞ日本経済の底力」後半は農業の話でした。

・食料輸出の10年度実績は4070億円に過ぎない。これに対して輸入は5兆3070億円なので、10分の1以下の水準。(この5兆円の中には、畜産用の飼料やたばこなど、人の口には入らないものも含まれる)
・年間の食料品輸入の中には、酒類やコーヒーなどの嗜好(しこう)品や、最大の品目である魚介類も含まれている。これらをすべて除外して、肉類、穀物、果実および野菜、酪農品などの純粋な農産物のみの輸入金額を計算すると、3兆円以下。
・年間の国内農業生産額は8・5兆円。農水省は「カロリーベースで日本の食料自給率は4割」だとしきりに強調するが、金額ベースだと国産品と輸入品の比率は3対1程度。


ということで、結論としては、経済力が保てるなら現在の輸入水準は大きな問題ではない、と言えるのではないでしょうか。それより、徐々に市場開放して他の産業同様国際競争力を付けた方がいい。競争力がつけば輸出も増えます。


shikoku88 at 09:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0)経済 | 政治

2012年01月06日

日本経済の底力 驚異の環境適応力

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「商社エコノミスト」である双日総合研究所副所長・吉崎達彦氏によるコラム

・2011年度は3年ぶりに貿易収支が赤字
震災の打撃と円高で輸出は落ち込む。原発が止まっている分、火力発電用の燃料を買わねばならず、輸入は増える。特にLNG(液化天然ガス)は前年比4割増の見込み。


・12年度の貿易収支は3兆円程度の黒字を予想
復興による供給力回復とともに輸出は増加に転じる。同時に資源価格が下がることで、輸入は減少を見込む。

・12年度の輸出は69兆円程度を予想
ピークだった07年度の85兆円からは見劣りがするものの、水準としては、05年度の68兆円に近い。当時は、1ドルが110円、原油価格は1バレル50ドル程度に対し、今は1ドル70円台、1バレル100ドル前後の経営環境。

確かに、企業は政府の無策を嘆きつつも、自分が倒れてはしょうがないので、高付加価値化とコスト削減を進めています。その底力はもっと(株価でも)評価されていいはずなんですが。


shikoku88 at 16:06|PermalinkComments(0)TrackBack(0)仕事 | 経済

2012年01月05日

福島原発行動隊

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せっかくの善意を生かすことのできない政治体制。

「福島第一原発の事故処理による若い世代の放射能被曝を軽減するため、身体の面でも生活の面でも放射能被曝の害が比較的少なく、技術と技能と経験のある退職技術者技能者が現場に赴くことを目的として」(※HPより一部要約)結成された「福島原発行動隊」。東日本大震災からほとんど間を置かず発足。その想像を超えた発想は、国内外から注目を集めた。ところが、それから8カ月が経ち、志願者は650人を数えるという状況ながら、未だ作業に着くことは叶っていない
shikoku88 at 19:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0)提言 | 政治

2012年01月04日

帝都復興院

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復興庁の設置法案が震災発生から9カ月後に成立し、1年後にその組織を発足
なんですね。(大前研一「復興日本」)

・関係省庁や主要政党が寄ってたかって中身を引っかき回せば、訳のわからないものになってしまう
・復興庁は役所仕事をこなすこととなり、利害団体や自治体の陳情を(政治家などが仲介して)受け付けている間に、23兆円については「再発防止+経済活性化」のどちらもできず、アブハチ取らずのまま使い果たされてしまうだろう
・復興債を発行し25年で償還するという事実上の恒久増税のような内容にするものだから、国民に長期間にわたって負担を強いることになる

これに対し、「帝都復興院」は、関東大震災の発生から何と26日後に設置されている、んですね。その構想は壮大で、これを機に「東京を近代的な首都に作り替える」
というもの。その中には、今も使われている永代通り、昭和通り、表参道ヒルズとして名残をとどめている同潤会アパートもあります。この計画が道半ばで中断されたのは残念。
shikoku88 at 09:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0)経済 | 政治

2012年01月03日

報道という仕事

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我が家から目と鼻の先にある大崎警察前は正月早々、マスコミ各社の報道陣で大賑わい。中継車にハイヤーを合わせ20台ほどの車がエンジンかけっぱなしでずーっと路上待機している。最初何だか分らなかったが、大晦日に丸の内署に出頭した平田容疑者は捜査本部の置かれている大崎署で取り調べを受けていたのである。

今日で三日目だが、今も黒塗りのハイヤーが延々と路上駐車。正月休みだからいいようなものだが、これが平日なら、片側2車線の山手通りを一車線ふさいでいるので、渋滞は必至だ。

そうやって24時間体制で待って得られる結果が上記の「絵」。別にこの画像があるかどうかで事件の本質に迫ることに何の関係もないはずだが、視聴者が求めるのか。確かに、容疑者がどんな面構えをしているかは視聴者の関心ではあろう。であれば、警察が写真を提供できないのか。あ、容疑者だから警察の立場ではできないのか。

それにしても、正月早々、一枚の写真のため、大の男が何十人も集まって何十時間も費やす。「報道の仕事って何だろう」と、大崎の正月の平静をやぶった事件を目撃しての感想。
shikoku88 at 20:16|PermalinkComments(0)TrackBack(0)仕事 | その他

2012年01月02日

ソフトバンクの新30年ビジョン

ソフトバンク 新30年ビジョン
ソフトバンク 新30年ビジョン
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ナンノカンノ言っても世界で最も知られている日本の事業家。これは1年半前の株主総会で実施されたプレゼンですが、何しろ2時間もあるので、まだ見ていませんでした。ソフトバンクの孫社長が過去300年の人類の歴史を踏まえ、次の300年の変化を予測し、その中で自社の新30年ビジョンを明らかにする。必見です。

・2018年、コンピュータの持つ能力が人を超える(CPUのトランジスタ数と脳細胞数の比較)
・その後もコンピュータの能力は加速度的に高まる
・脳型コンピュータ(学習型)が生まれる
・最大のテーマは人類とコンピュータの共生

SBは「情報革命で人々を幸せにしたい」
・世界トップ10へ 時価総額200兆円
・特定のテクノロジー、ビジネスモデルに拘らない
・300年成長し続けるDNA=自立x分散x協調

最後に、孫社長が九州での貧しい在日韓国人としての生い立ちを涙ながらに語る場面があります。残飯集め、豚を飼い、闇で焼酎を作る。(実家がパチンコ店経営で成功するのはその後か?)その描写は姜尚中の『母(オモニ)』にある状況にとても似ている。孫社長が公の場で生い立ちを語ったのは初めてではないか。


shikoku88 at 12:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0)仕事 | イベント

2012年01月01日

69 sixty nine

69 sixty nine (集英社文庫)
69 sixty nine (集英社文庫)
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明けましておめでとうございます。

昨日、Queenを聞きながら窓を拭いたせいか、元旦の今日、初詣を済ませた後、正月休み用に借りておいたこの本に取り掛かる。

村上龍の自伝的小説。ほぼ実話で、登場人物にもモデルがいる。小説を読み、音楽を聴き、映画を見るのだけど、基本は目立って女にもてること。そのために、高校のバリケード封鎖までしてしまう。

何もそこまでして迷惑かけなくても、と思ってしまうのだが、それが10年間の時代の差なのだろうか?(村上龍は1952年2月19日生まれで私とはほぼ一回り違う) それとも、佐世保という土地柄のせい?

北九州を舞台に始まる、やはり自伝的小説といえば、リリーフランキーの『東京タワー』が思い出される。彼は1963年 生まれで私と同い年!村上龍が「祭り好き」で行動に出たのに対して、リリーフランキーは大分の高校に下宿で通って退廃的に過ごしたらしいから、やはりこちらのほうが時代的に理解できる。

さらに言えば、芦原すなおは1949年生まれで私とはさらに年齢が離れているが、『青春デンデケデケデケ』の世界には難解な小説も映画も、全共闘も出てこず、三作の中では一番「わが青春」に近い感じ。結局、時代よりも土地柄なのか?
shikoku88 at 19:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0) | 教育
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