2005年03月
2005年03月30日
2005年03月26日
2005年03月23日
組合総会
昨日は組合総会。「組合」と言っても労働組合でも農協でもなく、投資事業組合=ベンチャーキャピタルファンドのことである。
業務執行組合員である我々から投資先の状況について報告。
出資者の要請としては「もっと地元に」であった。これは良いのだけど、その後がいけなかった。「地元貢献として出していますから、株式公開できなくても構わない。」と言うのだ。
実際のところVCファンド全体として歴史的に投資先が公開を果たすのは、3社に1社。投資している側も、されている側も公開を目指そうと全力を挙げても結果はこうである。
しかし、最初から公開も目指さない会社に「地元貢献」として出すのは、ろくに融資審査もせず不良債権の山を築いた愚挙を繰り返すことに等しい。あるいは、書類さえ整っていれば貰える補助金に等しい。
こんなことならベンチャーキャピタリストは要らないし、VCファンドという仕組みを作る意味もない。しかも、後に続く会社のロールモデルにもならないような会社に出資したのでは、「地元貢献」という目的さえ達成できない。
未だ理解されてないナー、と感じた一日だった。
業務執行組合員である我々から投資先の状況について報告。
出資者の要請としては「もっと地元に」であった。これは良いのだけど、その後がいけなかった。「地元貢献として出していますから、株式公開できなくても構わない。」と言うのだ。
実際のところVCファンド全体として歴史的に投資先が公開を果たすのは、3社に1社。投資している側も、されている側も公開を目指そうと全力を挙げても結果はこうである。
しかし、最初から公開も目指さない会社に「地元貢献」として出すのは、ろくに融資審査もせず不良債権の山を築いた愚挙を繰り返すことに等しい。あるいは、書類さえ整っていれば貰える補助金に等しい。
こんなことならベンチャーキャピタリストは要らないし、VCファンドという仕組みを作る意味もない。しかも、後に続く会社のロールモデルにもならないような会社に出資したのでは、「地元貢献」という目的さえ達成できない。
未だ理解されてないナー、と感じた一日だった。
2005年03月21日
中村修二

昨日読んだ中に、中村修二・カリフォルニア大学サンタバーバラ校材料物性工学部教授のインタビュー記事があった。言わずと知れた、青色発光ダイオード(LED)の発明者として、さらに、その特許の対価支払いを求める裁判で有名になった人である。
先日東京高等裁判所での二審の判決の結果、一審での日亜化学による200億円支払いを覆し、両者は8億4000万円支払いで和解した。
中村氏は、愛媛の生まれで、徳島大学工学部卒。同じ四国ということで、日亜化学在籍中「青色LED発明者」としてヒーロー扱いされていた頃、「凄い技術者が四国にも居た」と嬉しく思っていた。
その後、日亜を退職し、カリフォルニア大学教授になった頃から、立場が自由になったからだろう、発言がおかしくなった。
私が気になった氏の主張:
1.今回の判決で技術者は「やはり報われないんだ」とやる気をなくす。
2.その結果、日本での技術革新が進まなくなる。
3.米国では技術者は優遇されている。
4.米国のベンチャーキャピタル(VC)は日本と違い技術者上がりなので、技術に対する理解がある。
これらの主張は、会社の従業員としての立場と、独立したベンチャー企業の役員としての立場を完全に混同している。
従業員として会社から給与を貰いながら、会社の設備を使って発明すれば、発明が会社に帰属するのは当たり前だ。米国であろうが日本であろうがそうである。先日見たTV番組「億万のこころ」に、3MでPost Itを発明した元従業員が出演していたが、この世界的大ヒット商品に対する対価は「ボーナスを100万円くらい貰ったかな?」だった。
研究開発時点で、その研究が最終的に製品として成功して、会社に利益をもたらすかどうかは誰にもわからない。会社はそのリスクをとって、研究開発費を使い、研究者・技術者に給与を払っている。
つまり、リスクをとっているのは、会社であり、その会社の株主である。従業員がリスクを取っているわけではない。成功報酬を求めるなら、失敗したときにはどう責任を取るのか?中村氏は開発に失敗していたら、開発費を会社に返すつもりだったのか?少なくとも、会社を辞める覚悟だったのか?
私もかって米国メーカーで働いたが、会社の命令に背いたら即クビである。この点、曖昧さが残る日本企業より厳しい。中村氏は、「会社の開発中止命令に背いて、勝手に開発したので自分の発明」としているが、もし中村氏が日亜でなく、(氏がいいという)米企業勤務なら、その時点で業務命令違反でクビになって、開発は続けられなかっただろう。
そういった場合、アメリカ人の技術者ならどうするか? その時こそ、中村氏が言うように、VCを訪ね、飽きるほどプレゼンテーションを繰り返し、必死の思いで売り込んで資金を調達するのである。
調達した資金で会社を作り、研究開発を続ける。成功すれば、持ち株とストックオプションで億万長者、失敗すれば、会社は解散する。独立した会社なので、誰が発明したか?という曖昧さはない。
ただ、VCの投資を受け入れれば、経営権はVCが握る。経営経験のない中村氏が経営者に据えられる可能性はゼロで、VCがプロの経営者を連れてくることになる。
従業員としてリスクをとらずに、給与を貰いながら、会社経費で開発しておきながら、「儲かったんだから200億円よこせ」とは余りに虫が良い話だ。それほど自信があるなら、独立して自らのリスクで開発を続ければよかっただけの話。
そうやって有力なベンチャーが出てくるわけで、これは大歓迎だ。リスクをとる技術者が報われるべきで、それが嫌なら、ボーナスと昇給で満足するしかない。
この資本主義の原則?が分かってない一審の東京地裁の裁判官はスットコドッコイだと思う。おまけに、青色LEDのもたらす将来の収益まで入れて、発明の対価を600億円とした。将来の収益がどうやって分かるのか?明日にだって、対抗する技術が出てきて、日亜の製品は売れなくなってしまうかもしれないのだ。そうなった時、アナタが払うの?
研究開発が成功したときは発明者である従業員に巨額の報酬を支払わなければならないとしたら、日本で研究開発する企業がなくなってしまう。何十もある研究開発の中から出てくる一つの成功で、他の失敗プロジェクトの経費をまかなっているのが企業である。
山崎行太郎氏のコラム
http://yamazakikoutarou.gooside.com/nichia-nakamura.html
中村氏の主張
http://www.ne.jp/asahi/kt/bizan/naka-mst/naka-mst.htm

青色発光ダイオード―日亜化学と若い技術者たちが創った

負けてたまるか! -青色発光ダイオード発明者の言い分
2005年03月17日
2005年03月13日
Selection Conference
今年日本からは過去最高の応募があった。それに伴い面接人数も過去最高。ボランティアの同窓生が手分けして面接するのだが、例年一人当たり4人なのに対して、昨日は6人。一日がかりの面接となった。
一生懸命な候補者に接するのは、自分の初心を思い出させてくれるようで、毎年なるべく協力するようにしている。TOEFL、GMAT、小論文で足きりをした後の最終面接を卒業生に任せているというのもLBSのいいところだと思っている。
ただ、一日がかりとなると卒業生の負担は大きい。候補者が練りに練った小論文を事前に読んで的確な質問をしなくてはならない。どの学校に入るかでその後の収入など直接的な影響は日本の学校の比ではなく、候補者も必死である。
負担が理解のある一部の卒業生に偏ってしまうのも問題だ。毎年ほぼ同じメンバーが面接していて余り顔ぶれに変化がない。卒業後5年以内に一度は面接してもらうなど何らかのルールが必要な時期に来ているような気がする。
写真:先日のUK訪問で泊まった同級生の家にあった戦前のスタインウェイ
2005年03月09日
2005年03月08日
2005年03月06日
ロンドン不動産事情

その回答によれば、
1.10年続いた好景気
特に、ヨーロッパの金融の中心として発展を続けたシティに勤める人たちの資金が入った。
2.先日も指摘した外人資金
ロンドンが世界の金持ちたちに好まれる場所である。先日、ロンドン市内の邸宅が史上最高の140億円でインドの鉄鋼王に買われたのは記憶に新しい。
3.開発の制限
ロンドンは景観保護などのため、開発に厳しい制限がついており、需要があるからといって簡単に供給が増えない。
私の同級生で1991年の卒業後シティで勤め、結婚を機に退職、家族で暮らすため市内に家を買った友人がいた。1993年(不況の終わり)に競売で約2000万円で落札。リフォームし10年住んだ後、田舎に引っ越した。売却価格は4億円!
現在は田舎の名門私立学校に通う娘二人の世話をする「主夫」である。
写真:インドの鉄鋼王Mittalが買った大邸宅