2009年06月
2009年06月30日
春宵十話
春宵十話 随筆集/数学者が綴る人生1 (光文社文庫)
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岡潔先生は1960年に文化勲章を貰った大数学者らしいのだけど、高校のときに数IIでつまづいてしまった私はこれまで知らなかった。
この本には、ドキリとするような話がたくさん（しかし重要な点について繰り返し）出てくる。
16:きょうの情緒があすの頭をつくる
情緒教育を怠る→大脳前頭葉が発育不良→衝動的＝動物性
この本が出たのは1963年なのだけど、まるで現在の社会的惨状を見透かしたかのような先見性
岡先生は繰り返し繰り返し、「このままでは日本は恐ろしいことになる」と警告している。82:義務教育は「道義教育」だけで十分
動物性の侵入を食いとめようと思えば、情緒をきれいにするのが何よりも大切。・・・学校を建てるのならば、日当たりよりも、景色
この一節を読んで思い出したのが、4年前ベストセラーになった藤原正彦氏の『国家の品格』。あの本の中に、「天才を生み出す土地の３つの共通点」というのがあって、その第一は「美の存在」であり、美しい土地からしか天才は生まれないという。
「数学をやる上で美的感覚は最も重要です」とは藤原氏の言葉だが、これはどの分野でも頂点を極めようとする人には必要なことだろう。
松岡正剛先生も「千夜千冊」で詳しく紹介している。
2009年06月29日
善通寺偕行社
金曜日から四国に来ている。初日夜は高松で会食。
土曜日は地元でお世話になっている高校の大先輩を詫間の自宅に訪ね、日曜日は午前中小学校時代の恩師をお見舞い。数年前から闘病されているが、かなり回復されているようで嬉しい。午後、その足で、多度津の伯母さんをお見舞い。やはり、自宅で術後の療養をされている。
香川で育った頃お世話になった先生や親戚のおじさん、おばさんも、皆さん70代、80代になっていて、鬼籍に入る方も増えている。機会のあるときには会っておこうと思う。
自分がそうなので人のことを言えないが、子供たちが皆都会に行ってしまい、老夫婦だけ、あるいは老人の一人暮らしになっている家が増えた。香川は昔から教育熱心だったが、「いい学校」に入れた結果がこれ。これでいいのか？
さて、その帰り、善通寺の「偕行社」に寄ってみる。
＊以下「偕行社かふぇ」から引用＊
「偕行社(かいこうしゃ)」とは明治１０年（１８７７年）に創立された陸軍将校の親睦及び学術研究を目的とする団体の名称です。
この団体が社交場として建設した建物にもその名が用いられたため、偕行社という名の建物は師団が開設された場所全てに存在していましたが、現存するものはとても少なくなりました。
明治２９年（１８９６年）善通寺町に開設された第十一師団は、日清戦争後の陸軍拡張期に増設された６師団のうちの一ヒトつで、「旧善通寺偕行社」は、第十一師団の将校たちによって明治３６年（１９０３年）５月１０日に竣工しました。
「旧善通寺偕行社」は平成１３年(２００１年)６月１５日に国の重要文化財となり、平成１６年（２００４年）から平成１９年（２００７年）まで、保存修理工事を実施し、創建当時の状態を基本に復元されました。
＊引用終わり＊
戦後は米軍に摂取され、米兵･豪兵の社交場として使われ、返還後は、市役所、公民館、郷土館として幾多の変遷。平成19年、ほぼ60年ぶりに元の姿に復元された。
カフェが併設され、週末にはお見合いパーティーをやっているらしい。地方の少子化は深刻。
2009年06月28日
日本食レストラン海外普及推進
世の中には、「こんなものまで」と思うくらい、様々なNPOがあるが、こちらはキッコーマンの茂木会長が理事長を務めるチャンとした？NPOらしい。
日本が｢失われた10年」で沈んでいる間に、そんなことには関係なく、海外での日本食はドンドン普及してきた。
海外にある日本食レストラン数の推定は2万〜2.5万店舗。米国については、1995年に約4000店であったものが2005年に9500店と10年間で2.25倍に増加している。（農林水産省推計)
海外の日本食レストラン数
北米 約10000店
アジア 約6000-9000店
欧州 約2000店
中南米 約1500店
オセアニア 約500-1000店
ロシア 約500店
中東 約100店
日本食が｢好き」と答えた割合が多かった国
�．織�(99%) �∧胴�(81%) ��ロシア(79%)
これを見ると、北方領土交渉なんかも、日本食と柔道のソフトパワーで理解を得られないかと思いますね。
2009年06月27日
上場廃止
四国の上場企業は現在46社。香川21社、愛媛12社、高知8社、徳島5社。この数には、本社機能が東京に移されて長年たっているユニチャームやNIS(共に愛媛で創業)も含まれている。
全国の上場企業数は約4000社（新興市場含む)。四国のGDPは12兆円で日本全体の約2.5%。この割合から言えば、100社くらい上場していてもいいのだが、勿論、上場企業は東京に集中している。
最初から少ないのに、このところ上場廃止が増えている。昨年は加ト吉がJTの完全子会社となり上場廃止。今年決まっているだけでも、
パワーアップ(松山) 上場2.5年で創業社長がTOB
四国コカコーラ(高松) 親会社の日本製紙がTOB
カナック(高松) 親会社の協和エクシオがTOB
イチヤ（高知） 業績低迷で上場廃止基準に抵触
ナカイ(徳島) 地元のドラッグストアのアクサスがTOB
と言った具合。
この他に、セシール(高松)もフジテレビの親会社であるフジ・メディア・ホールディングスの子会社がTOB中で、完了後、グループ内の通信販売会社ディノスとセシールを合併させる計画。上場廃止の可能性がある。
親子上場は資本のねじれが生じやすく、解消のため上場廃止は仕方ないと思う。それはいいのだけど、新規上場が出ないのでは経済が活性化しない。
これは四国だけでなく日本全体にいえることなのだけど。ジャンプの前の「しゃがみ」であって欲しい。
2009年06月26日
ブランドは土地に宿る
先日、中小企業庁経営支援課長の岸本様の「海外市場開拓支援プログラム」についての話を聞く機会あり。
中小企業の海外市場開拓を支援している方なのだけど、資料の中に「ブランドは土地に宿る」というのがあった。
著名ブランドの多くが、ロゴの下にENGLANDとかPARISとかLONDONとか本店の都市名や国名を入れている。
ブランド成立の一つの要素として、それが設立に至った背景としての地域は重要だからだろう。そこには地域の文化や歴史が反映されている。
日本でブランドが育たない一つの理由はここにあるのかも。JAPANブランドが言われるようになったが、もっと地域を前面に押し出したブランドがあっていい。
2009年06月25日
万年最下位?
株主総会が続く。
今朝は10時からと11時から。11時のほうは外部株主私だけなので、1130の到着まで開始を待ってもらった。(笑) 両方とも未公開で、両方とも厳しい決算。
さて、今朝の産経新聞に面白い記事が。元外交官で、現在立命館大学客員教授の宮家邦彦さん。
東京六大学野球で毎年最下位のチーム（宮家さんの母校）でも、一部リーグ制だから｢花の六大学」から外れることは無い。この状態をG7に例え、
「思い返せば、G7は東京六大学リーグであった。日本は、内政に忙殺され国際的役割を十分果たせなくても、まがりなりにも『G7の一員』としてとどまることができた。その理由は、G7が一部リーグ制だったからではないのか。」
「これに対し、G20はサッカーのJリーグと同じ二部リーグ制だ。J1の最下位チームはJ2のトップと「入れ替え戦」を戦わなければならない。」
「果たして今の日本はこの入れ替え戦に勝てるのか?」
中国やインド相手に今の日本が勝てるのか? 現実は厳しそうである。
2009年06月24日
山のふぐ
投資先オプティマ･フーズの試食会を東京で実施。
このふぐ、愛媛県の山の中で育つ。地下水を汲み上げ、オゾン殺菌して、そこに必要な塩分を加えた水で飼育する。水槽は外部から閉鎖された建物の中にあり、泳ぐプールで四六時中運動しながら育つ。
このため安全、安心で、身が引き締まっている。これを｢身が固い」と感じる方も居るようだが。
一般的な海面養殖であれば、海に生簀を作り、その中で育つので、「コストが安い」というメリットがある一方、外部から入ってくる病気からふぐを守るために、薬品を使わざるを得ない。このため体に悪いという説もあり、また、海の汚染にもつながる。
さらには、珍重される天然ふぐも海で育っているのは同じなので、海水の汚染の影響を受け、カドミウムや重金属が必ず検出される。清涼な地下水で育つ｢山ふぐ」は汚染から無縁で飼育される。
このような特徴を持つ｢山ふぐ」だが、ブランド確立はこれから。このふぐを使ってみたい！という料理人を待っている。
2009年06月23日
健康診断で、初めて「びらん性胃炎で精密検査」に。2009年06月22日
Survival Guide Session
LBS日本同窓会では毎年この時期に、9月入学でこれから渡英する新入生のためにSurvival Guide Sessionなるものを開いている。
10年近く前から代々の現役学生が書き加えたSurvival Guideをテキストに、ビザの取り方（これが一筋縄ではいかない）、住居の見つけ方、そしてガイドの題名にもなっている「学校での生き延び方」ナドナドを最近の卒業生が説明。
MBAに入る女性の一人から、「日本のシャンプー持っていった方がいいですか」にはズッコケましたが！でも、女性にすれば大問題なんでしょうねー。
でも、「なんとかなるさ」とともかく現地に行って、至れり尽くせりの日本では体験できないことを経験するのも留学の醍醐味だと思います。
2009年06月21日
Brillia Mare 有明
不動産情報最大手HOME'Sで、2008年新築分譲マンション部門で人気全国第一位だったというBrillia Mare 有明に、家族ぐるみでお付き合いのある一家が引越し。昨夕見学に行かせて頂いた。
3時に犬の散歩を早々に済ませ、大崎駅からりんかい線国際展示場まで13分！新線で値段は320円と高いが、あっという間。りんかい線沿いの通学･通勤なら便利。
駅からすぐの大きな歩道橋に上ると、ほぼ正面に巨大なマンションが。33階建ての高さ自体はよくある高層マンションだが、敷地が大きい。全戸数が1085戸だとか。
最上階には、バー、ジム、プール、スパ、セラピーブース、屋上テラスの共用部分。ここで何年かぶりで泳いだ。
水泳後、バーで会食。部屋を予約し、飲食物は持込可。
やはり最近のマンションの設備は素晴らしい、と感動。
2009年06月20日
日本馬頭琴協会
![想(おもい) [ハスローと仲間たちによる馬頭琴の新世界]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51ZblPnSlPL._SL160_.jpg)
想(おもい) [ハスローと仲間たちによる馬頭琴の新世界]
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知り合いの娘さんが馬頭琴の奏者。師匠の頼（ライ）・ハスローさんと演奏すると言うので、日本馬頭琴協会の懇親会に呼んでいただく。
馬頭琴をナマで聞くのは初めて。音色はチェロに良く似ている。幅広い音色の表現が出来ることに驚いた。
演奏後、馬頭琴を見せてもらうと、絃はナイロン糸の束で出来ている。昔は馬の尻尾の毛だった、ということだが、ナイロンのほうが丈夫で大きな音が出るらしい。弓の絃は今でも馬の尻尾の毛を使っている。
ハスローさんは内モンゴル出身で、モンゴル政府から文化芸術勲章を授与された唯一の外国人(中国人)馬頭琴奏者であると言うこと。
2009年06月19日
2009年06月18日
ベンチャーを支援するベテランの会
日経産業新聞フォーラム「企業再生を実現させるM&A戦略を探る」に参加。新しい日経新聞本社の中の日経ホールで。
今回のお目当てはJVC・ケンウッド・ホールディングスの河原会長&CEO。元々東芝の技術者で、若いときは原子力発電所の制御ソフトなどをやっていたらしい。最後は常務まで勤めて退任。
普通なら、「これで悠々自適」というところだろうが、そこから外資投資ファンドのリップルウッドの顧問になり、2001年日立から日本コロムビアを買収。その音響部門であるデノンと、Philipsが持っていた日本マランツをD&Mホールディングスに統合。2002年には経営危機に陥っていたケンウッドの社長に就任しV字回復を実現。2008年には日本ビクターとの経営統合を行っている。
「次世代に負の遺産を残したくない」というのが信条ということ。かって日本経済の高度成長のとき、輸出で外貨獲得を支えたAV業界だが、デジタル化による差別化の難しさ（部品さえ買ってくればある程度の品質）の中で、アジアの低価格製品と、iPodのような全く新機軸の商品の板ばさみで瀕死の状態であった。
仕事の傍ら、「ボランティアで2001年から続けている」というのがベンチャーを支援するベテランの会。大企業の経営経験者がベンチャー経営者にアドバイスを行うもの。
会社は成長していく過程で、よく似た問題を抱えることが多い。それをどうやって克服したかの実体験は貴重。日本のベンチャーは成長力で米国ベンチャーに大きな差をつけられている。成功したところでもせいぜい売上数百億円止まり。大半は数十億円の売上で上場した後、成長が止まっている。
日本経済にインパクトを与えるためには売上1000億円を超えるような大企業になるベンチャーがもっと出なくてはならない。「ベテラン」達の活躍に期待。
2009年06月17日
Be yourself -- more -- with skills
なぜ、あなたがリーダーなのか? (ADL経営イノベーションシリーズ)
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Bond MBAコースに在籍している方から、起業家コースでの課題のため、「ベンチャー経営者を紹介してくれ」と頼まれ、創業のとき支援したオンラインゲーム会社へ。「クリエーターのための理想郷をつくることが目的で、上場を目指さない」ということだったので個人で関わった先。
同席して、改めて創業時代からの話と、そのモチベーション、経営手法を聞いた。
こういうインタビューをすると、「どうしたら成功するか」という点に話が行きがちなのだけど、これはかなり難しい。
いろんな性格、スキルを持った経営者が居て、それぞれに成功している。同じタイプの経営者でも失敗した人も居る。勿論、統計的に見れば失敗する人のほうが圧倒的に多い。
それよりも、｢失敗にはパターンがある」というのがVC業界に長年居ての感想。例えば、「キャッシュフローに疎い会社は潰れる」というのはどの会社にも共通していて間違いないだろう。
ベストセラーになったレオス藤野社長の『スリッパの法則』も、｢ダメな会社の特徴」であり、「これが揃えばGO」ではない。
強いて言えば、LBSのRob Goffeeがリーダーシップ論で言っているように、「自分の強みを生かして でもスキルは身につけようね」と言うことじゃないかと思う。
2009年06月16日
本能寺の変 427年目の真実
本能寺の変 四二七年目の真実
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明智光秀の子孫がサラリーマンをしながら長年抱いていた歴史的疑問を、膨大な時間を掛け、直接一次資料に当たって解きほぐしていく。
そこから導かれた結論は・・・これまでの定説を覆すもの。その「通説」とは光秀を討ち取り天下を取った秀吉が作らせた勝者による「都合のいい歴史」に過ぎなかった。
大きな謎
１．謀反の動機
当時の日本を代表する武将が個人的な感情や好き嫌いで衝動的に重要な意思決定をしたのか?
２．なぜ信長はあれほどに無警戒で本能寺にいたか？
３．なぜ光秀は本能寺の変をやすやすと成功させ得たか？
４．家康の安土城訪問とその後の上洛がなぜあれほど無警戒だったのか？
５．光秀の政権維持策
６．本能寺の変の後、急遽堺から三河に戻った家康のとった行動
７．秀吉の｢中国大返し」がなぜあれほど成功したか?
私は本を読んで、｢真実はこれしかない！」と納得してしまったが、歴史家による議論を待ちたい。そして、歴史書も書き換えられなくてはならない。
考えてみれば、「勝者による都合のいい歴史」はこれ以外にもありそうだ。歴史を大切にする国は、末来を大切にする国でもある。
2009年06月15日
業界No.1は社内競争
今晩のカンブリア宮殿はABCマート。
靴小売No.1。業界No.1の会社が緊張感を保つには社内競争が必要。
野村證券然り、(かっての)リクルート然り。圧倒的に強い会社は競合会社よりも社内の競争に敏感。それも足の引っ張り合いではなく、部署ごとに、店舗ごとにチームで競争する文化がある。
2009年06月14日
小説家という生き方
花狂い (ハルキ文庫)
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昨日は毎年恒例の「丸亀高校 東京同窓会」の総会。
毎年、「幹事の代」というのがあって、卒業年次で順繰りに総会の幹事役が回ってくる。総会に先立ち、｢特別講演」なるものがあり、これもその代の卒業生が行う。
昨日の講演は、NHKに勤務しながら、小説を書いている廣谷鏡子先輩の「小説家という生き方」。25歳で始めて応募した作品が著名文学賞の最終選考まで残り、「私もこれで小説家」と信じ(笑)、それから毎年出品するのだが、『不随の家』で第19回すばる文学賞を受賞するまでは10年掛かったと言う。
「小説家に必要なものは？」という会場からの質問には、「感性も大事だが、技法を心得てないと長年は続かない」ということ。
また、｢夢をかなえるには?｣との質問には、「夢を口に出すことが大事。周りの人がそれを覚えてくれていて、チャンスを与えてくれる。」ということでした。
一冊も読んだことがなかったので、今日借りて読んで見ることにします。
2009年06月13日
赤れんが庁舎
札幌二日目は晴れ。もう6月だが「五月晴れ」という感じで本当に気持ちがいい。
札幌の魅力はコンパクトな市内。ホテルは駅の隣だし、徒歩5分で緑の多い赤れんが庁舎（北海道庁旧本庁舎）に行ける。10分歩けば、大通公園。これは、やはり、街の設計が欧米の影響を受けているのかと思ったが、明治に都市計画を行った時、実は京都の街並みを参考にしたらしい。勿論、それは元はといえば唐から来ているわけだが。
午後からは仕事なので、赤れんが庁舎と時計台に絞って訪問。両方とも、これまで中に入った記憶が無い。
赤れんが庁舎内の展示では、樺太関係資料館と北方領土館が北海道らしくて興味深かった。北海道はアジアからの旅行客に特に人気と言うことで、市内の主な観光地には日本語に加え、英語、韓国語、中国語の表記がある。観光の合間に、彼らが殆ど知らないと思われる北方領土の歴史と旧住民の悲劇を知ってもらいたいものだ。
2009年06月12日
2009年06月11日
アーバネットコーポレーション
JASDAQ上場の表記会社に面談。
「この時期にマンションデベロッパー?」と思ってしまうが、話を聞いて見ると、流石、この業界に長年建築士としてかかわってきた服部社長が満を持して設立し、創業10年、上場準備2．5年で上場した会社だけに、そこには様々な工夫がある。
・都心の駅近に専念
・高いデザイン性
外観はシンプル、部屋は機能的、エントランスに芸術作品
・小規模経営
基本的に一棟売りで、自社の営業マンを持たない
→売上100億円で社員42人！
現状、銀行融資が不動産開発につかない状況で、今は在庫が市場からなくなりかけている状態。
建築の芸術性アップと、若手芸術家発掘・支援のため2001年から行っているArt Meets Artchitecture Competitionは、応募できるのが学生のみ。彫刻対象で学生のみ、という大会はこれしかないそうで、彫刻家を目指す学生に大きな刺激になっているとか。
優秀作品はそのまま買い取られ、アーバネットコーポレーションのマンションに永久展示される。
2009年06月10日
漬物日本一
漬物会社唯一の上場企業ピックルスコーポレーションに会う。
売上185億円、経常4億円は漬物会社トップだろう。親会社が「きゅうりのキューちゃん」で有名な東海漬物。今は子会社の方が大きい。
売上の6割がIYグループ向け。7-11の漬物はほとんどここらしいのだけど、求められる品質の高さ、コスト削減の努力はスゴイ。
先日、カンブリア宮殿でIY鈴木会長の話を聞いた時も思ったが、消費者は確かに勝者だが、ついていく納入業者は大変だ。
思いつく対策：
1.同業M&Aで対顧客価格交渉力強化
2.新規顧客の開拓による顧客の分散
3.高付加価値化（会社ブランド＆商品）
4.ノウハウを売る
2009年06月09日
自転車界のユニクロ
久しぶりでTV12｢ガイアの夜明け」を見る。
というのも特集が自転車だったからで、乗り物の中で一番好きなのは実は自転車。
何しろ田舎で育ち、公共の交通機関はなかったので、子供が遠くへ行こうとすれば大人に車に乗せてもらうか、自転車で行くしかない。いわば、自転車は｢外の世界への架け橋」のような存在だった。(やや大げさ)
中学校、高校と自転車通学。高校生の時には、修学旅行用に積み立てていたお金で修学旅行に行かずにロードレーサータイプの自転車を購入。実は、積み立てていたお金だけでは足らずに、中学のとき買ってもらった一眼レフを処分したのは後々まで秘密にしていた。
その自転車で、冬休みに南九州を一周したっけ。
ところで、今、日本で一番自転車を売っているのは、「あさひ」だそうだ。売上216億円、経常利益26億円（2009/2)。店舗数180。ネット通販も行っており、その強力な販売力を背景に、中国、台湾へ独自のＰＢ自転車を生産委託している。
売上は2年で1.5倍に、利益は倍増している。不況全く関係なし。というより、不況で自転車が見直されている側面もあるようだ。
最近余り乗ってなかったが、また乗りたくなった。
2009年06月08日
中国市場をめぐる日米の因縁
昨晩のNHK「ＪＡＰＡＮデビュー第３回 通商国家の挫折」は、明治から大正、昭和にかけ国家と一体となり経済の屋台骨を支えた三井物産の物語。
150年前、西欧列強がアジアの植民地化を争っている中、国際デビューした明治政府のテーマは｢富国強兵」。輸出によって｢富国」を実現しようとした日本を国家と一体となり支えたのが三井物産であった。
ペリー提督が来日して開国を迫った背景には、米国の中国進出の野望があった。当時、1840-42年のアヘン戦争で勝利した英国は香港の割譲を受け、そこを拠点に勢力を伸ばしていた。
「このままでは最後に残された巨大な植民地候補を逃してしまう」と焦った米国が、中国進出の中継地にしようとしたのが日本。1858年日米修交通商条約締結で日本開国に成功した米国だが、まもなく(1861年)に南北戦争が始まり、この米国史上最悪の戦争（戦死者数62万人は米国が関った戦争でダントツに多い。WWIIで32万人、あれほど政治問題になったベトナム戦争で5.8万人）でそれどころではなくなる。
戦争から立ち直り、再び中国市場を窺うようになった頃には、イギリスはじめ、フランスはインドシナを、ドイツは遼東半島を、ロシアは東北地区を植民地化したあとだった。それでも、東北地区に、米国製の厚手の綿布の市場を見つけ、輸出を伸ばすのだが、この市場を三井物産にインド産綿布で奪われてしまう。
明治以来の軽工業製品の輸出で資本を蓄積した日本は、いよいよ重工業に進出。ここで必要になるのが、燃料としての石油。同時に軍艦の石炭燃料から石油への切り替えも進み、石油は産業にとっても軍隊にとっても無くてはならない戦略物資になる。
これを確保しようと、三井物産は満州で石油掘削を試みるが失敗。次は、オランダ領スマトラ島のRoyal Dutch Shellから買おうとし、殆ど話がまとまっていたのに突然打切り。実は米国が裏から手を回していた。
その後、現地企業を隠れ蓑に、石油資源を国有化したメキシコからの買い付けに三井物産は成功するが、程なくしてこれも米国からの圧力で中断。
ABCD包囲網で追い込まれた日本は、ついには自力で石油を確保すべく大東亜戦争を始めてしまう。
現在の中国市場をめぐる世界の関心と、その脇に控える日本の立場は、そんな戦前の状況に似ている?
(NHKでなくては出来ない、丹念な取材に基づく番組でした。再放送を見たい。)
2009年06月07日
イリス150周年−近代日本と共に歩み続ける或るドイツ商社の歴史
昨日朝、雨の中、横浜美術館で開催されている表記展へ。
「イリスは1859年に「Ｌ．クニフラー商会」として長崎・出島で創業しました。同じ年の横浜居留地開設に際しては開業第１号の外国商社となり、福沢諭吉がその頃のクニフラー商会を訪れています。当時は銃器、船舶、織物などを輸入し、土佐藩の後藤象二郎、岩崎弥太郎などとも取引を行っていました。その後事業の発展と共に神戸、大阪、築地に支店を開設。横浜には関東大震災まで所在し、幕末から明治・大正期にかけて急速に近代化する日本の中で、水道、港湾建設、橋梁、鉄道、軍事、紡績、製鉄など、多方面にわたり設備と技術を提供し、大きな実績を残しました。イリスは両世界大戦に挟まれた時期も発展を続け、戦後もいち早く復興し、今日もハンブルクと東京を中心として世界各地に展開し、高度な生産設備とエンジニアリングを提供しています。」
福沢諭吉が買ったのは、「蘭英会話書」。つまり、それまで長崎で学んだオランダ語の時代ではないことを悟った諭吉は英語を学びたいと思い、英蘭辞書を買い求めたのがこの商社の店。
土佐藩との契約書も展示されていたが、最初の取引は、「土佐の樟脳と、ドイツ製ライフル銃とのバーター取引」。こうして土佐藩は軍備強化を図ったわけだ。
戦前BOSCHの日本総代理店を勤め、BMWのバイク輸入も行っていたそうだ。
今年は横浜開港150周年。他の関連行事にも期待。
2009年06月06日
Connecting the dots
金曜日朝、月に一回の朝食勉強会。
今朝のスピーカーは、2001年カンヌ国際映画祭短編部門パルムドール(最高賞)受賞「Bean Cake/おはぎ」を受賞したさかはら あつしさん。監督は彼の友人のDavid Greenspan、出演はSAYAKA。
今回のテーマは「スティーブ・ジョブズは『点と点は繋がる』という。
じゃ、 一体、どうすれば、『点と点は繋がる』のか」
中身は彼の半世紀であり、その波乱万丈の人生から得られた教訓。イロイロ面白い話があったのだけど、自分にとっては、
・(あれこれ考えず)兎に角、前向きにやってみること
・「なんか違う」と感じたら軌道修正
・一流を目指すなら、それぞれの世界の｢本場｣で鍛える
ということかな。
2009年06月05日
レバレッジ
昨日は朝一から、大阪の投資先社長が来社。追加投資が必要。この環境下で、大幅なダウンラウンドは避けられない。事業はほぼ計画どおり行っているのだから応援したい。
終了後、健康診断へ。体重を測ったら、ナント、3kg減っている。どおりで、最近久しぶりに会う人に「瘠せたね」と言われるはずだ。元々「やせ気味」なのがただの「ヤセ」になった？
終了後、六本木ヒルズへ。Roy'sでバイアウト・ファンド運営者とのランチ。レントゲンが混んでいて検査にいつもより長くかかり約束に遅刻。10年近く前、最後にハワイに行ったとき本店で食べた気がする。マヒマヒを注文。
バイアウトのモデルは、投資先のB/Sを大きくしていくVCと違い、基本的には負債を利用して買収し（財務レバレッジ）、同じB/Sの中で負債をキャッシュフローで返済し、自己資本を増やしていく。
事業環境のいい時は、段々とレバレッジが増え、一時はD:E=4:1という案件もあったようだが、現在は1:1が基本とか。レバレッジをかけた方が投資家はupsideでより儲かるのでレバレジッジをかけたがる。失敗すればゼロになるのは同じなので、経済原理的にそうなる。
この辺り、投資銀行の破たん原因と同じなのだけど、実は、損の大半をこうむったのは投資家で、投資商品を組成し、販売した投資銀行ではない。今年に入ってからの（生き残った）米投資銀行の収益は過去最高水準になっている。
2009年06月04日
飲食業態開発日本一
上場企業シリーズが続く。
昨日会ったのは、ダイヤモンドダイニング。飲食店で上場できるのは「当たった店をチェーン展開したところ」というのが常識だが、一業態での出店には限界があるので、上場後早晩に成長が止まり、さらにそこであせって展開した新業態が失敗して業績悪化、というパターンは多い。
例を挙げれば、そば居酒屋「高田屋」を展開しているタスコシステム（昨年末上場廃止)、ちゃんこ料理チェーンの「江戸沢」(グローバルアクトに吸収され、再生中)など。
ダイヤモンドダイニングは一号店となったVAMPIRE CAFE（2001/銀座）から100店舗に拡大しているのに、1店舗1業態！店名がユニークで、「ベルサイユの豚」(笑)、「腹黒屋」などなど。
飲食店に勤める人は、10人中9人が独立志向。実際に独立するのは10人に1人で、成功するのはその内10人に1人。ダイヤモンドダイニングは会社の出店ノウハウを使いながら、自分の好きな店が出せるので、退職率は業界平均に対し非常に低いと言う。
出店は殆どが｢居抜き」で出店コストを抑えるなど、規格の決まったチェーン店では出来ない工夫もある。毎回、業態開発をするというのは大変だと思うが、それが当たり前になれば、大変な競争力となる。
飲食業界の革命児。
2009年06月03日
TOKYO AIM
株式市場が低迷すると新規上場も減る。同じ会社であっても、時期によって公募価格が倍以上違うので、株価が安いと既存株主にとっては不利になってしまう。
昨年の新規上場企業数は49社。今年は20-30社といわれているので、(元祖)バブル崩壊以降の最低記録26社(1992年)を抜くかもしれない。
「成長企業に資金調達の場を与える」という株式市場本来の役割を果たしてないのだから、これは深刻。
東証が起死回生で打ち出したのがTOKYO AIM。「また新市場?」という感じなのだけど、これはロンドン証券取引所で成功したモデルをまねている。その肝はNomad制度。取引所が指定した証券会社等が会社の適格性を判断し、上場後もその維持を図る、というもの。上場する時は厳しいが、上場後監視体制がおろそかになる、というこれまでの欠点を補うもの。
またNomadが一貫して責任を負うことにより、内部統制報告書(J-SOX)や四半期開示を不要にするなど、上場企業の負担軽減を狙っている。
参加できる投資家を一定以上の資産と経験を持った「特定投資家」に限定することにより、自己責任の徹底を図る。Nomadには証券会社数社が名乗りを上げたようだが、上場企業はまだ。
VCが投資したものの上場できない投資先企業は数千社あると推定され、上場予備軍には困らない。後は、適正な価格と流動性が確保できるだけの特定投資家が集まるかどうか。
2009年06月02日
日本最大の不動産・住宅情報ポータルサイト
日本最大の不動産・住宅情報ポータルサイトを運営する?ネクスト(Mothers2120)と面談。
昨年は取引先の不動産会社が毎月のように倒産する事態でこの3月期は減益になりましたが、今期は、前期の先行投資（広告宣伝・営業マン増員)の効果が出て、利益3倍増を計画しています。
1995年のインターネット黎明期から不動産に特化したサイトを運営。不動産情報会社としては、消費者向けに圧倒的実績のあったリクルート、業者向けでシェアトップのアットホームを抑え、情報提供がインターネットにシフトするなかで第一位に!
一度差が付き始めると、ユーザーはもっとも情報の多いところに集中するのがネットビジネスでは顕著。「この不況は圧倒的な差をつけるチャンス」と意気込んでました。
2009年06月01日
Elaine到着
日本語学校に通う香港人のElaineが昨日到着。来春まで滞在予定。
これはボーダレスハウスが新たに始めたサービスで、これまで「ボランティア」「長期」「子供の居ない夫婦」が多かったホームステイに、「報酬あり」「一日から」「子供の教育のために」という観点で、ホームステイをしたい外国人を斡旋するもの。
海外ではよくあるパターン。ホームステイした日本人が期待していたら、相手は報酬が欲しいだけで、食事は粗末な上に交流も一切無かった、という苦情も良くあった。
ボランティアベースのホームステイも勿論これからも続くだろうが、語学学校に通う学生まで入れると、それだけでは賄えない「下宿」需要がある。これはニーズあると思う。
