2009年03月
2009年03月31日
Heart to Heart
技術者派遣の先駆者アルプス技研の創業者、 松井利夫最高顧問の講演に出席。
最近問題になった単純労働登録者をニーズに応じて比較的短期間、工場現場へ派遣するのと違い、正社員技術者を機械・電機・電子分野の開発、設計、試作に比較的長期間にわたり派遣する。派遣期間中も派遣されずに待機している間も正社員であるから給与は変わりなく払われる。つまり、稼動しないリスクは派遣元であるアルプス技研がとることになる。
創業来40年、3度の苦難があったという。まずは創業期。そしてオイルショック。最後はバブル崩壊後の厳しい環境の中での株式公開準備。その話は上記リンクにある。
長年コツコツと会社を発展させてきた中から生まれ出た経営哲学が感じられるよい講演だった。淡々と話されるが、新潟人らしい粘り強さ、芯の強さがにじみ出る。
｢本質を突き詰めていくと、どうしても厳しさが出る」
「後継社長は、結局はやらせて見ないと分からない。なので、常に候補を。」
「社会が豊かになり、成長に必要な『悔しい思い』をすることが少なくなった」
アルプスの特徴ある社員研修の内容は昨年のカンブリア宮殿で語られてます。
2009年03月30日
NTT.COMがデジタルフォレストを買収
高松で創業されたアクセス解析の会社デジタルフォレストが本日をもってNTTコミュニケーションズの子会社となった。
NTT(.com)のような大企業が、ベンチャーを買収する初めてのケース。
救済型の吸収合併はこれまであったかもしれないが、
・株式取得による子会社化
・DFは増収増益であり目先の不安があるわけでない
・それでも同市場の発展を見越し、ntt.comがVBを適切な評価で買収した
という意味で画期的だと思う。
日本のVCはこれまでIPOに収益を過度に依存しており、その結果、株式市場が低迷すると投資活動も低迷。過去3年間の年間VC新規投資額は、
2800億円→2000億円→1000億円(2008年)
と激減している。今年はこの調子だとさらに半減しそう。
この流れを止めるためには、米国同様、EXITの大半をトレードセールに変える必要がある。これまで、日本の大企業は、「自社で開発可能」という理由で、（実際には開発途中であったり、着手さえしてなくても)VBの取り込みに消極的だった。
一方、米企業はVBをドンドン買収し、成長を続ける会社が多い。これは、VBに投資していた起業家、エンジェル投資家、VCにIPOに依存しない資金回収の機会を与え、回収された資金は次のVBに投資されるというリスクマネーの循環につながっている。
この買収が、ベンチャー業界の流れを変え、さらには日本経済の活性化につながらんことを。
2009年03月29日
夢はでっかく根はふかく
休日の午後、有楽町国際フォーラムにある相田みつお美術館へ。「へたうま」の元祖と言ったらいいのだろうか、1980年代後半から、崩した、それでとても温かみのある書体とその内容で主に中高年に人気のある詩人にして書家。
ここは職場と目と鼻の先。あまりに近すぎて、今まで寄ったこと無し。特定作家の都心にある「美術館」はあまりに小さく、期待はずれのこともあるので、あえて寄らなかったとも言える。
招待券を頂いたので行ってみたら(笑)、これが想像以上の充実振り。展示のボリュームも想定以上だったし、内装、展示の工夫もすばらしかった。
そういえば、社会人になりたての頃、役員の一人が好きだったらしく、作品集からコピーした１,２枚の作品が社員に配られたことがあった。その当時は「ふーん」くらいだったが、今回見ると「いいな」と思う。
これこそ、人生の智慧、そんな感じ。そういう歳になった、ということなんだろうな。ま、これは「進歩」と言えるだろう。
2009年03月28日
三菱みなとみらい技術館
三菱重工の株主優待が今月いっぱい！ということで、三菱みなとみらい技術館に行ってみることにする。
「宇宙、海洋、交通・輸送、くらしの発見、環境・エネルギー、技術探検の6つのゾーンに分かれており、実物や大型模型などで最先端の技術をご紹介しています。また、オリジナルの体験型展示を備えた「トライアルスクエア」では、様々な乗物の設計・製作・操縦を通して、ものづくりの一端に触れる事ができます。」
と言う触れ込み。
トライアルスクエアの設計シュミレーションは意外と本格的。わけのわからないうちに終わってしまいひどい成績。TVゲームに慣れている子供のほうが上手い。
産業技術館では、トヨタ産業技術記念館が今まで見た中で一番。何しろ、本物の織機とか大型プレス機が置いてあって、しかもそれが動く。本物の迫力に、やはり模型では敵わない。
2009年03月27日
2009年03月26日
なぜ日本人は学ばなくなったのか
なぜ日本人は学ばなくなったのか (講談社現代新書 1943)
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昨晩、齋藤孝先生の講演会に出席。
私より年上の齋藤先生だけど、見た目はせいぜい30歳。研究が、教育が本当に好きで、心から楽しんでいることが伝わってくる。
講演内容については、
・「学ばなくなった」ということについては合意。
昔も今も、上位2割は良く学び、下位2割は学んでないと思うが、大半を占める中間層は以前ほど学ばなくなっていると思う。
・その理由は良く分からなかった
講演のタイトルも本の題名と同じだったけど、「なぜ学ばなくなった」かについては、「その親（団塊の世代)がそもそも戦前にはあった古典的教養主義を受け継いでない」という以外、説明がなかった。
なぜ教養主義を受け継がなかったか、については、戦後の価値観転換の中で、さらにその親世代が自信を持って自分たちの受けた教育を教えなかったからだろう。当然、学校教育の内容、教え方も変わった。
・ではどうしたらいいか
齋藤先生の主張は、素読も含め、「本を読むことが基本」ということだった。この点についても、合意。無料であるからこそ価値のない、あるいはむしろ害のある情報があふれるインターネットと違い、コストが掛かるからこそ本の情報はまとまっている。
「学ばなくなった」理由について私の意見は、
・学ばなくても（社会が豊かになり)食べていけるようになったから
に尽きる。戦前の官僚の地位は高く、文字通りエリートであった。勉学に励み、試験にさえ通れば身分に関らずエリートになる道が開かれた、ということは身分制度のあった江戸時代からすれば画期的。勉学に励む強力なインセンティブが生じたことは想像に難くない。
不況の今も公務員は人気だけど、その大半は「楽したいから」という消極的な理由でなる中下級公務員。天下りや何やらでイメージが悪くなってしまい、現役時代それほど待遇がいいわけでもない上級公務員職の人気が復活したとは思えない。
一方、民間企業は今の学校教育で付く能力が現代に必要なビジネス能力とそれほど相関関係があるとは思ってないから、大学受験までの基礎学力は入っている大学で推定するが、大学時代の（どうせあてにならない)成績を重視していない。
大学での教養教育は、当然、実社会で稼ぐ能力に直結しないが、実は社会のあり方を大きく変えるようなビジネスを創造した人は商学部や経営学部の出身ではなく、文学や哲学、あるいは物理学や数学など直接関係なさそうな学問を、それも、一時期夢中になってやったような人に多い気がする。
2009年03月25日
J:COM
ジュピターテレコム（4817）の株主総会に出席。 ここは日本最大のケーブルテレビ局統括運営会社。住友商事グループ。 ケーブルTV運営業者は区や市町村単位で小さなところが多く、これらを買収して加入世帯を増やすとともに、大手だから出来るコンテンツ提供、IP電話、PHS（Wilcom)を加えて世帯当たり月額収益を増やしていく戦略。
2008年は5社を買収。2008売上2943億円（今期計画3300億円）営業利益536億円（同600億円）
ケーブルTVという一般消費者向けの事業の上、一株単位で買えるからなのか、JASDAQ銘柄としては株主は１万人以上と多い。今日も70,80人出席していて、4人が5回質問。うちJ:COMユーザーと明かした方が２人。
ほとんどの質問に的確かつ率直に答えられていたが、一つだけ歯切れが悪かったのが東証上場可能性への質問。 株価がさえない一因はJASDAQ市場にあるのではないか?さっさと東証に上場したら？という質問だったが、「そのためにはイロイロ条件があって…」と言葉を濁した。
業績的には申し分ないが、おそらく、一つだけ問題になりそうなのが、親会社。住友商事と合弁相手の米Libertyグループで63％を保有。これを下げないと東証は難しいのかもしれない。
2009年03月24日
小さな会社のブランド経営戦略
結局、営業に頼ってしまう御社が伸びない本当の理由 (アスカビジネス)
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先日2作目の出版記念会でお会いしたブランド構築コンサルタントの澤田且成さんとランチ。澤田社長はブランド戦略コンサルティングの大手「インターブランド」出身の方で独立してid10を経営。
この機会に第一作目を紹介したい。ブランド構築入門としてよくまとまった本だと思う。
VC投資先でも上場できるまで成長できるのは2割程度。今なら1割もない。
売上10億円程度までは、ある意味、社長一人が頑張って営業すれば何とかなる。5年ほど前はこの程度で新興市場に上場できる環境があったので、｢その程度」の会社が上場してしまった。
結果的には、上場で得た資金を利用して、そこからさらに売上を20億、30億と伸ばしていけた会社は少なかった。それが出来るかどうかのカギの一つはブランディングだと思う。
澤田さんによれば、ブランド構築で、
・お客さまから選ばれる!
・高くても買ってもらえる!
・広告宣伝費を下げてもお客さまは来てくれる!
という期待が出来ると言う。
2009年03月23日
2009年03月22日
Roald Dahl
奇才ヘンリー・シュガーの物語 (ロアルド・ダールコレクション 7)
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八ヶ岳に持っていくのに、小2の末娘から勧められたのがこれ。本好きのうちの家族でも桁外れに本好き。学校や図書館の児童書は殆ど読みつくし、最近は大人の本も読み始めている。兎に角、本を読み出すと、食事も宿題もそっちのけで困っている。
さてロアルド・ダールはヒットした映画『チャーリーとチョコレート工場』の原作者。イギリス人の元戦闘機乗り。第二次大戦始めにドイツ軍との戦闘でリビアで撃墜され、九死に一生を得る。6ヶ月の入院の後、ギリシアで先頭に復帰するも、事故の後遺症の頭痛がひどくなり、一旦帰国。
ひと月後、英国大使館付き空軍武官補佐としてワシントンD.C.に赴任。ここに「戦争の話を聞かせてくれ」と訪ねてきたのがイギリスの著名作家であるC.S.フォレスター。
昼食を取りながら話を聞かせているうち、面倒だから、「後で自分で書いて送ります」と書いて送ったものがフォレスターをうならせ、そのまま彼が連載していた新聞Saturday Evening Postに掲載され、大評判となる。
こうして一人の人気作家が誕生する。
この本に収録されているのはどれも｢チョコレート工場」並みに、独特の雰囲気で読ませる。面白いのは、最後に収録された自伝的物語『思いがけない幸運』。
彼は寄宿制のパブリックスクール出だが、学校の通信簿を転記してある。
1930年夏学期(14歳) 作文
「こうまで頑なに本意と裏腹なことを書く生徒に出会ったためし無し。考えを記述する能力皆無と思われる。」
1931年イースター学期(15歳) 作文
「終始おざなり。語彙貧困、文章力欠如。ラクダも同然。」
ここまでひどく書く通信簿も珍しい。(笑)
さらに衝撃的なのは、パブリックスクールでの罰としての鞭打ち。パブリックスクールの校則は厳しく、些細なことでも鞭打ち。さらに、上級生からのイジメ。イジメは日本の専売特許ではなく、世界中どんな国、学校でもある、と思っておいたほうがいい。以前見た統計では、イジメの発生頻度は日本よりイギリスのほうが高かった。
ダールは問題児だったようで、頻繁に鞭打ちされていたらしい。「イヤでイヤで仕方なかった」と言っているが、卒業後振り返ってどうなんだろう? 流石に現代のパブリックスクールで鞭打ちはないと思うが、日本のように体罰を絶対禁止、というのも非現実的に思う。
2009年03月21日
2009年03月20日
まかせてネット
JASDAQ上場のジャストプランニングIR説明会。
外食業向けに統合型POSシステムをASPで提供。10年前に本事業を始めたASPの老舗。チェーン展開している外食企業にとっては初期導入コストを抑えられ、また出店閉店がフレキシブルに出来るメリットがある。
鈴木社長はまだ39歳。聞けば、創業者は吉田会長(45歳)で、鈴木社長は元々はシステム開発を引き受けた開発会社を経営していたのが、後、社員共々合流することになったということ。
外食産業はここ数年厳しい状況が続いており、ASP利用店舗数の伸びが鈍化している。しかし、価格メリットがあるので営業努力でまだまだ伸ばせそうな印象を受けた。
利用店の数字をリアルタイムで把握できることから、この情報を元に、様々な周辺サービスも提供できそう。
2009年03月19日
なぜ日本ではベンチャーが育たないのか?
昨晩、法政大学で開かれた公開講座に参加。
講師は、ロケーションバリューの砂川社長。Harvard MBAで、前職は米国VCのGlobespan。JAFCO出身者でも数十人くらいベンチャーを興した人間は居るが、米国VC出身で日本で起業というのは珍しい。
「なぜ日本ではベンチャーが育たないのか?」については政府や大学がかなり長い間調べていて、いろいろな施策もあって、昔よりかはベンチャーを取り巻く制度的環境は良くなっていると思う。それでも、ベンチャーは育っていない。改革が的外れだったのか、それとも、制度改革では変わらない別の大きな要因があるのか。
砂川氏の分析は的確で99%私も従来より主張してきた意見と合致。つまり、
・VCが乱立（中途半端なVCがたくさんある）
・アーリー投資ができてない
・少額投資（キャズムが越えられずこじんまりした展開に)
・経営者が育たない
ということなのだけど、これに対して３つの提言をしている。
１．VCに競争原理を導入
ベンチャー企業側が、どのVCのどのパートナーが実際に株主として役員として価値創造に役立ったのかを評価する施策。
２．少数精鋭のベンチャー企業に集中投資する
資金の集中したVCから、絞り込まれた対象にアーリー段階から収集投資し、経営関与度を高める。経営者は持分の希薄化を受け入れ、健全なチェック＆バランスが効いた経営を実行する。経営上の必要があれば、経営者をVC主導で総入れ替えする。
３．プロ経営者の英才教育
ベンチャー企業を食い物にする経営経験のない有象無象のコンサルタントから切り離し、優秀な若手を優秀なベンチャー経営者の元で修業させる。（アイデアは偶然に起こるものなので、大学の起業家講座は無意味)
付け加えるとするなら、プロ経営者の卵であるMBAホルダーがもっとベンチャー経営者になるようにしたい。これまで海外著名BSの日本人卒業生は、大半が外資系金融機関や大企業相手のコンサルティングに行っている。
ここが最も給与水準が高いからなのだが、VCの投資判断にあたっても、「アイデアはいいが、この人に会社経営は無理だろう」というケースは多い。ここに、MBAホルダーなど実務経験者が入ってチームを作ってくれれば投資可能性は大いに上がる。
そのためには、リスクを取って「プロ経営者」として参加してくれる人にそれだけの対価を払うことは必要。著名BS卒業生の初任給は年俸1000万円を超えており、それ以降実績によって上がっていくので、ベンチャー企業であれ、それだけの期待をするなら1500万円位は出す必要はあるのではないか。もちろん、経営者なので、成果が出せなければ解任するまでだ。
2009年03月18日
2009年03月17日
落日燃ゆ
一昨日録画しておいたTV朝日開局50周年記念ドラマ「落日燃ゆ」を見る。
いわずと知れた、城山三郎原作の歴史小説。だけど、原作はまだ読んでない。(^_^;)
極東裁判で一切弁明しなかった、というのは自分には納得のいかない部分。裁判と言うのは、互いに自分の立場を主張する中で真実を探り出す過程だと思うから。
戦争反対だったとすれば、それが｢天皇の統帥権」に阻まれ戦争回避できなかったことを明らかにしなければ国としての発展がないだろう。
ひょっとすると、そうすることが「天皇の統帥権」問題に触れることになり、天皇に危害が及ぶことを恐れて自分が罪をかぶったのではないか?
・・・と思い調べてみたところ、以下のような記述があった。
「弁護人の一人（ジョージ山岡）が統帥権の独立の元では官僚は軍事に口を出せなかったことを弁明した際にも、広田はそれについて語ろうとしなかった。(中略) にもかかわらず東京裁判で広田が沈黙を守り続けたのは、天皇や自分と関わった周囲の人間に累が及ぶことを一番心配していたからだとされる。広田は御前会議にも重臣会議にも出席しており、日中戦争が始まる時にも天皇を交えた話し合いがもたれていた。」Wikipedia
どうやら、この辺りが真実に近いような気がしてきた。
2009年03月16日
意外と元気な地方企業
先週の高松出張で、いつも通り地元ベンチャーを訪問した。最も業績が悪いだろうと予想していたメーカー2社が思ったほど悪くないのでビックリした。
2社の共通点：
・メカトロ関連で設備投資が絡むため、やはりその部門は売上減だが、新規部門売上が増えている
・売上の半分が特定の1社だが、数年前から営業努力して他の売上を増やし徐々に依存度を下げている
・難易度の高い仕事に挑戦し、年々技術を上げている
こうやって好況時にも浮かれず（元々、地方はそれほど好況であったわけでなかったことも幸い）、日々、製品と顧客のリスク分散を図っていた。
こうして努力していたところへ、顧客である大企業もこの不況で技術者に余裕が出来たため、既存取引先にとらわれず、新製品開発のため技術力の高いパートナーを探している。
キチンと経営していたところには正に飛躍のチャンス！
2009年03月15日
燃えよ剣
以前、雑誌「プレジデント」でオリンパスの菊川社長が推薦していた。
読んでみると、なるほど、新選組副長土方歳三の「喧嘩師」としてのブレない生き方への共感のほか、その組織作り、作戦の立て方、組織の中での役割、など経営書としても読める。
大政奉還を経て明治政府が出来たのは1868年。「富国強兵」の明治体制が行き詰って敗戦になったのは1945年。その間77年。1945年から77年後は2022年。
前回は行き着くところまで行かないと転換が出来なかった。その転換は、それまでは何だったの?と言うほど見事だったが。
「歴史の短い国」と軽蔑されることのある米国も建国以来230年以上経った。その間に憲法はたびたび改正され、時代に沿うものになっている。制度が破綻する前に改革できるのが米国の強みのようだ。
今後、日本は自ら変われるのか？それとも、「ああでもない、こうでもない」と赤字を垂れ流しながら今後も無為に時を過ごすのか?
2009年03月14日
「日本の企業家史 戦後編」終了
小倉昌男 経営学
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昨年秋から毎月一回、土曜日に続いていた法政大学エクステンション・カレッジ「日本の企業家史 戦後編」が今日で終了した。昨年の戦前編に引き続き、今回も皆勤。
最終回の今日は、京セラ創業者の稲盛和夫氏と、ヤマト運輸の2代目にして宅急便生みの親である小倉昌男氏。どちらも1960年代以降に出てきた経営者としては特筆されるべき巨人であろう。
稲盛氏は77歳にして今でも全国の中小企業経営者を対象にした盛和塾をボランティアで続けている。小倉氏は、そのような塾はやっていなかったと思うが、名著『経営学』を残された。これは日本で出た経営書の中でベスト10に入ると私は思っている。
読みたい本は多いので、99%の本は一度しか読まないが、折に触れ読み返す数少ない本の一冊。
2009年03月13日
2009年03月12日
がもう
蒲生と書いて「がもう」。
讃岐で「がもう」と言えば、名著『恐るべき讃岐うどん』で有名になった、いわゆる「製麺所系」のうどん屋。
私の実家からは不便な場所にあり、これまで行ったことがなかったこの店に、今日出張中に近くを通りかかり、ここでお昼を食べることに。
店に着いたのは1145、店の前には既に20人ほどの列! 駐車場は小さな店の十倍以上の広さがあり、こちらも2/3程うまっている。平日でこれだと、観光客が来る週末は凄そうだ。
列に並んで待つこと15分、ようやく店に入れる。セルフサービスの店なので最初に注文。まず、うどんの量を選び、後は天ぷらなどのトッピング?を選んで勘定。
うどん大（2玉)220円＋天ぷら80円＝300円也
うどんは細めで、つややか。美味しかった！
ダシはカケとぶっ掛けのみ。このシンプルさがいい。
2009年03月11日
カバチタレ!
カバチタレ! (1) (講談社漫画文庫 (こ8-1))
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ところで、昨日のランチにはもう一人の参加者が居た。
うちの法律顧問の行政書士。うちのように自営業に毛の生えた程度だと普段法律相談があるわけではない。それでも、入居者との契約書の雛形を作ったり、登記の際に相談するのがこのS先生。
「弁護士の数は人口当たりで見て、日本は世界で最も少ない」というのは正しいらしいが、実は、日本に「法律家」というのは弁護士、司法書士、行政書士の三つの資格がある。
英国ではbarristerと言われる法廷弁護士と、solicitorと言われる事務弁護士に分かれているが、この1000年にも渡る制度も、最近緩和されsolicitorでも法廷に立てるようになったらしい。
米国は元々こういった区別もなく、law school(法務大学院)を卒業して、州毎に異なるbar examを受験して受かればその州で仕事ができる。
日本の｢法律家」の数も、司法書士、行政書士も加えれば結構な数になるらしい。これまで「代理権」は弁護士にしか与えられていない特権だったが、平成15年の改正司法書士法で、簡易裁判所の管轄となる140万円以下の民事事件についての代理権が司法書士にも付与されることになったということ。
さて、そろそろ10年になる人気のマンガ「カバチタレ!」の主人公は行政書士。法知識を駆使して窮地に陥った人たちを助ける。
専門家が見ると、「そこまでやっては行政書士法違反ではないか?」と言う場面もあるそうだが、これを「代理権の行使」と見て違法とするか、単に依頼人の｢意向を伝えただけ」とするかはグレーのようです。(要は、行政書士はmessengerはできてもrepresentationは出来ない、ということですね＝私の解釈)
「おそらく、作者(広島県呉出身)や出版社には弁護士から苦情が来ているのではないか」ということです。最も、「この物語はフィクションであり･･･」と謳ってあるので、差し止めることも出来ないようですが。
法律知識に対するニーズは世の中にたくさんあるので、もっと行政書士や司法書士が活躍の場を増やせるといいですね。
2009年03月10日
パンダレストラン
渋谷の会社社長と道玄坂でランチ。指定されたのはパンダレストラン。
道玄坂に面したビルの地下一階。入ると中はかなりの広さ。テーブル間もゆったりめで、調度も洗練された感じ。
「これはランチコース1200-1500円くらいかな?」と思ったら、麺類は800円から、ランチセットは850円からと街角の中華屋さんと変わらない。(1500円のコースもあったけど)
麻婆豆腐が好物なのでそれに惹かれたが、「辛」とあったので、やめておく。余り辛いのは苦手。それで、回鍋肉に。普通にイケました。
2009年03月09日
銀色のフィレンツェ
銀色のフィレンツェ―メディチ家殺人事件 (朝日文芸文庫)
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先週読んだ『黄金のローマ』の前編に当たる。塩野七生ルネサンス･イタリア3部作の第二部。話がつながっていると知らず、先に『ローマ』を読んでしまったので、順番が逆になってしまった。
フィレンツェは政治学者マキャベリを生んだ都市。作中にマキャベリと友人だったという老政治家が二人出てくる。その一人の共和制を続けているヴェネツィアと君主制になってしまったフィレンツェを比較しての言。
「ヴェネツィアは、フィレンツェとちがう。ヴェネツィアには、共和制を続けていける事情があるのだ。経済力が、いまだにしっかりしているからですよ。国民多数の物質的要求を満足させられるだけの、経済力がまずある。同時に、それをほぼ公正に分配するための政治力も、いまだ健在だ。20万人の国民を2千人の貴族が統治する寡頭制を一貫してつらぬいてきたのがあなたの国ヴェネツィアだが、198千人は反対派にはまわらない。切り分けるケーキはまだ充分に大きいのだし、切り分け方も、まずは納得するしかない程度には公正だからです。」(p286)
そう、貧すれば鈍す。
先週、鳩山大臣が「お金よりも大事なことがある」と東京中央郵便局の建替えに「待った」を掛けた。
建物の価値の議論は別にして、これが財政も豊かで、国際競争力もある国ならそれもありだと思う。しかし、現実は、高齢化に加え、経済対策で国の財政は破綻に向かってまっしぐら。輸出に頼っていた民間企業の勢いもない。
そんな環境で、東京駅前の一等地を開発することは経済競争力のアップにつながるし、民営化した日本郵便の財務基盤強化になる。猫も杓子も国の支援を求めている中で日本郵政という日本最大級規模の会社が自立できるかどうかは大きな問題だ。
改革を遅らせたばかりに巨額赤字を垂れ流し、税金で処理した挙句、未だにそれを返済できてない国鉄を思い出して欲しい。
建築案では、周囲で先に建替えた銀行倶楽部、日本工業倶楽部同様、現在の外壁を残して高層化することになっている。
大まかにはこれでいいのではないかと思うが、どうだろう？
2009年03月08日
好況充実、不況拡大
今朝たまたま点けたTVで見たのがNHK経済羅針盤。ゲストはケーズデンキの加藤社長。
都市部に出店してないので余りなじみがないが、この不況下でも増収を続けている優良企業らしい。何しろ、61年前の創業から一度も売上を落としたことがない、というのだから凄い。
さぞや厳しい営業の会社なのかと思うが、加藤社長からして声も小さめで淡々と話す。TV生放送で緊張しているのかと思ったが、会社で社員に向け話しているときも全く同じ。説明を聞くとがむしゃらな営業でなく、考え抜かれた仕組みの会社であることがわかる。
最も印象に残ったのがタイトルの言葉。
「好況時には放っておいても自然に売上が上がる。拡大しようとしても、物件は高いし、人も思うように集まらない。なので、好況時には無理をせず、既存店の充実を図る。
不況時には、既存店の売上は減るので人員は余ってくる。この人員を新店舗に回して売り上げ増を図る。有利な条件で物件が手に入るし、人も集めやすいので拡大は容易。」
ということで、ホント、自然体。
紹介されていたのは、今度オープンを決めた南町田の元カルフールの入っていてところ。居抜きなので、新たに作るよりも1/10のコストで出店できるという。
店舗に行ってみたいが、郊外･地方専門に出店しており、都市部にはない。この辺りも、分をわきまえている、というかポジショニングなのだろう。
2009年03月07日
浜口直太＆澤田且成 出版記念パーティー
選ばれ続ける社員の法則77 出世が早い!にはコツがある
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昨晩、浜口先生が50冊目の本を出版した記念パーティに招待いただく。
ここ数年、ナント年間15冊のペースで書いているというから凄い。どうやってそんなに書いているかというと、移動中などちょっとした空き時間に携帯メールで書いてそれを自分のPCアドレスに送付し、後でまとめて編集していくのだそうだ。
人間、｢絶対やる！」と決めれば方法は見つかるものだと納得。
会場には著名人も多数来場。仕事上も関係がありそうな、伊藤忠テクノベンチャーズの安達社長、HIS澤田会長、元NIF社長で現在ラディアホールディングス(旧グッドウィル）の堀井社長らと立ち話。
そうそう、ドクター中松も居ました。スピーチ上手かったな。大変な人気で、私は名刺交換できませんでしたが。
2009年03月06日
面白法人KAYAC
面白法人カヤック会社案内
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月に一度の朝食勉強会。今朝の講師は、面白法人KAYACの柳澤社長。
この方、全く社長らしくない。本人も「社長」なんて呼ばれると「役割に固まってしまう」と嫌っている。「変わること」が信条。
慶応SFCの同級生3人で創業したこの会社の経営理念は、
つくる人を増やす
本業はwebサイトの制作。自社サービスと受託開発両方。その他にもイロイロ面白いことをやっています。クリエイティブ系の人にはおそらく堪えられない会社かも。
仕事の指針：
１．「何をするか」より「誰とするか」
２．鎌倉本社と旅する支社
３．サイコロ給とスマイル給
４．「それって漫画っぽい？」
５．量が質を生む
「会社案内」はプレジデント社から出版されて市販中!です。
2009年03月05日
その後のバイオベンチャー
投資先のバイオベンチャーの半期に一度の説明会。
この会社、ほぼ計画通りに事業が進み、現在P1に入ろうとしている。
臨床試験が始まるとさらにお金がかかるので、本来であれば、追加の増資をしたいところ。計画通り開発は進んでいるのだから、株主であるVCは追加投資すべきところ。
ところが、上場しているバイオベンチャーの株価は惨憺たるモノ。殆どの上場バイオベンチャーはIPO後も赤字が続いている。アンジェスMGも今や時価総額80億円で、かっての1/10。
こんな状況なので、どこも追加投資が出ない。実際、仮に上場しても下手をすると数年前に投資した簿価を割ることになるので、上場しても儲からず、勿論上場しなければ換金できずゼロに等しい。
年間VC投資額は昨年、一昨年の半分の1000億円。このままだと、今年はさらに半減しそうだ。
2009年03月04日
オンラインショッピングでトラブル
遅ればせながら地デジ対応薄型TVを買おうということで、一月ほど前にあれこれ情報収集し、webで価格を比較。迷わず、最安値のところに発注。
直ぐに回答があり、「納期は1週間」。指定された口座に送金。
そのまま忘れていたところ(^_^;)、10日ほど経って、「遅れて申し訳ない。発送のめどが立たない。」というメール連絡があった。
今まであったものが壊れて使えないわけではないので、「ま、いいか」ともう少し待ってみることにした。
それからさらに1週間経ったが、「めど立たず」ということで、先ほどキャンセルを伝えた。
反省点：
・発注した先は、ヤフオクで探して見つけたところ。ショップのURLが載っていて、値段も安く、オークションで落とすより確実なので、発注した。その際、ヤフオクの「評価点」が数百ポイント付いていることを確認した。
・ところが、トラブルになってから良く見てみると、評価点は殆どが2年前までのもの。ここ2年で1点しか落札されてない! つまり、ヤフオクへの出品はショップHPへ導くための「宣伝」であり、スタート価格を安くしているものの最低落札価格を高く設定して実際は誰も落札しない様にしている。
・在庫を全く抱えておらず、注文を受けてから仕入れている。仕入れがうまくいけば問題なく出荷されるのかもしれないが、ショップの想定している利益が確保できない場合、仕入れを控えていると思われる。
幸いなことに、今まで10年来ヤフオクでだまされたこともなく（何度か、思っていたよりも汚れていたり、直ぐ壊れてしまった、ということはありましたが、逆に思ったよりも良かった！ということもあり）、気が緩んでいたようです。
ヤフオクは保険制度もあり、比較的安全だと思います。楽天などモールも定期的にショップの審査をしているようなので、まず大丈夫でしょう。
でも、今回の私のように、個々のオンラインショップで買い物するときは用心が必要ですね。ショップ名を検索すれば過去のトラブル履歴が出ていたので直ぐ分かったことでした。
さて、お金は無事帰ってくるかどうか?
結末はまた報告したいと思います。
2009年03月03日
横浜ベンチャーポート
横浜市創業支援・成長促進事業主催の「第3回株式上場に向けたマッチング交
流＆ビジネスプラン発表会」に初参加。
基調講演として2年前にJASDAQ上場を果たしたニックスの青木社長が講演。「上場のメリットデメリットよく理解したうえで、『ニックス100年の計』を考えて上場した。管理部門の人員増を除いた、監査法人等外部に出る経費だけでも上場で5000万円増えた。今の市場環境だったらやらなかったかもしれない。」と率直な話。
その後、メインの「横浜ビジネスグランプリ2009受賞企業」
1社「これは！」と思う企業があり、別途アポを取る予定。流石に商社は情報が早いようで、大手商社複数社と海外販売の計画作りに入っているようです。
2009年03月02日
2009年03月01日
黄金のローマ
黄金のローマ―法王庁殺人事件 (朝日文芸文庫)
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この所、休日には小説を手に取ることが多い。今日読んだのはこれ。
『ローマ人の物語』で有名な塩野七生の1993年の作品。『緋色のヴェネツィア』『銀色のフィレンツェ』に続く3都市を舞台にした三部作の最後になる。
舞台はルネッサンス期のローマ。主人公はヴェネツィアの貴族マルコ。彼は愛人の遊女オリンピアを追いかけローマに来る。
当時のローマの様子、外交関係、古代ローマの歴史などがマルコの目を通して見聞でき、半分、ガイド本を読んでいるような気になる。
面白いな、と思ったのはヴェネツィア共和国の政治の仕組み。そこには並み居る大国に挟まれながら数百年にわたる独立と繁栄を謳歌した知恵がある。
ヴェネツィア共和国は情報収集を重視し、完備された情報網を持っていた。歴史から学ぶことは多い。
