2009年12月
2009年12月31日
元祖たこ判 小前(仁尾)
昨夕帰宅。
今回の帰省は子供たちも久しぶりに一緒だったので、以前からうわさに聞いていた「たこ判」に行ってみることにする。
元祖たこ判「小前」は、私の故郷の隣町、海に面した仁尾にある。現在では市町村合併で同じ｢三豊市」になった。
さて、この｢たこ判」とは、大判焼きの型でたこ焼きを焼いたもの。たこ焼き5,6個分が大判焼きの形で出てくる。たこ焼き好きの私にはタマラナイ。
外を焦がさず、中まで熱が通るため、焼き上がりに30分位かかる。あちこちで紹介されて人気のため、先約があると1時間待ちもざら。その間、店にある古い子供向けマンガを読んで待つのもいいが、常連さんはあらかじめ電話で予約している。
香川県民は毎食うどんを食べたりはしないけど、｢うどん巡礼」中の観光客が、途中、おやつに入れるのはいいかも。またしても、小麦粉だけど。(笑)
2009年12月30日
小豆島総括
久しぶりで行った小豆島。それも、今まで日帰りばかりで、宿泊してじっくり回ったのは初めてでした。
小豆島の魅力
・瀬戸内の風景（これは瀬戸内海どこでもだが）
・オリーブや醤油などの名産品
・今回紹介したような「感度の高い魅力的な会社やお店」の存在
ダメなところ
・統一感のなさ
という、言ってみれば、日本の観光地の多くに共通する問題でしょうか。大分の由布院の成功が有名ですが、ここの成功の最大要因も、「町全体の統一感」です。日本では個人の自由を履き違えてしまって、景観をまったく考えない家作り、街づくりになっています。なので、高いお金を払って、ヨーロッパまで旅行する。
小豆島の将来を考えるとき、観光しかないはずなのに、それさえ意識統一されてない。3.5万人の人口なのに、今回も「小豆島市」として統一できず、今も２町に分かれたまま。
島の東側では、大規模な採石が行われ、山が大きく切り崩され、大型ダンプが走り回っている。
この辺が改善されないと、隣の直島（写真）に勝てないでしょうね。直島の観光開発は1992年にベネッセハウスが完成してからの浅い歴史ですが、民間の一貫した統一したコンセプトで開発されているため、小さな島なのに、観光客数はどんどん増えています。（2008年35万人で20%が海外から）一方、小豆島は1973年の154万人をピークに、その後減少する一方。現在100万人まで減っています。
2009年12月29日
2009年12月28日
小豆島で唯一の酒蔵
昨日はオリーブ畑のほかにもイロイロ訪問。
その一つは、小豆島で唯一の酒蔵である森國酒造。小豆島には35年間造り酒屋はなかった。日本酒消費は戦後一貫して減り続けている。そんな中、新たに参入した人はどんな人で、どんな勝算あってのことなのか興味津々。
4年前に小豆島で新たに酒造をはじめた森国さんは高知の出身。奥様が高松の酒造メーカーの娘であったことから、その道に入ることに。酒造免許を新たに取ったのは四国で何十年ぶりのことであったらしい。
当然、「普通」に造ったのでは成り立たない。酒そのものを丁寧に造るだけでなく、「小豆島の酒＝森國」となるようにブランディングに力を入れたのは当然。
「ふふふ」「ふわふわ」「うとうと」「びびび」など、個性的なネーミングの酒。普段あまり日本酒を飲まない私ですが、四種類を利き酒してみたところ、「ふわふわ」に軍配。純米吟醸の一番高いヤツ。やはり、順当に値付けされてるんですね。
2009年12月27日
オリーブオイル 井上誠耕園
今日は小豆島にある、オリーブオイルで有名な井上誠耕園を訪問。戦時中に先々代が創業。現在は３代目の社長さん。
あらかじめ、東京の小豆島出身の友人から紹介を頂いていたので、社長に直接お話を伺う。
日頃から私が、「日本にはいい物を作る技術はあるのに、マーケティングが弱いので、安売りに走ってしまう」と嘆いているのは、本blog読者の方々がご存知の通り。
井上誠耕園さんでは、３代目の時代を読む感覚で、いち早く通信販売に進出。事業拡大されている。
こんな会社がドンドン出てくれば、小豆島も、そして香川も、四国も変わる。
国道沿いに新店舗が出来、分かりやすくなりました。ここで道を聞いて、山の中腹にあるカフェ忠左衛門でオリーブ畑を見下ろしながらお茶をするといい感じです。
2009年12月26日
吾割安
高松出張のたびにほぼ毎回利用しているのが｢平井料理システム」のお店。
今年最後の出張で昨晩利用したのは、平井料理システムの原点である吾割安。平井社長が25年前に最初に出店して大ヒットとなった、いわゆる｢レトロ居酒屋」のはしりである。
木造2階建ての古屋をほぼそのまま使った古ぼけたつくり。店の外にも中にも、古い看板やポスターが貼ってある。
高松でいつも会食させていただいている香川大学の先生と、地元で工務店を営む社長とその息子さん、それに今日はフランスから帰省中の私の高校の同級生も加わり、年忘れの楽しい会となった。
2009年12月25日
2009年12月24日
2009年12月23日
大学発ベンチャー
投資先の元取締役の方から連絡を貰い、家の近くでランチ。
この方、年初まで投資先である大学発ベンチャーの取締役を8年間されていた。当初計画どおりは開発が進まず、追加資金の調達が出来ずに大幅縮小を余儀なくされた。その結果、常勤役員は全員退任。
当時は、組織対組織ということもあり、また、財務担当取締役は別の方だったので、じっくり話すことが無かった。今日は出身地の話から、入社した経緯、当時の内部事情などイロイロ話が出来た。
大学発ベンチャーに8年関っての感想は、
「創業者がどう引いていくかが大事」
ということで、私もそう思う。
ベンチャーと普通の中小企業の違いは、ベンチャーは、「資金を含む外部の経営資源を取り入れ、なるべく短期間で、最大限の成長を目指す」ということだと思う。
よく言われるように、「会社は経営者の器以上に大きくならない。」
創業時に必要な経営者の能力と、発展期に必要な能力は違うので、本当は経営者が交代すべきだと思う。実際、米国のベンチャーは大半がそうしている。
ところが、日本では、創業者が経営権に固執するのと、プロ経営者が不足しているのと両方で、経営者の交代が起こらない。結果として、創業期を乗り越えた会社も売上10億円くらいから大きくならないケースが多い。有能な役員が何人か入って、｢経営陣」といえるチームが作れれば30億円くらいまでになって、市場環境さえ良ければ株式公開も出来るのだが、｢上場したときがピーク」という会社も多い。これも、次の｢組織化」に移行できないケースだといえる。
この壁を克服するには、�〃弍勅埃�身が成長するか、�∩反ゲ修僚侏茲觀弍勅圓妨鯊紊垢襪�、しかない。
米国には創業10年で売上100億円を超え、500億円、1000億円と成長する会社が沢山ある。一方、日本では楽天くらいか。その楽天さえも、日本ではダントツだけど、海外で通用するかといえば疑問。あくまで日本市場に特化したビジネスモデルになっている。
経済成長も、こうした個々の企業の経済活動の累積なので、小さな成功に甘んじて後は節税に勤しむ企業を罰し、成長を目指す企業を支援する政策は必要だろう。
行政による直接｢支援」はリスク、コミットメントを伴わないので、余り意味が無い。しかも、国･県・市町村でダブり、矛盾、不公平が起こりがち。これこそ、｢仕分け」すべきだと思うが。
2009年12月22日
青山ぼこい
昨晩は、香川出身者二人と青山で忘年会。
二人は広告･プロモーション業界の人。仕事が遅くなりがちなので、一番時間が自由にならない若手の職場近くで実施することに。
選ばれたのが、ぼこい。青山に店を出して38年なのだとか。お母さんに子供二人でやっている店。お母さんは80歳位かと思われるおばあちゃんで、9時半頃になるとスッと居なくなる。一人で他の店に呑みに行くのだそうだ。
こじんまりした家庭的雰囲気の店と、同郷出身者に心を許し、予算をかなりオーバーして終了。
2009年12月21日
自衛隊の戦車保有台数は多すぎる?
旧友と久しぶりでランチ。
普天間移転の話から、防衛問題全般に話が移っていったのだけど、実はこの友人「軍事オタク」だった。
「日本の戦車数知っている?」
と聞かれたが、勿論知らない。
米国、ロシア、中国は大陸国であり、多い気はする。
それは合っていたのだけど、日本の保有数は約1000台で、同じ島国のイギリスの600台と比べて（しかも海外派遣することはないし）多すぎる、という話。
これについては、イギリスの国土面積（日本の約3分の2）や人口（日本の半分）から考えると妥当かな、と思うのだけど、国土面積が日本の1.5倍あるフランスが800台というのは国防をどう考えているかの違いや、個々の戦車能力の違いかもしれない。
ま、専門家じゃないと判断難しいですね。
2009年12月20日
民主党は｢小沢党」か
海外の友人に出すChristmas Mailを書いていて、面白いことに気付きました。
なんといっても、今年最大の日本の話題は「政権交代」。（個人的には、学校始まって以来で、同窓会氏の表紙に日本人として掲載されたこと、ですが！）
それで、民主党の役職の英語名を調べようと民主党のwebを見てみたら、面白いことに気付きました。
日本語トップページ：ニュースの中に｢小沢幹事長」は一切無し
英文トップページ：ニュースの殆どが小沢幹事長について
英文ニュースの中身は、
| Ozawa meets unofficially with President Lee Myung-bak |
 Ozawa says bill giving vote to permanent residents likely to be submitted in next Diet session |
Ozawa meets with President Hu Jintao
等々で、表示されているLatest News10本のうち6本が小沢幹事長が云々で、鳩山首相に関するニュースは、ナント、1本だけです
相手によって見せ方を変えるのは政治の常とはいえ、発表内容まで変えてしまう。これ凄くないですか?
2009年12月19日
フランスのベンチャーキャピタリスト来日
フランスでVC投資をしている同窓生から、「Alumninewsを見たんだけど」と連絡を貰ったのが先月。投資先の販路開拓のため来日するということで、他の同窓生にも声掛けし、昨晩会食。
「日本食が大好き」ということで、いつもの波奈。忘年会のピークシーズンだが、8人が集まってくれた。
フランス人だが、ロンドンや米国、南アフリカでも働いたことのあるInternationalを絵に描いたような同窓生。ロンドン最高級の中華料理を始め、大成功して、後に売却。南アフリカでは政府相手のコンサルティング会社を経営し、これも成功裏にPwCに売却、という根っからの起業家。
少人数で大変盛り上がり、図らずしも同窓会の忘年会にもなった。
2009年12月17日
アンビションのない日本人
『ＩＴｍｅｄｉａエンタープライズ 』に「 大前研一の辛口ニッポン応援談（前編）」というのがあり、今日はこちらからの抜粋。日本は、アジアのリゾートにでもするしかないのか？それにしてもコストが高すぎるし。
「日本人は、明治以降、戦後20〜30年くらいまでは優秀だった。しかし今や学校は世界のどこに出しても恥ずかしい人間しか作り出さない。おまけに日本人は、ますます小さな幸せを求めて満足するようになってしまった。
留学もしたくない、海外にも赴任したくないと。入社したときに社長になりたいと思っている若いヤツは2割もいない。取締役になった人に聞いてみても、7、8割がこのポジションでいい、社長にまではなりたくないと答える。いままで日本人がこんなアンビションのないことはなかった。
松下幸之助なんか英語もできないのに世界に出掛けていった。ぼくが教授をやっている韓国の大学で見ていれば分かるが、アンビションの塊みたいな人間ばかりだ。
中国に行けば、韓国が生ぬるく感じられるくらい競争が激しい。一方、日本には世界のどこに出て行っても勝負するぞという気構えで育ってきた人間がほとんど見られない。
このアンビションの違いこそ、今後の日本を考えるときの最大の問題だろう。残念ながらこれを解決する手段はない。
会社としてはそういうアンビションを持った人、韓国人でも、オーストラリア人でも、インド人でも、そういう人材を雇っていくしかないんだ。アンビションのない人がマジョリティになると会社全体がよどむからね。
世界でもっとも安くて優秀な人間を採用して自分の会社に骨を埋めさせる。これがノウハウとして一番重要になるだろうね。」
以前にも書きましたが、この「世界の優秀な人間を使うノウハウ」が一番無いのが日本ではないかと思うんですけどね。やはり、英米が上手いかと。植民地経営の経験と、最大公約数的システム化のノウハウ。
2009年12月16日
長期国債価格の下落に備えて
昨晩、MONEXが定期的に実施している、「松本大とここだけトーク＠銀座」に参加。何人応募があったのか分からないが、限定10人である。
いの一番に質問したのは私。
先日も本blogに書いたとおり、日本国債の暴落が気になって仕方ない。なってからでは遅いので、投資家としては、最悪の事態にも備えるべきだろう。
それでこのところ国債暴落をヘッジできる投資商品を探していたのだけど、少なくともメインで使っているMONEXでは見つからない。これが米国債だと、NYSE上場ETFで、例えば、TBTという20年債のUltra Short（債券価格の逆に倍動く）が買える。
それで松本社長に直接聞いてみたところ、「現状無い。他社でもあるのは機関投資家向けの一口1億円の商品。ニーズはあると思うので、リンク債などで商品組成できないか検討する。」ということだった。
間に合うか?
2009年12月15日
少年H
少年H〈上巻〉 (新潮文庫)
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週末読んだのが、かってベストセラーになったこの本。この本の主人公同様、天の邪鬼の私は、どうも「１位」というのは避けてしまう。ドラマは見たけど。
それで今回読んでみての感想は、やはり面白い！
貧しいながらも、生き生きとした戦前の庶民生活。そして、変わることのない少年の葛藤を通しての成長。
当然、アマゾンのカスタマーレビューでも高評価されているのかと思っていたら、3.5位で意外と低い。
何しろ、「最も参考になった」トップ３が全て★1個。これほどトップ評価が低いのも珍しい。
理由はすべて、下記のようなこと。
「著者は現在から振り返った思い出ではなく、当時の記憶でこれを書いたというが、山中恒・山中典子著『間違いだらけの少年Ｈ』において、その虚偽を見事にあばかれた。しかも、その間違いは作品の根幹をも揺るがすもので、単なる訂正だけではどうにもならない。」
なんでも、
「実際は『昭和二万日の全記録5巻・一億の「新体制」』『昭和二万日の全記録6巻・一億の「太平洋戦争」』という年表から起こしたもので、年表の間違っている箇所と同じ箇所が間違っていたり、戦後明らかになったことがリアルタイムで描かれているので、描かれている事実関係やエピソードは創作だということを踏まえて読まなくてはいけない。」
ということです。（以上、Amazonより）
内容がいいだけに、これは惜しい。おそらく、記憶をたどって描くうちに、「間違いがあってはいけないから」と年表を確かめたんでしょうが、そのうちに、当時の記憶と、戦後知ったこと、年表で調べたことがごっちゃになっていったんでしょうね。
最初から、「これは（自伝的）小説だ」と言っておけば問題にならなかっただけに残念。同時期に神戸で育った野坂昭如がどう思っているかは『少年Hと少年A』で読めるようです。
2009年12月14日
2009年12月13日
鳩 vs. 鳩
鳩山由紀夫vs.鳩山由紀夫 自らの献金問題を厳しく追及！！
爆笑です。
民主党は野党時代、どうでもいいことで貴重な国会の時間を浪費させてきましたが、与党になると防戦一方ですね。
しかし、この「子供手当て」問題は大きいですよ。国は税金がなければ成り立ちません。従って、納税義務は国民の重大な義務です。それを、国を代表する総理大臣が、｢知らなかった。払います。」では済まされないでしょう。
本件もそうですが、日本では経済犯罪に対しての罰則が軽すぎます。基本は、損害を弁償すればすむので、「ばれたら払えばいいや」ということになります。欧米では罰則金が損害額の何十倍ということもあるので、「もし見つかったら大損だからやめておこう」となります。だから順法精神が強いとも言え、逆に、違法でなければギリギリまでやります。ウォール街の強欲主義というのもこの表れともいえます。
前首相が、毎晩ホテルのバーで酒飲んでいるとか、カップラーメンの値段を知らないとか、ほかに聞くことがなかったんですかね。｢庶民感覚」とか言ってましたけど、｢庶民」に一国の代表が務まるなら、くじ引きにでもすればいいですね。私としては、カップラーメンを自分で買っているような人に総理大臣をやってもらいたくないですが。
2009年12月12日
タイ投資セミナー
午後、「アジア代物流時代の投資法」なる、タイ投資セミナーに参加。
新東京シティ証券という証券会社が主催。全く聞いたことの無い証券会社なので調べてみたら、元々はFX業者で、行政処分を受けて廃業になるところを、タイに本拠を置くAsia Partnership Fund (APF)なる投資ファンドが買収したらしい。日本投資家しか向けの販売組織、ということなのだろう。
APFは他にも、2006年にはUnited Securities(タイ上場企業）、2007年にウェッジHLD（ヘラクレス）、2008年に昭和ゴム（東証2部)をそれぞれ買収している。
それはともかく、タイ投資の魅力に付いてなのだが、
・アジアの「中進国」として、しっかりした法整備と会計制度
・中国、インドの巨大国と、インドネシア、シンガポール、マレーシアなどの「海のASEAN」に挟まれた｢アジアの交差点」に位置する地理的条件
・世界屈指の農業国で、米の輸出量は世界一。最近話題の食料自給率では、ナント、200%である。これは、中国が巨大な食糧輸入国に転じた今、大変な強み。
ということかと自分では理解した。
帰ってきてから、株式市場全体の割高･割安の指標にしている｢株式時価総額とGDPの比較」をしてみた。株式時価総額は中長期ではその国のGDPに一致する傾向があり、「GDPの150%を超えればバブル、50%が底」と言われる。
タイ証券市場(SET)の時価総額はリーマンショック以前に戻っており（うらやましい!)約20兆円。一方GDPは$273B(約25兆円)なので、0.8倍。多少安いといえるだろうか。
試しにNYSEでETFを買ってみることにした。(THD)
2009年12月11日
ブラタモリ
「タモリNHKに初登場」
というステッカー広告まで山手線内に出していたので、NHKとしても力を入れているのだろうブラタモリ。そんなわけで、初回からみているのだけど、これは面白い。
「早稲田出身（除籍）のお笑い芸人」位の認識しかなかったけど、番組見て、その教養の深さに脱帽しました。同じく九州出身で早稲田、しかも卒業していると言え、東国原知事とは格が違います。
2009年12月10日
カワン・スタント（Ken Kawan Soetanto）先生
｢スタント･メソッド」で有名な早稲田のスタント先生の講演を一昨日の夜聞く。スタント先生の話を聞くのは、丁度1年前に、早稲田で講義を聴いて以来。
最近は、中国や故郷のインドネシアでの講演に引っ張りだこらしい。インドネシアでの子供時代、｢中国系」ということでいじめられ、中国語を公共の場で話すなど考えられなかった、という。
それが今では、中国語が外国語学習の第一人気。経済は中国無しに成り立たない。中国の影響力は確実にアジアに浸透している。
2009年12月09日
大衆民主主義の危険
昨日、『選挙の経済学』について書いたが、丁度、産経新聞に、「１２月８日」に寄せて 学習院大学教授・井上寿一 という記事があった。12月8日とは勿論、1941年の真珠湾攻撃の日。
その中で井上教授は、「対米開戦は大衆民主主義の影響」であることを指摘している。
【外交交渉を続ける東条のもとに「何をぐずぐずしているのか」と非難する投書が殺到した。ところが開戦後、首相官邸には「よくやった」と電話が鳴り止まなかった。東条は「大衆は自分の味方なり」と開戦決定に自信を深めた。他方で東条は大衆の拘束を受けることになる。】
考えてみれば、戦前、軍国主義への坂道を転がり始めたのは、日露戦争で賠償金が取れなかったことに怒った民衆が1905年日比谷焼打事件を起こしたことが転機であった気もする。
軍国主義を求めたのは「大衆」であったのだ。ヒットラーのケースも、選挙を通じて、正当な民主的手続きを経てナチス党が選ばれている。
このように民主主義が必ずしも良い結果をもたらすとは限らず、その仕組みの改善は常に必要だろう。
2009年12月08日
選挙の経済学
選挙の経済学 投票者はなぜ愚策を選ぶのか
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ある意味、政治的タブーに切り込んだ本。
「民主主義のパラドックス」として、人々が投票しているのにも関らず、殆どの人々に害となるような政策が頻繁に採用される、という現象が見られる。
考えてみれば、投票者は非合理的であり、非合理的なままに投票するのだから、当たり前といえば当たり前。投票者は、あるいは投票に行かなかった人は、自らの行動に対してその代償を払っているともいえる。
「民主主義の過大評価と市場の過小評価」がテーマとなっている。今日本では｢市場原理主義者」とのレッテル張りが盛ん。本当はもっと市場を有効利用しなければならないのに、「あいつは市場原理主義者だ」との一言で思考停止にしている。ナチスが、「ユダヤ人が全て悪い」としたのと同じだ。
日本でも、明治大正時代は一定以上の納税者にしか参政権が無かった。社会は納税する人がいて成り立っているのだから、納税額が一定以上の人に追加の投票を認めてもいいのではないか?例えば、納税額100万円以上に付き追加1票とか。
著者は、投票者に能力試験を課すことを提案している。(p377) 義務教育のレベルがドンドン低下しているので、これも必要かもしれない。ちなみに、英国では1949までエリート大学卒業生と事業主に複数票が認められていた、そうだ。
「第一に、市民というものは、働きかけてくる政治団体がなくても、政治問題に関しては、超合理的あるいは非合理的な偏見や衝動に負けてしまいがちである･･･。第二に、人々の論理的な面が弱くなるほど、そして、合理的批判の欠如が広がるほど、首切り斧を持った団体の思惑の余地は拡大する。」シュンペーター Capitalism, Socialism and Democracy
2009年12月07日
一身独立して、一国独立す
昨晩、NHKドラマ「坂の上の雲」2回目。今年は、大河ドラマ｢天地人」が早く終わり、坂の上の雲が先週から始まった。
兄の秋山好古が、弟の真之と子規に諭す。
これは、わしが一番尊敬している方が書いた本じゃ。「学問ノススメ」福沢諭吉先生じゃ。ここにはの、「一身独立して一国独立す」と書いてある。
身分制度が無くなり、誰にでも立身出世の道が開かれた明治時代。実際は、ドラマにもあるとおり、貧困の差は現在どころではなかった。
それでも一人一人が、誰に頼ることなく、誰のせいにするでもなく、新たに開けた新天地を目指す。
それから100年。国を当てにして生活する人、貰えるものは何でも貰おうとする人が増え、国債は戦争中並に増えてしまった。かっては外国との戦争に国費を費やしたわけだが、今は｢内戦」をしている、とも言える。
2009年12月06日
大人のための文章道場
大人のための文章道場 (角川文庫)
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長女が明日から試験ということもあり、週末は家と図書館で4冊読書。その一冊がこれ。
「インターネット上で使われる言語の8割は英語」と聞いたのは10年ほど前だったが、今では中国人ユーザーの激増で、英語は5割ほどに減っているとか。日本語ユーザーは約1割で余り変わらず。
他の言語ユーザーが増加する中で日本語が健闘しているのはblogやSNSの普及によるもの。日本人はカラオケで歌うのも好きだが、文章を書くのも実は好きなのだ。
ところが、困るのは、読むに耐えない、何をいっているのか分からない、読んだ後、「アー、時間を無駄にした」と思わせる文章。このblogもそうだ！と言われると困っちゃうが。
考えてみれば、学校で作文を随分提出したが、○が付いていたり、△が付いているだけで、ためになる添削が行われたことは本当に稀だ。
本書には、文章例と、そのどこが悪いか、どうしたら読みやすい、あるいは面白い文章になるか、が明示されている。悪文章は社会全体のムダ。悪文章追放のため一読を勧める。
2009年12月05日
不毛地帯
不毛地帯公式ガイドブック 上巻 (MOOK21)
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今週は、監査役を努める商社の株主総会があった。
いつも姿を現す、社員OBの方々が出席。既に皆さん70代となった、会社の高度成長を支えた人たちだ。
総会の後、現役役員との昼食会。
席上、初回から家族で見ている「不毛地帯」を話題にしたら、やはり、皆さん見ている、とのこと。
「俺なんか、もっとひどいことをしてたよ」
との発言も。これは、ドラマで、主人公が競争相手の入札価格を知るため、防衛庁の職員を買収して情報を入手したエピソードを意識してだろう。
誰もがより良い生活を目指して必死で働いた時代。経済も拡大していたから、「やれば結果が出る」ということで楽しくもあっただろう。
この世代の方々、流石、戦中戦後の過酷な時代を生き延びただけあって、今でも本当に元気。
2009年12月04日
2009年12月03日
野村食料資源コンファレンス2009
昨年に続き、第二回の食料資源コンファレンス。それまで野村は数年間バイオコンファレンスを行ってきたが、こちらは当面復活しそうにない。トレンドを作るのではなく、トレンドに乗るのが証券会社である。
今回の講演で注目されたのは、植物工場と野菜専門店とを一体化させた「生鮮野菜の製造小売店」を始めた�蠅澆蕕�や、農業経営の出来る人材育成を行い「社員」をドンドン独立させている（有）トップリバーなど。
トップリバーの嶋崎社長は、「政府の農家過保護が日本の農業をダメにした。一番悪いのはそれを求めた農家自体。」と手厳しかった。誰もが思いながら、なかなか言えないことをハッキリ言った勇気を称えたい。
2009年12月02日
三菱一号館
午後仕事で丸の内へ。
帰りに、以前から気になっていた、三菱一号館に寄ってみる。今年の春に再開発され、展示館は9月にオープンした。
三菱一号館は日本で最初のオフィスビル。同館は鹿鳴館などを手がけた英国人建築家ジョサイア・コンドルが設計。明治２７年の完工後、関東大震災にも耐えたが、昭和４３年に新ビルに立て直すため解体された。
これほど歴史的価値の高いものを、今なら解体など考えられないと思うが(これに比べればずっと価値の低い中央郵便局の解体にも鳩山総務大臣が直接口出しして止めたくらいだ)、当時の高度成長の｢空気」とはそういうことだったのだろう。
これを今回、家主の三菱地所は忠実に再現。今では日本で製造されていない赤レンガまで、保存されていたレンガを元に中国で焼いてもらったという。その数２３０万個!
今日は時間がなくて入れなかったが、明治時代の銀行店舗内部風に作られたカフェの雰囲気もよさそう。今度は休みにゆっくり来てみたい。
2009年12月01日
キッザニア
末娘の小学校が開校記念日で休み。｢91歳になった」らしい。
せがまれて、子供に大人気の「お仕事体験テーマパーク」キッザニア東京に連れていく。
消防士、キャビンアテンダント、モデル、医師など、 80種類以上のお仕事や習い事が可能。｢働く」とキッズと呼ばれる通貨が報酬として貰える。このキッズは顧客として館内のショップで消費することができる。
制服を着て、説明を聞く姿は真剣でほほえましい。 お姉さんの影響を受け、上より早く生意気になってきたが、外では大人しい。
9時の終了時間まで目一杯遊び、帰宅。いつもならバッタンキューだろうが、興奮して話している。
こちらは、娘が遊んでいる間することがないので、娘より疲れた。本でも持っていけばよかったと後悔。
